慈愛の聖女
「リラ先生!!お久しぶりでございますわ!」
「クラリス嬢お久しぶりですね。
今回の案内役感謝です」
魔法学園時代の恩師でもある
エルフの魔女リラとの再会に喜ぶクラリス。
聖女と魔女の護衛についているのは
ローズマリー副隊長。
「ローズマリー様もまたお会いできて光栄です」
合流したのはクラリスと護衛のバッシュ。
「先にうちの執事とメイドを
ワンダーランドへ行かせてありますので
そのままダンジョンに挑むことも出来ますし、
ダンジョンの管理者と会合も可能でございます」
「ありがとう〜ダンジョンのチャレンジは
怖いから遠慮しておくわ〜
お話が出来れば結構ですよ〜」
「わかりました聖女様。
ダンジョンの入口はカフェになっていますので
そちらで会合ができると思います」
「まぁ♪カフェがあるのですね〜♪」
ワクワクしている聖女様。可愛いな〜♡
バッシュは聖女をそんな不謹慎な目で見ている。
よく考えたら
聖女、エルフの魔女、
伯爵令嬢、国の最強女騎士
この美女4人をはべらせていることに
気づいたバッシュは高まる鼓動を
抑えるのに必死だった。
「聖女様の人柄はもちろんですが、
ダンジョンの管理者たちの人柄もとても
素晴らしいのでございます。」
「それは楽しみですね〜
一体どんな方たちなのかしら〜♪」
「ローズマリー様も仲良くしていますよね?」
「そ、そうですね。一緒にそこで
お茶をするくらいには......」
「一緒にお茶!なんて素晴らしい!」
能天気にキャッキャ言い合っている
聖女や令嬢たちに少し不安になりながら
魔女のリラは小さめの結界を張りながら
ダンジョンへ向かっていた。
結界といえばエルフ!と言われるくらい
エルフの得意スキルが結界なのである。
リラはエルフと人間の混血。
魔女というのは人間と他種族の混血の者である。
間もなくダンジョンのある山が見えると
いうところまで来た時点でリラは
「......おい、ふざけてるのか!!?」
「え?リラ先生......?」
「......こんな所へ君たちは行っているのか!」
「どうしたのですか?リラ?」
聖女も心配の声をかける。
「止まれ!本気か!?
なんだこいつらは!!!!」
「魔女様どうしましたか!?」
「ダンジョンに居る者......
少なくとも4人は我が国の勇者クラスがいる!
いや、それ以上か?!こんなのが攻めてきたら
この国など一夜で滅びるぞ!!!」
「え......」
「あら......」
「あ!結界が打ち消された!!
こちらの存在にも気づかれたぞ!!」
「リラ先生落ち着いてくださいませ!
大丈夫です!あのダンジョンの者に
敵意はございません!!」
「いやしかし......まさかこのクラスが
こんなにいるなんて......!!」
リラは結界でダンジョンにいる人智を超えた
存在に気づいてしまったようだ。
「ほ、本当にですか......?
正直......絶対勝てないですよ......
襲われたら終わりです......」
聖女を連れている以上、
得体の知れない危険に近づく訳にはいかない。
リラの言うことはそれは
もっともなことなのかもしれないが......
「大丈夫です。そのための我々です」
ローズマリーとクラリスが自信を持って
ここまで大丈夫と言いきるからには
信用するしかなかった。
「わ、わかりました......」
渋々納得したリラをなだめながら、
聖女一行はワンダーランドへ到着した。
「ようこそ!ワンダーランドへ♪」
迎えてくれたのは青い髪の
ロングツインテールの受付嬢。
「常連のみなさんに、聖女様ですね〜♪」
「どうぞ、もう受付は終了させていますので
カフェには誰もいないのであります」
緑の髪の色をしたカフェのメイド。
これは......ゴーレム?
