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一心同体



ワンダーランドは今日も大賑わい。


B級冒険者まではほぼ問題なしだが、


A級を超える冒険者や

尖った高いステータスを持つもの、

特殊なスキルを持っているもの、

特別なアイテムや魔道具を持っているもの......


ダンジョン挑戦前に

ほぼ全員が利用するこのカフェにおいて

実はメイドのテラの鑑定スキルで

挑戦者たちの個人情報はダダ漏れしており

メグミとルーちゃんに随時報告されている。


それに合わせてトラップの仕掛け方を変えたり、

面白くなるように設定を作ったりと、

挑戦者ごとに臨機応変に対応し、ますます

難攻不落のダンジョンとして成長していた。


第5層に現れたソルという名の女サムライは

騎士団でも歯が立たず上位挑戦者たちは

このソルを倒すことを目標に鍛錬に励んでいる。


メグミは第6層にリアル脱出ゲーム式

テーマパークを作成し始めているが

はたしてソルを倒して6層にいける者が

現れるかは正直怪しかった......。





「2時間待ちか〜♪」

受付が一段落したルーちゃんは

モニタールームへ入る。

そこには


「メグミはん〜、あ〜んしておくれやす♡」

「あ〜ん♡」


カフェ・テラコッタで新しく人気メニューに

なりつつあるパンケーキを食べているメグミと

それを食べさせているソルの姿が......。


「......ソル!くっつきすぎよ!」

即ルーちゃんのやきもちツッコミが入る。


「あらあら〜、ルーはん......

せやかて第5層までくる冒険者さん

1日1組おるかどうかやさかい〜

うち、それまでやることないんよ〜」


「くっつきすぎだって言ってるのよ!」


「意地悪やなぁルーはん......

無機質やったうちに

人の柔らかさと温もりを与えたのは

ルーはんどすえ〜?こんな感覚を

味わってしまったらそら、うちはもう…♡」


「ソル〜、ルーちゃん怒らせちゃダメよ〜」

「メグミはん、わかりました〜ほなまた今度♡」


すっかりメグミに惚れ込んでしまった

はんなりお姉さんは毎日隙を見つけては

メグミにくっついて愛を囁いている。


「ソル!トラップ仕掛けに行って!」

「ルーはん、こわいわ〜堪忍どすえ〜」


「まったくもう!目を離すとすぐ

イチャイチャする!」


「ルーちゃんまぁまぁ、怒らないであげて〜」

「メグミこそ魔性の女じゃない!」

「そ、そんな〜不可抗力よ〜」


「......むー!」

ぎゅう......

そう言ってくっついてくるルーちゃんこそが

1番の甘えん坊なのは周知の事実。


「あー!イチャイチャしてるっす〜!」

お紅茶を持ってきたコロに見つかる。


「コロにもよしよしして欲しいっす〜!」

飛びかかってくるうさぎの獣人バニーガール。


「だめ〜今はルーの順番〜♪」

わーわー!

もふもふ♡

わーわー♪



メグミはすっかりダンジョン内に

百合ハーレムを作ってしまっていた。


うむ......けしからん。




ソルの魂と肉体を切断して意識を失わせる技。

名前を夢朧ゆめおぼろというのだが、

この技を魔道具に付与できることが判明したので

新しいダンジョン内のトラップとして

使うことになったのだ。


ダンジョン内でランダムに現れる宝箱に

入れているのは光魔法が付与された魔道具、

通称【ポーション】なのだが

光魔法ではなくこの夢朧を付与しておくと

迂闊に触ると意識を失ってしまうという

よくある宝箱トラップに。


さらにダンジョン内の壁や床などは

そもそもメグミの体の一部なのでその中に

夢朧を付与した魔道具を埋め込んでおくと

触ると意識を失う壁や床の完成となるわけ。


この仕掛けを作って回るというのもソルの担当。

第5層到達する挑戦者なかなか現れないもんね。

第3層まではこのトラップを仕掛けて回る。


あとは分裂できる大地の妖精テラが

たまにダンジョン内に臨時参加する。

植物を操れるこの妖精は絡みつく植物を出して

いやらしい罠をちょくちょくダンジョン内に

仕掛けたり、たまに壁からヌルッと現れて

挑戦者たちにイタズラをする役割もする。

この辺りのバランスはテラの鑑定スキルにより

みんなで微調整して対応している。


大体のことがスムーズにできるようになってきた

ワンダーランドは安定期に入ってきていた。






「おい、みろよあれが噂の

騎士団副隊長リンダ・ローズマリーか」


「貴族の護衛部隊か、もう何度も

第4層に到達してるらしいな......?」


「あれが歴戦の猛者と名高い副隊長?

