妖刀朧丸
5日連続ダンジョンに来た副隊長一行。
【第2層クリアおめでとう〜♪
第3層はアスレチック・オン・ザ・マッスル!
魔法が制限される結界か張られていますよ〜
肉体を駆使してクリアを目指してね♪】
「第3層きたー!!」
「やりましたわ〜!」
騎士側4人で魔法使い2人と貴族母娘2人を
背中に担いでクリアする作戦のようだ。
これはバッシュの入れ知恵だね〜
そしてついに......
【第3層クリアおめでとう〜♪
第4層はヒーリングワンダースパ!
ここは回復ゾーンです〜ゆっくり休んでね〜♪】
ついに副隊長一行は5日目にして
第4層にたどり着く。
「わぁぁ!」
「やったやった!」
「噂のエステですわー!」
「ローズマリー副隊長おめでとうございます!」
「5日もかかってしまったが......
なんとかなってよかった......」
「みんなのおかげです!ありがとう!」
貴族母娘は我先にと
スライムカプセルに飛び込んでいく。
メグミとルーちゃんはニコニコと
副隊長一行を眺める。
「よかったね〜♪」
「うんうん......!
ゆっくりくつろいでいってほしいね!」
成長した子供たちを見るような目で
ほんわかしているメグミ。
それを横目で見てニコニコしているルーちゃん。
散々第4層で癒された副隊長一行は
第5層に挑戦することなく満足してリタイヤ。
「おかえり〜♪」
古傷だらけだった副隊長の身体は
潤いつやつやの美肌になっており、
貴族母娘はサラサラ&ぷるぷるお肌に
歓喜の声をあげている。
「ルーちゃんありがとう!
第5層はまた改めてチャレンジさせてもらうよ」
「はーい♪またのチャレンジ
お待ちしてま〜す♪」
副隊長達を見送ったルーちゃん。
さーて明日明後日は休みだ〜
片付けたらみんなで飲みに行こう〜♪
わいわい♪やんややんや♪
そんなせっかくの楽しい雰囲気のところに
来訪者が現れるーーー
カフェの入口を片付けている
コロの後ろに1人の男......
「あ、すいません〜今日はもう終わりっす〜!」
「......ここが噂のダンジョンか......?」
「また今度お願いするっす〜!」
「......ここに最強の者がいると聞いて来たのだ」
「最強の者?最強のダンジョンとは
呼ばれてるらしいっすけどね〜?」
「獣人......とぼけてないで主を呼んでこい」
「だから今日はもう、終わりっすよ〜!」
すっとぼけているうさぎの獣人に
痺れを切らしたその男は
禍々しい雰囲気を放つ妖刀に手をかけた。
「お兄さ〜ん♪何かな〜?」
殺気に気づいたダンジョンの受付嬢が
男のすぐ横にいつの間にか現れる。
「......貴様が主か?」
「ルーはただのダンジョンの受付嬢ですよ〜♪」
「ダンジョンに用はない。
ここに最強の者がいると聞いてきた。
拙者はS級冒険者死神ザイン。
この国で最強の者、ただ1人につけられる称号が
このS級という称号......
この称号をかけて勝負を挑みに来た。」
「はて?何か勘違いしてるみたいですけど〜
うちには可愛い獣人とメイドと受付嬢しか
いませんよ〜♪」
「とぼけるな。
わからないとでも思っているのか?」
こいつ問答無用でやる気だな......。
「ルーちゃん殺しちゃだめよ〜」
メグミの声が聞こえる。
こんだけ殺気ムンムンで来られてるのに
それでも殺すなとはメグミは甘ちゃんだなぁ......
「はーい♪」ルーちゃんは呆れ顔で応える。
「あの剣は妖刀、朧丸。
古の魔剣とも呼ばれる
魂と肉体を切断する特殊な刀。
あれに斬られると意識を保てないので
気を失います。
そのあとゆっくり物理的に殺すという流れです。
物理的に防ぎようがない攻撃で厄介であります」
「本体は?」
「本体は普通の人間。あの妖刀のおかげで
S級冒険者として名を馳せています。」
ルーちゃんの横でテラが得意の鑑定スキルで
相手の素性をルーちゃんに伝えている。
「厄介なのは刀の方だけだね♪」
「はい。ルー様のお手をわずらわせるほどの
こともありません」
それだけ言うとテラは前に出た。
「......丸聞こえだぞ!ふざけるな!
普通はコソコソ喋るものであろう!?」
「そうですか......では聞かなかったことに
して欲しいのであります」
「......!貴様!!」
「くく♪テラあんまり虐めてやるなよ?」
ルーちゃんはニヤリと
魔王時代の面影を含んだ笑みを浮かべる。
「人間も魔物も......ゴーレムといえど!
