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転生したらダンジョンでした



突然だが、私はダンジョンである。

いや、待って。

私自身も意味がわからない。

落ち着いて整理しよう。


私の名前はメグミ。

日本で働くアラサー社畜。

ブラック企業に勤めてしまったおかげで

仕事ばかりの毎日だった。

唯一の趣味はテーマパーク巡り。

それも休みはなく、

ほとんど行くことも出来なかった。

そして、突然過労でぶっ倒れて

病院に運ばれたところまでは

なんとなく記憶に残っているのだけど......。


どうやら私はそのまま過労死したらしい......。

そして今どうやら

異世界に転生したようなのだ。


あぁ。

あんな人生ならこの異世界転生も

悪くないかもしれないね。

新たな人生を歩めるのなら日本に未練はない。

まぁ...あるとすれば行きたかったテーマパークが

まだまだたくさんあったことくらい......。


しかし、私は自分の現状を

よく理解できないでいる。


私は


......ダンジョンだった。


うん。これはどう見てもダンジョン。


私は自分の体がダンジョンになっていると

理解するのに半日を要した。


体の中がこの山の洞窟になっている。


うーん。ごめん。

正直、これ以上の説明がうまくできない。


もうちょっとさ。


可愛い異国のお姫様とかさ、

最強の伝説の勇者とかにさ、

転生してるならね?

もうちょっと、楽しめそうではあるのだけれど。


とりあえずわかったのは

この自分の体であるダンジョンを

マップとして認識して見れているのと、

どうやら内部を自由に設計できること。


何となくイメージすると

道を作れる。

壁の素材とかも変えれる。

ワンフロアしかないが

それなりの大きさには拡張できている。


さて、目もないし、口もないし喋れない。

ダンジョンという形はあれど

当然神経もなければ感覚はない。

お腹も空かない。眠くもならない。


うーん。


こまったな。


何をしたらいいのか。


途方に暮れるとはまさにこのこと。


散々ブラック企業で馬車馬のごとく

働いてきた私に対して

永遠ともとれるこの時間と虚無感。


やることがない、何も出来ないという

状況がとても皮肉に感じる。

あれだけ働かされていたのにね。




時おり、ダンジョンに人や魔物が入ってくるので

それをぼーっと眺めているだけ。

見ているというより感じているという感覚。

だって目がないんだもん。

そうとしか説明ができないの。

わかりにくくてごめんね。

私、誰に言ってるんだろ?

うん。暇なのよ。私。


そうして、実際

どれ程の時間がたったかわからないのだけど

私にとって

運命とも呼べる出逢いは突然やってきた。


ダンジョン内に侵入してきたそれが

なんなのか最初はわからなかった。

フワフワと空中を浮遊してきた

大きなたんぽぽのワタのような存在。

けれど、ダンジョン内に入ってきたら、

なんとなく生物であることは理解できたし、

酷く傷ついて死にかけていることも把握できた。


大丈夫かな?

手当してあげられないかな?

なんとなく暇だった私は

手当をするイメージをしてみた。

すると、不思議な光が現れて、

そのワタのような生物をつつむ事ができた。


手当てができたみたい。

ダンジョンにはこんな能力があるのかしら?

なんて思っていると

なんとそのワタのような生物は

私に語りかけてきたのだ。


おい、ダンジョン、おまえ、光魔法が使えるのか?


え!喋った!?


光魔法!?


なんのことですか?


お前が今使った魔法だ。認識出来ていないのか。


わ!

喋れた!


いや、喋ってはないのだけど

意思疎通はできている。


なんかよく言う、あれだよ。あれ。


聞こえますか·····聞こえますか·····

今あなたの脳に直接語りかけています......


ってやつ!

まさにそれ!


ダンジョンになりたてで何もわからないのだな?