もっと男勝りのゴツイ女騎士かと思ってたのに

......なんともお美しいお姿......」


すでに何組もの貴族婦人を第4層まで

送り届けた実績を誇るローズマリーは

スラカプにももう何度も入っているため

ツヤツヤ潤い美肌のサラサラロングヘアーと

鍛え抜かれたその肉体美貌により

とんでもなく強く美しい騎士へと進化していた。


「まじか.....あの美しさであの強さ......」

「リンダ・ローズマリー様〜♪」

「痺れる憧れるゥゥッッ!」


ローズマリー副隊長はここにきて

あれから何度もさらに己を磨きあげ

打倒ソルを誓い挑戦し続けていた。


「なんと評価されようが、結局ソルに

勝てなければ私の中では勝利とは言えない。

今更ながら私をここまで夢中にさせてくれた

このダンジョンには感謝の意を唱えたい」


ローズマリーの挑戦はまだまだ続くようだ。


「ルー様。メグミ様。いつもの護衛騎士団の

魔法使いが風魔法を付与した魔道具を

持っています。対策されたかもしれません」


「あ、ついに気づかれたかな?」

「かもしれないね〜♪」


第3層は魔法が使えない結界を張っているので

魔法使い達はとても苦戦するエリアなのだが

実は、魔道具に魔法を付与してから入ると、

魔道具は使用することができる。

ルーちゃんの転移魔道具が使えることに

気づいたらこの裏技に気付くことができるのだ。

そう、ホウキの魔道具に風魔法を付与してから

第3層に入ると、空を飛べるのである。



第3層までたどり着いた副隊長たち。

案の定、魔法使いが魔道具で空を飛び

貴族婦人たちを担いで運び始めた。


最後のローズマリー副隊長を担いだ魔法使い......

「第3層のクリアが楽になりましたね♪

この裏技に気づいた者はまだ我々だけでしょう」

「うむ。よく気づいたな。」


そんな余裕をこいていたこの2人の前に

天井からヌルッと緑のメイドが現れ

あっという間にホウキに植物が絡みつく。


ヌルヌルヌルガシッ......


「うわ!」

「うお!!」


「......ズルしてるでありますね......」


「あわわわ......」

「......や、やぁ、メイドさん......」


「護衛騎士団の皆さまは常連様なので

特別に目を瞑りますので、この裏技のことは

ここだけにしていただき、街では広めないように

配慮お願いするのであります」


「わ、わかった......!

護衛部隊だけの秘密にしよう」

「......感謝であります」


スルスルとホウキから離れる緑の髪のメイド。

そのまま天井の中へ消えてしまった。


「......見逃してくれましたね......」

「ああ......しかし......正直」

「ええ、あのメイドのゴーレムも」

「相当強いよな......」

「やりあって勝てる気がしません......」

「まったくこのダンジョンは......」

「なんでわらってるんですか副隊長」

「ははは......笑うしかないだろう?」

「ぷぷっ......そうですね!」





⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆




今日もワンダーランドは無事終了。


ルーちゃんとソルとコロに囲まれたメグミは

鼻の下をだらしなく伸ばしながら

デレデレしている。


「メグミ様お疲れ様であります。

テラコッタの片付けも終わりました」


「お疲れ様〜」

「飲みに行こ〜♪」

「そういえば、テラはぬしさまと

イチャイチャしないっすね?」

コロは他意のない質問をテラに投げかける。


毎回メグミの隣を我先にゲットしようと企む

3人を見ながらテラはゆっくりと言葉を返す。


「......私は大地の精霊であります。

メグミ様もこの山の土、草木からなる

ダンジョンの精ですから

これはもう私とメグミ様は

一心同体といっても過言ではありません。


常に身も心も共にあります。

ご存じの通りメグミ様の体の中を自由に

移動しているのですから体も合体しています。

なので......

今更......

イチャイチャ程度など......にやり♪」


「が、合体っすか〜!!はわわ〜!!」

「......テラ!マウント取ってるつもりか〜!」

「あらあら〜いやらしい関係どすえ♡」



「......や、やめなさい〜みんな〜......!」


あたふたするメグミとワンダーランドメンバー。







......ワンダーランドは今日も平和である。








読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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