新王即位式典
ーーー5年前ーーー
「教会が召喚した勇者候補が来たのだ。
これでもう長かった魔王との戦争も
終止符を迎えるはずだ」
お城では魔王討伐に向かった勇者候補の
戦果を待つ王様たちの姿があった。
GATEから魔物が大量に発生してから約半年。
それと共に現れた魔王。
長きに渡る魔王との戦争にこの国は
疲弊しきっていた。
そこへついに教会から勇者候補が到着。
魔王討伐軍を結成。
この国の者だけでなく世界中の誰もが
魔王討伐の吉報を待っていた。
「報告します!」
「おお!ついに来たか!」
「勇者候補率いる魔王討伐軍が全滅!!
この城に向かって大量の魔物が進軍中!!
魔王が!もうそこまできています!」
「......え」
「なんだと......?」
世界中の希望を打ち砕く最悪の報告。
城下町は大混乱。魔物が溢れ人々は逃げ惑う。
「全員隣町まで逃げるんだ!!」
城下町は一瞬にして壊滅。
この時この城下町の領主であり、
民を最後まで守り、最後尾をつとめた
ヴェルハイム伯爵は後に国の英雄として
語り継がれる存在となる。
城になだれ込む魔物たちを率いているのは
恐ろしく巨大な大蛇。
「こ、これが......魔王......?」
城をも覆いかねないその巨大な姿に
国の騎士団も戦意を喪失。
どんどん侵略されていく。
「マジックブレイカー!!」
ズババ!!
騎士団総隊長のスキルによりその大蛇は
消えてしまう。幻覚だったのだ!
「陛下!撤退を!!城をお捨てください!!」
「ならん。マッカーサーよ。
城下町はヴェルハイム伯爵に任せた。
彼は命に変えても民を守るだろう。
私が民を守ってくれと彼に命じたからだ。
わかるか?王族と貴族の責務と誇りが......
その私が......
王が城を捨てればもう終わりなのだ」
「しかし!!」
「マッカーサー。お前には本当に感謝している。あの魔王の恐ろしい魔法に太刀打ちできるのは
お前だけだ。だからこそ......
我が息子を連れて逃げてくれ」
「陛下!!」
「父上!!」
「まだ10歳。だが我が息子こそ
この国の未来なのだ。
これは父として、国王として、
一人の男として、お前へ頼む
どうかこの国の未来を......!!」
うわぁぁぁ!!!
わぁぁぁぁ!!!
ーーー最後まで城と民と誇りと未来を守り抜いた
この国の王と王族は魔王により壊滅。
当時10歳だった王子ただ1人を残して......。
城を魔王に乗っ取られ、しばらくその城は
魔王城と呼ばれ恐怖の象徴となるが、
その後再度結成された別の勇者候補たちにより、
魔王は討伐され、国は城を取り戻す。
王族が崩壊したこの国の内政は隣国からきた
王族がしばらく代行することになる。
そして月日は流れーーー
「王都でお祭り?」
メグミたちはワンダーランドの休日は
王都で遊ぶことが多い。
そんな王都で今日はお祭りが開かれるとのこと。
【新王アストル閣下即位式典】
長らく不在だった王様が
ついに新しく即位されるらしい。
「すごい人どすな〜めでたいことなんやね〜」
「呑めればなんでもいいのであります」
「ぷに〜」
「お祭り楽しいっす〜!」
「アゲアゲじゃ〜ん☆」
呑んだくれてる美女軍団を尻目に
お祭りは大規模なパレードへと。
新王を乗せた大きな馬車が街道を練り歩く。
「あ〜☆この間の騎士団の総隊長じゃん〜☆」
新王の護衛なのだろう。
新王のすぐ横にマッカーサー総隊長。
さらにその横には国の内政を代行し、
新王の親代わりをしていた隣国の王族。
そしてさらにその横に一際目立つ
ふわふわの修道服を着た絶世の美女がひとり。
「修道服......あれが聖女ラフォンテーヌだね♪」
「教会のNo.2であります。
慈愛の聖女と呼ばれる光魔法のスペシャリスト」
「なるほど、このタイミングってことね。
あれが今度ワンダーランド来るってさ♪」
「悪い人には見えないけどね?」
「メグミは気楽ね〜♪」
「ルー様何が問題なんすか?」
「あの聖女はまぁいいんだけどね。
実際来てもどうにでも出来ると思う。
1番やばいのはそのバックにいる教祖。」
「今の教会の教祖ってどんな人なの?」
「吸血鬼と人間の混血の魔女。300年
生きてると言われている不死の魔女だよ♪」
「あら〜うちと、どっちが先輩なんやろ?」
「どだろね?
正直ルーを倒した勇者たちも1VS1なら
ルーは負ける気はしなかった。
あいつら5人がかりでしかも
未来視をするやつとかもいてさ、
そのスキルに気づいた時には
もうルーはやられてたのよね。」
「未来視!それはすごいのであります」
「まぁ実際いまのテラやアリア達が
いるなら正直勇者達にも負ける気はしない」
「ふむふむ?」
「けど、この教祖、不死の魔女だけはダメ。
別格。あれは神の領域」
「......まじっすか!」
「全員で束になっても勝てないと思う。」
「この世界で最強なのは......そいつなのね?」
「そゆこと。そいつに来られたら
問答無用でみな殺しもありえるてこと。」
「聖女とは仲良くするしかないってこと?」
「どかな?ただその最悪を回避するため
あらゆるパターンは想定しておくべきかも?」
「ふむふむ」
ーーーパレードは終わり、ここは王都の城内。
「セシルよ本当に世話になった。
お主は余の第2の父だ。
これからは力を合わせお互いの国の発展に
尽力を尽くそうぞ」
「ほなな!アストル閣下。
ワイも国王代理は楽しませてもろたさかい
これから大変やろけど頑張りや〜」
「セシル様本当に5年もの間ご苦労さまでした
自国へ戻られたらゆっくりなさってください」
「おおきにやで〜しばらくのんびりするわ〜
あれ?聖女はんは一緒に戻らんのかいな?」
「はい〜私、噂のダンジョン見ていきます〜」
「あぁ〜今噂のあそこか!
こないだマッカーサー行ったんやろ?
どやったん?」
「ええ。噂にたがいなく、まさしく
最強のダンジョンでございました」
「へー!マッカーサーが言うならそら本物やわ
護衛しっかりつけたほうがええな?
まぁ気ぃつけて行っておいでや〜」
「案内役をかって出てくれている知人が
いますのでお願いしようかと思っております」
「そうですか、聖女様。
ではうちの騎士団からも1人お付けしましょう。
1番あのダンジョンに詳しい者がいますので」
「それはありがたいです〜隊長様感謝致します」
そう言って慈愛の聖女は
城の中で光魔法の祝福を始めた。
普通光魔法とは対象に触って発動して
初めて効果を発揮する。
人に触れ、手当をするイメージだ。
しかし、この慈愛の聖女は
光魔法を広範囲に渡って発動する。
【聖域】と呼ばれるそのスキルは
この城を覆い尽くし城内にいる者全てに
光魔法を発動させた。
城内全てが光に包まれる......
まさに女神の所業。
「これが聖女のお力......!なんと素晴らしい......」
新王アストルも心を奪われる。
「この国に神の祝福があらんことを......!」
さぁ、ついに
聖女がワンダーランドにやってくる......!
読んでいただきありがとうございます!
もし少しでも面白いな、
続きが気になるなと
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