よし、とりあえずはまず、

我をその魔法で回復しろ。

我は死に目にあってしまったが

なんとかここまでたどり着いている。

治ればお前に色々教えてやれる。


このワタは自ら歩けないほどの傷を負った結果、

ワタのような存在になって風に運ばれて、

命からがらここまで飛んできたらしい。


異世界てすごいね。

常識がまったく通じなさそう。

でも、永遠の虚無で暇をしていた私に

このワタを助けない選択肢はなかった。

傷を治すイメージをすると

光がそのワタを包み込む。


どうやらある程度回復できたらしく、

そのワタは私にこう告げた。


光魔法が使えるダンジョンなど初めて見たわ。

もう命も諦めていたが風に任せて

飛んでみたら助かるとはな。

世界は我をまだ生かしてどうする気なのか......。


ああ、ダンジョンよ、褒めて遣わすぞ。

我はルイーダ・ヴィンセント。


かつて、"魔王"と呼ばれた存在だ。


魔王様!?


まさかの大物に出くわすとは。


しかし、魔王がワタとはなんと滑稽な。


我は姿を自在に変えられる。

なんの力も使わずに移動するには

この姿が都合が良かっただけだ。


へー。賢いんですね。ぱちぱち。


お前、なんかちょっとバカにしてるだろう?


いや、だってワタよ?ウケるじゃん。


ははは!お前面白いな?

普通、我の正体を知った魔物は

恐れおののきひれ伏すんだがな?


ダンジョンなのにひれ伏しようがないわ?

どうすればいいの?


ははは。まぁ良いわ。

我も暫くはまともに動けん。

光魔法のあるお前に世話になることにする。


めっちゃ勝手に居着くやん。

でも、いいよ!暇だったし!


礼にダンジョンのやり方を教えてやる。


やった!チュートリアル先生ゲットだ!


お前はダンジョンという魔物だ。

人をおびき寄せるダンジョンを作って

お前の中に人をたくさん入れると経験値が入り、

ダンジョンを大きく拡張できる。


あ、私一応生物なのね!経験値てめっちゃRPG!


そうだ。魔物だ。

そうやってダンジョンというのは成長していくのだ。


成長したダンジョンの中には

1つの街以上の大きさになったやつもいる。

お前も大きなダンジョンでも目指して

人をおびき寄せるんだな。


へー。大きくなればいいのか?

まぁやることないし、やってみるかぁ。


拡張していけば魔物や宝箱を

好きに設定できるようになる。

罠なんかも作れるぞ。


わ!なるほど!面白そう!

昔やった街作るゲームとか結構ハマったのよね!


よし、お前にダンジョン1号の名前をやろう。

回復の礼に多少は助けてやる。


何その名前?私の名前はメグミよ!


ん?なんだお前?自分で名前をつけたのか?

魔物というのは本来上位の魔物、

今で言うと我が名前を命名してやると

ランクがあがるものなのだ。


へー、そうなんだ?でも元々名前メグミだしね。


元々?お前?まさか


ん?


転生前の記憶があるのか!?


え?


記憶持ちか!!


あ、そう......かも?たしかに記憶ありますね?


ははは!

お前ダンジョンで光魔法が使えて、記憶持ちか!

我なんかよりもさらにレアな存在だぞ!

これは面白い!


わー!私そんなレアキャラなんだ!?

なんか嬉しい♪


あぁ。生きてみるもんだな。

もう死んでもいいと思っていたが

お前との出会いは運命だったのかもな。


え!やだ!運命!?

仕事しかしてこなかった私に

そんなロマンチックなセリフ吐かないでよ!

魔王のくせに!

よし、ルーちゃん、友達なろ♪


ル、ルーちゃん!?

お前やはり我のことバカにしてるだろう?


えー?愛着込めたのに〜

だめなの?ルーちゃん?


ははは!なんでも良いわ。

我もお前がなんだか気に入ったぞ。

魔物なぞ頭の悪いやつしかおらんからな。

メグミよ、お前は特別だ。ははは!






なんだか意気投合したこの二人。

運命の出逢いとはよく言ったものだが

この二人の作るダンジョンは後に

世界最強のダンジョンとして

"勘違い"されることになる......


















読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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