叙爵
「クラリス・ヴェルハイムに
男爵の爵位と新しい街
ワンダーリゾートの領主を命ずる!」
「ありがとうございます!
アストル閣下のご期待に応えれるように
最高の領地にすることをここに誓います!」
クラリスは無事に
伯爵令嬢ではなく、正式に
本人が男爵の爵位を授かり
領主に任命された。
「クラリスよ、余はそなたをかっている。
その気になればいつでも
嫁ぎに来て良いのだぞ?」
アストル閣下はクラリスのことが
お気に入りだった。
あの英雄ヴェルハイムの一人娘にして
世界一の魔法学園を首席卒業。
絶世の美女でありながらその恵まれた才能。
王族が全滅してただ1人の王族の血筋となった
アストルには婚約者候補が山ほど来ている。
すでに何人もの貴族令嬢が
王の血筋を絶えさせないため立候補しており
実際のところどうやら第7夫人くらいまで
ほぼ内定しているらしい。
アストルは王として必然的に羨ましいほどの
ハーレム生活を築くことになるのだが
クラリスにはフラれてしまっていた。
「英雄と呼ばれた父と母の名に恥じぬように
立派な大貴族になる夢を叶えたいのです!」
アストル王自身も当時の戦争において
マッカーサー総隊長と
ヴェルハイム伯爵に命を救われた身。
クラリスに、こう言われてしまっては
彼女を応援する道を選ぶしかなかった。
そして、改めて聖女から
新しく街を作る提案を受けて今に至る。
「アストル閣下のお心遣い感謝いたします」
「うむ。期待しているぞクラリス。
近いうちに余もそのワンダーランドを
見に行きたいのだが、その時は案内を頼む」
「かしこまりましたアストル閣下。」
噂の最強のダンジョンの正体は
精霊様が運営しているダンジョンだった。
なんと光魔法を使う精霊様がいるとのことで
国としてもこのダンジョンを保護する方針を
固め、アストル王自身も興味津々になっていた。
「アストル閣下は早く子作りに励んでください」
マッカーサーが横からニヤニヤと冷やかす。
「マッカーサー!茶化すな!」
「くくく♪」
幼少期からアストル閣下の面倒を見ている
マッカーサーは親代わりとも言える立場。
半分は冗談だが世継ぎを作らなければ
いけないのは実際大事なことではあるのだ。
そんな訳で
アストル王は
マッカーサーとクラリスの案内のもと
ワンダーランドへ向かうことになる。
メグミはすっかりダンジョンの代表として
表に立つようになっていた。
教会も国もワンダーランドを支持する以上
もはや隠れる意味もなくなっていたからだ。
ダンジョンの受付など運営は今まで通り
ルーちゃんが精霊たちを使役してやっていくが
外交商談などはメグミが全部取り仕切っていた。
伝説の精霊使いとその精霊たちの
ダンジョンはもはや無敵状態。
ちなみにルーちゃんが魔王だったことは
しっかり隠し通せたので
これは墓場まで持っていくことに。
ルーちゃんはすでに霊体ですけどね!
「来ました。アストル王閣下です」
「ようこそ!ワンダーランドへ♪」
簡単なダンジョンの仕組みと
入口のカフェ、運営側モニタールーム、
新しく作った来客用の応接室にと
順番に案内していく。
「これが、精霊様の仕事......
なんと素晴らしい......」
アストル王も目を丸くする。
「ポーションの普及と流通を教会から
お願いしまして、市場に流して頂いています」
聖女からポーションをもっと作って欲しいと
頼まれ教会から付与用に大量の魔道具を
送り付けられている。
この魔道具をタダで貰えるのは結構ありがたい。
毎日ポーションに光魔法を付与するという
作業をメグミと聖女は実施しており
風の妖精アリアがその圧倒的な速度で
街へ運ぶという仕組みが作られていた。
アストル王が口を開く
「ところで、聖女はもしかして
ずっとここに滞在しているのか?」
「......はっ!」ギクッ!
普通に当たり前のように
ワンダーランドメンバーと一緒にいる
聖女マリベル・ラフォンテーヌ。
「居心地が良すぎて......
あ、いや、少し予定が空いていたので
第1公務であるポーション作成をですね、
メグといっし......メグミ様と一緒に
おこなっている次第でござります......」
「そうですか!ポーションは本当に
ありがたいアイテム。わが国で
生産がはかどるのはとても良いことです」
「世界中をまわっていると、
どうしてもポーションの普及作業が
滞ってしまいますので......おほほ」
「ウケる〜☆」
そのやり取りをみてケラケラ笑いながら
アリアが、応接室に入ってきた。
「ポーション持っていくね〜☆」
街へ運搬する担当をしてくれているアリア。
「ななななんだ!?この天使は!!!」
アストル王が、たちあがり凝視する。
「あ、王様ですか〜?アリアで〜す☆よろ☆」
「こちらは大気の精霊様です閣下」
「......おおお神々しい......!
なんという美しいお姿......」
アストル王はアリアを気に入っちゃったみたい。
このスケベ王め。
「ぜひ、お茶をご一緒させてください......」
口説き出した!!
「閣下!精霊様ですよ!」
「なぜだ?ダメなのか?
聖女は精霊様と
仲良くしているではないか!?」
「......はっ!」ギクッ!
そう言われるとたしかに弁解できない。
聖女に続いて王様まで
ふぬけにしてしまいかねない。
「いいよ〜王様今度デートしよ☆
美味しいとこ連れてってね☆」
「うおお!わかりました!!
精霊様!いや、アリア様!
国で1番の最高のシェフを呼ぼう!!」
「さすが王様〜やるじゃん〜☆
じゃぁちょっとあーしおつかい行ってくるね〜
王様ゆっくりしてってね☆」
「はい〜!!お気をつけて!!」
......。
......。
......。
アリアのやつ一瞬で国王を骨抜きにしやがった。
マッカーサーに目配せをするルーちゃん。
(なんとかしてよ?)
(う......!)
聖女はそっぽを向いて
私のせいではありませんアピールをしている。
クラリスがアストル王のことを
無言のジト目で見ている......。
クラリス一行とマッカーサーはこれで
ワンダーランドの運営側モニタールームなどを
覗いてしまったのでもう今後ダンジョンに
挑戦することはほぼなくなってしまった。
こちら側に回ってしまうということ。
ローズマリーが護衛で、第4層まで
貴族婦人を案内する仕事をしているので
ローズマリーには裏方は
見せないようにしなきゃ。
「アストル王それではお気をつけて」
「うむ。このダンジョン中心に
良い街になることを期待している。頼んだぞ」
「はい!」
アストル王の叶わぬ恋心なんていう
新しい問題が出てしまったような気もするが
ワンダーリゾート計画は
順調に進みそうでよかった。
ね、マリベル。
そだねメグ〜。
......。
......。
いやおまえ!ほんまにいつまでおるねん!!!
「......はっ!」ギクッ!
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