この朧丸で斬れなかったものはない!」
問答無用でザインは
テラとルーちゃんに斬りかかる。
ズババ!
ズババ!
「わー!テラ!ルーちゃん!」
コロはびっくりして叫ぶ。
「......ぬしさまっ!」
「大丈夫よ〜コロちゃんはさがってて〜」
メグミはコロに下がるように指示。
「......」
「......」
「......?」
「......え?」
「......私にそんなものは効かないのであります」
「馬鹿な!?」
何度もテラとルーちゃんに斬りかかるザイン。
ズババ!
ズババ!
「残念だったね死神くん?
そもそも魂だけの存在である
ルーたちには引き離す肉体が......ない♪」
精霊と概念であり、元々肉体のない
この2人に対してこの妖刀は無力であった。
「嘘だろ......肉体が......ない......?
人間でも魔物でも......貴様も
ゴーレムじゃないのか......?
まさか......妖精......」
「......アースクエイク!」
ゴゴゴゴゴ......!!
テラの放った土魔法は地面を引き裂き、
奈落の底へ死神をいざなう。
足元の地面が無くなったザインは
そのまま亀裂に引きずり込まれる。
「うわあああ!!」
かろうじてぶら下がったザインは為す術なく
降伏する。
「......参った!勘弁してくれ!!」
妖刀の能力が効かなければもはやこの男に
対抗する術はなかった。
「メグミ〜♪どうする〜?」
「だめよ殺しちゃ」
「でもこいつ、帰したら色んな人殺すよ?
すでに相当な人数を殺してる」
「えーまじ?」
「今こいつを殺さない選択をすれば
その分今後こいつに殺される人が
量産されるよ〜♪」
「うーん、じゃぁその刀を没収〜」
「は〜い♪」
ぱちん☆
と、指を鳴らしたルーちゃん。
転移魔法で妖刀朧丸はルーちゃんの手の中に。
「テラ〜助けてあげて〜」
「マスターかしこまりました」
亀裂に飲み込まれそうだったザインはテラに
よって助けられる。
「......転移魔法.....?嘘だろ?
一体何者なんだお前ら......」
「死神くんに教えることは何も無いよ♪
こんな危ない刀は没収です♪
とっととお帰りくださ~い♪」
「そ、そんな......」
「......おい、勘違いするなよ?貴様。
マスターのご慈悲で
生かしておいてやってるだけであります......!」
「......ひっ!!」
テラのあまりにも冷たいその言葉は死神を
恐怖のどん底におとしいれる。
妖刀を没収され逃げ出した
この元最強の男は
今後この世界で活躍することは
二度となかったという......。
「テラの鑑定スキルってすごいね!
なんでもわかっちゃうのね!」
「マスターの恥ずかしい過去までも
見れるのであります」
「わー!やめなさいテラ!!」
「わーい!コロもみたーい♪」
「クスクス♪」
「S級冒険者って、この国で1番強いんだよね?
テラ普通に圧勝だったよね?」
今回ルーちゃんは手を出していない。
テラだけで充分圧倒してしまった。
「まぁ相性の問題もありますが、
あいつはこの刀の特殊能力のおかげで
S級になってるだけでしたので......」
大地の精霊の力を改めて思い知ったメグミ。
ごめん私、テラのこと舐めてたよ......。
鑑定して、分身できて、地面引き裂いて......
あなためちゃくちゃ強いのね......。
「ルー様には到底勝てないのであります」
「まじか、ルーちゃんてすごいのね......」
「ルーは元魔王だよ?メグミは
何をいまさら言うのさ♪あはは♪」
......なんだかすみません。
「刀どうする?地中深くにでも封印しちゃう?」
「......いや、これ、使えるかも?」
「具現化できるよ〜♪してみようか?」
「おー!ルーちゃんお願い〜」
ルーちゃんは妖刀朧丸に具現化の魔法をかけた。
その妖刀は綺麗な黒髪和風着物の
お姉さんに具現化された。
自分の姿に驚きながら
そのお姉さんは喋りだした。
「......うち、人の形になってもうたどすえ?」
「わー!京都弁だ!」
「......お姉さん方......えらいお強いどすなぁ?
うちを扱った剣士があない簡単に負けるとは
何百年ぶりのことかわかりまへんわ〜」
妖刀朧丸はなんと!
京都弁で喋る
小粋なお姉さんになってしまった......!
読んでいただきありがとうございます!
もし少しでも面白いな、
続きが気になるなと
思っていただけましたら
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