エスケープキャニオン
「やっぴー♪この第6層の案内を担当する
アリアでーす☆よろよろ〜☆」
七色の蝶の羽をなびかせてふわふわと
飛んでいる金髪の女の子。
浮かんでいるのでちょうど
足もと(裸足)が目に入る。
生足魅惑のなんとも可愛らしい案内役に
騎士団も心を奪われる。
「受付嬢といい、バニーガールといい、
このダンジョンの女の子達のレベルは
国家転覆クラスですぞ......」
「同士よ......気持ちはわかるが騎士団として
冗談でも言っていいことと
悪いことがありますぞ......」
「何を言うか。知らんのか?こんな格言がある。
傾国傾城。あまりにも常軌を逸した
絶世の美女というものは
一国を滅ぼすとも言われるのだ
警戒は必要ですぞ......」
「むむ。たしかに。この生足は魅力の塊。
まったくもってけしからんですな同士よ......」
「やめんか!」ゴツン!ゴツン!
「ひっ!」「ぎゃっ!」
副隊長の鉄拳制裁により正気を取り戻した
騎士団員の二人。
「キャハハ☆面白いねお兄さんたち☆」
「アリア君。このエリアのクリア条件を
教えてくれるかい?」
マッカーサー総隊長はやたら丁寧に語りかけるが
それはこの七色蝶の羽の女の子が
只者ではないことに気づいているので
下手に刺激が出来ないという警戒からの言動だ。
「ここでは謎解きに挑戦してもらって
このエリアからの脱出に挑んでもらいま〜す☆
正解を選ばないと即リタイヤだよ〜
頑張ってねっ☆」
マッカーサー総隊長は納得する。
「なるほど......
ここまでの第1層でトラップ回避。
第2層で精神力。第3層で肉体の強度。
第5層で実際の戦闘力......
続いてこの第6層では知識、教養、
それらを知恵として活かせるかまで
このダンジョンは求めてくるのか......敵ながら
このダンジョンは本当にあっぱれだな......」
最強ダンジョンが本当に最強であることを
しかと認識したマッカーサー総隊長。
「こちらの部屋から問題で〜す☆」
部屋に五つの石がある。
「嘘をついていない石を選べ」
と書いてある。
それぞれの石に触ると声が聞こえる。
石1「石2は嘘つきだ」
石2「石3は嘘つきだ」
石3「石4は正直だ」
石4「私は嘘つきだ」
石5「全ての石は嘘つきだ」
「よし!副隊長!あとはまかせた!」
早々に諦めるマッカーサー総隊長。
「考えるくらいしてくださいよ隊長......」
「いやぁこういうのはどうもな......」
頭を掻きむしっている隊長と副隊長。
頭の良さそうな魔法使い達があーだこーだと
謎解きに挑み始めた。
「エスケープ♪エスケープ♪
みんなで脱出エスケープキャニオン〜♪」
となりで、陽気に歌い踊るアリア。
大気の精霊は空気の振動により
音も操るのでこのダンジョン内において
BGM(音響全般)の担当もしている。
第5層でソルが登場するシーンに
和太鼓の音などを演出しているのも
このアリアの仕事である。
「わかったぞ?これは矛盾を見抜く問題。」
ローズマリーが前に出る。
「この石4は私が嘘つきだと言っているので
この発言が本当だったとしても嘘だとしても
どちらにしろ嘘をついていることになる。」
「......なるほど!さすが副隊長!!」
「同じ理屈で石5も自分含め全員嘘つきだと
言っているので嘘つき」
「ふむふむ」
「石4が嘘つき確定ならば
石4が正直だと言っている石3も嘘つき」
「おお......!」
「石3の嘘つきが確定するならば石3が嘘つきと
言っている石2は本当のことを言っている」
「なるほど!」
「石2が本当ならば石2が嘘つきと言っている
石1も嘘つきだ」
「つまり!?」
「嘘をついていないのは石2だ!!」
「うおお!副隊長!!さすがです!!」
「石2でいいなら〜全員2番の扉に入ってね☆
全滅のリスク回避のために
例えば1番と2番の扉をパーティメンバーで
半分ずつ選ぶなんてこともできるよ〜」
「なるほどな。どうだ?副隊長の答えに
反論があるやつはいるか?」
「いえ。理にかなっています正解かと。」
「大丈夫だと思います!」
マッカーサーの問いに、全員が頷く。
「よし、2番だ!」
2番の扉に入る騎士団一行。
ごくり......。
「正解で〜す☆やるじゃ〜ん☆」ぱちぱち☆
「やったぁぁ!!」
わーわー!