ダンジョンの受付は終わっているらしく
聖女一行はカフェへ案内された。
「いらっしゃいっす!こちらへどうぞっす!」
カフェのいちばん大きなテーブルへ。
案内してくれたのはうさぎの獣人。
とても可愛らしい。きっと看板娘なのだろう。
金髪ポニーテールの女の子がふっと息を吐くと
カフェ内の室温がちょうどいい温度になり、
軽やかなBGMが流れ出した。
聖女はそれらを見てキャッキャと喜んでいるが
リラは足元をガタガタと震わせ恐怖に慄いていた
「先生!大丈夫ですから......!」
「......あ、ええ......」
「エルフ?いや教会の魔女さんなのかな?
大丈夫ですよ。そちらから危害を加えない限り
こちらも平和的な話し合いを望んでいます♪」
「改めまして、マリベル・ラフォンテーヌです」
「魔女のリラです......よろしくお願いします」
ローズマリーとクラリスが間を取り持つ。
ワンダーランドサイドでは
テラの鑑定スキルでまず情報をまわしていた。
「聖女マリベル・ラフォンテーヌ23歳。
5年前、魔法学園在学中に
"聖女革命"を起こし、
魔女たちと共に新たな教会を設立させた張本人。
光魔法とともにスキル【聖域】により
広範囲の光魔法を神の祝福と謳い発動する。
世界中の恵まれない子達の支援活動などに
力をそそいでおられます」
「エルフと人間の混血の魔女リラ80歳。
エルフは寿命では死なないのでおそらく彼女も
同類です。現在魔法学園の教師でもあり、
聖女革命後に魔道具を世界中に広めるのに
多大な貢献をした人物。
結界魔法と具現化の魔法が使えます」
「とても立派なおふたりじゃない。
私出てもいいんじゃない?」
「メグミはできる限り出ないで。
ルーがダンジョンの精霊のフリで行くから」
「はぁい......」
メグミは少し残念そう。
「どうですか?リラ先生。」
「ええ。本当に驚きました。
次元が違いすぎます......
私が具現化できる精霊は1本の樹や花。
頑張っても川や小さい湖が限界です。
しかし、こちらは......」
「もう、バレてるようなので紹介しますね
こちらが、大地の精霊と大気の精霊です。
私が精霊を使役していますが、実際は
私自体も霊体で、自分を具現化しています。」
「まさか、大地と大気そのものの
精霊様とは......規模が違いすぎます......」
「精霊様......」
「精霊使い様......」
クラリスとローズマリーも
薄々勘づいてはいたようだが、
改めて存在のスケールの大きさに驚愕する。
「......なんということでしょう......」
聖女はテーブルから離れ、
ひざまずき、服を脱ぎ始めた。
「聖女様!?」
下着姿になった聖女は
「精霊様と精霊様を顕現された皆様方に
祈りを捧げるお許しを。そして......
聖女マリベル・ラフォンテーヌの名において
精霊様方に一切の敵意がないことを
この身を持って誓いましょう」
リラも、横で祈りを捧げだした。
クラリスとローズマリーは
口が開いたまま塞がらない。
聖女にここまでされてしまっては
ワンダーランド側も、もう腹を割るしかない。
やはりこの聖女、器が違う。
してやられた感まである。
「......出ないわけには行かないでしょう」
カフェに入ってきたのはまた別の女性。
その人を見て聖女はすぐに理解する。
「お会いできて光栄です。
あなたがこのダンジョンのマスターですね。」
「はい、メグミとお呼びください。
警戒してすぐに姿を出さなかったことを
お詫びさせてください」
「信頼していただき感謝です。
そうですか、やはり、
メグミ様が、光魔法使いなのですね」
メグミの登場とともに
ルーちゃん、テラ、アリア、コロまでが
メグミの周りを囲むように立った姿を見て
聖女一行も誰がボスなのかすぐに理解した。
クラリス達はもう何もできない。
ただ、状況を閲覧するしかなかった。
聖女はつづけた。
「お会いできて安心しました。
こちらの要望を先にお伝えしましょう。」
その聖女の提案は
メグミたちを驚愕させるのに充分な内容だった。
「教会が全面的に支援しますので
このダンジョンを中心に
ここに街を作りましょう!」
読んでいただきありがとうございます!
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