モニタールームではメグミとルーちゃんが
ニコニコ様子を眺める。
「アリアがやっときた出番を
楽しんでいてなによりだよ♪」
「アリアのやつ騎士団に
長くいてもらって一緒に遊びたいから少し
クイズの難易度も下げてるね〜」
「まぁ最終問題?が
負けるつもりないんだろうからね〜♪」
「そだね、好きにさせてあげよう〜クスクス」
次々と出題されるクイズ。
それをクリアしていく騎士団一行。
4つのクイズをクリアしたところで
最終問題に入る。
「みんなすごいね〜☆」ぱちぱち☆
「次が最終問題かい?」
「そうでーす☆最後はあの扉から抜け出せると
この第6層クリアで〜す☆」
「扉を抜けるだけ?」
「最終はそれだけなのか?」
「そうだよ〜☆ただし、
あの扉の鍵を持っているのはあーしだから☆
最終問題はアリアを捕まえて鍵を奪うこと☆」
ごくり......。
「そうか、最後はスピード対決ってことか」
「どんな手段を使ってもOKだよ〜☆さぁ!
最後はアリアとの鬼ごっこ!捕まえてごらん☆」
にやりと笑ったアリアはそのまま空高く
飛び上がる。
「この第6層のキャニオン全域が範囲だよ☆」
「行くぞ!!」
魔法使い2人は空を飛び、騎士団2人を抱え
空を追う。
風魔法が付与されたホウキを受け取った
マッカーサーとローズマリー。
「キャハハ☆」
楽しそうに飛び回るアリアを追いかける
魔法使いと騎士団一行。
アリアは上空に乱気流を発生させた。
ゴゴゴゴ......!!
「うわぁ!!」
巻き込まれたら一撃アウト。
「びびってるんですか〜?☆
ほらほら、追いかけてきなよ〜?☆」
「くっ!」
「行くよっ!真空領域☆」
魔法使いのまわりの空気が遮断され真空状態に。
「ぐわっ!!」
広範囲の真空状態に為す術なく倒れる魔法使い。
あっという間に魔法使いと騎士達はやられ
残りは隊長と副隊長。
「隊長さんすごいスキル使うんだね☆」
全てを斬って打ち消してくるマッカーサー。
「え〜っと、てことは〜☆
じゃぁ魔法じゃなければ防げないんだね?」
「何かしてくるぞ!先手を打つしかない!
いくぞローズマリー!うおおお!!」
マッカーサーとローズマリーは
アリアに向かって突撃!!
「あーしの最高速度は音速☆
ねぇ知ってる?
物体が音速を超えた時に起こる自然現象を
人はこう呼ぶんだよ☆」
ーーーパアアアアン!!
「☆音速衝撃波☆」
吹き飛んだ隊長と副隊長は無惨にも
一撃でリタイヤすることになる。
大気の精霊。
風の妖精。
アリアは
今日を最高に楽しんだようだ。
「キャハハ☆またのチャレンジ待ってま〜す☆」
「アリア〜やり過ぎ!直ぐに転移魔道具を!」
「ありゃ?グミっち?ごめーん☆」
「おかえり〜♪」
光魔法に包まれてやっと目を覚ました
騎士団一行。
「うう......」
「ポーションを誰か使ってくれたのか?」
「はぁ......はぁ......」
「ちょっとダメージ大きかったからね〜♪
サービスサービス♪」
騎士団の着ていた鎧や武器、
魔法使いのホウキ諸々
全て粉々になっているのでさすがに
ちと悪いなと思ったメグミのお心遣いである。
それでも、第6層にたどり着いた
マッカーサー率いる騎士団には
賞賛の拍手☆ぱちぱち☆
「参ったよ。まさに最強のダンジョンだった」
騎士団は負けたのにも関わらず
なぜか全員笑顔で帰っていく。
その光景を確認したアリアとメグミは
ハイタッチでお互いを称え合うのであった。
「アリア〜お疲れ様〜良くできました!」
「グミっち〜☆ありがとう〜☆」
国の最強騎士を倒したワンダーランドは
確固たる最強ダンジョンの名を
世界中に轟かせたのであった。
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