不穏な影
ローズマリー副隊長がバッシュと組んで
ダンジョン攻略に奮闘している頃
クラリスは海を渡った隣の国にいた。
この国には世界中のほとんどが信仰している
教会の本部があり、クラリスが首席卒業した
魔法学園もそこに付随している。
魔王を倒した勇者の召喚や、魔道具を作成して
魔法が使えない者にも魔法の恩恵を与え
世界中に広めたのがこの教会である。
この教会において教祖につぐ力を持っているのが
聖女ラフォンテーヌ。
慈愛の聖女と呼ばれ世界中の恵まれない人々や
子供に手を差し伸べる世界中の憧れの人。
今回ダンジョンの報告にクラリスは訪れていた。
「お嬢様、聖女様に直接ご報告ができるとは
なんともありがたいことですね」
「モルガン、ワタクシも卒業式で
1度ご挨拶したことがあるだけですわ。
普段ラフォンテーヌ様は
世界中を回っておられますので......」
「お嬢様〜緊張します〜!」
モルガンとリゼを連れクラリスは教会本部に
到着していた。
「ラフォンテーヌ様がおいでになられました!」
ごくり......!
「わ〜クラリスさ〜ん卒業式以来ですね〜♪」
現れた世界中の憧れであるその聖女は
屈託のない輝く笑顔で迎えてくれた。
「お久しぶりですラフォンテーヌ様」
「え〜おかたくしなくていいですよ〜
お茶を楽しみながらお話をしましょう〜♪」
緊張して震えていたリゼを拍子抜けさせ
運ばれてきたお茶菓子をすぐつまみ口に運ぶ。
「もぐもぐ......ダンジョン学の権威である
モルガン様ですね〜お話はお伺いしています〜
あ、このクッキー、うちの領土で
開発したものなのですよ〜どうぞどうぞ♪」
「これはこれは光栄です聖女様!」
モルガンも感服。
「す、すごい......これが聖女様…
なんという器......萎縮していた私達との距離を
一瞬でなくしてしまわれた......」
リゼも一瞬で心を奪われる。
「ラフォンテーヌ様。ではお言葉に甘えて
お茶をご一緒させていただきますわ」
「なんだかすごいダンジョンがあるんですね〜」
「ええ。今までの常識を覆すような
はじめてのダンジョン生態なのですわ......」
ダンジョンの説明をするクラリス一行。
「なるほどです〜光魔法の使い手はわたしを含め
今も世界中に4人しかいません。
もしそのダンジョンの管理者が光魔法使いなら
ぜひお会いしたいところですね〜」
「それが光魔法だけではないようでして......」
「なんと......幻覚魔法に結界まで張っている......
さらに転移魔法を付与した魔道具......」
「それ以外にも理解不能な仕掛けが......」
「ダンジョン内の監視に声まで届ける魔法......」
さすがの聖女様も理解ができないレベル。
「わかりました。近いうちに時間を作って
教会で調査に向かいましょう。
メインが光魔法なのであれば、
ぜひ私みずからお伺いしたいですね〜」
「はい!ぜひその際にはワタクシ共
ヴェルハイム家にお声かけくださいませ」
報告が終わったクラリス一行はまた自国へ帰る。
聖女の元へ来たのはエルフと人間の混血の魔女。
この魔女は魔法学園の教師でもある
「聖女どうしましたか?」
「エルフ以外に結界を張れる人種なんて
いるのでしょうか〜?」
「......たしか、魔王城が張ってたらしいですが
それ以外聞いたことありませんね?」
「ですよね......」
「ただ単純に膨大な魔力を持っているならば......
まぁ、できないことはないかもですが......」
「隣国に、不思議なダンジョンがあるようでして
調査に行きたいのですが
その時はご同行して欲しいのです〜」
「わかりました。段取りしておきます
聖女マリベル・ラフォンテーヌ様」
「リラ先生よろしくお願いします〜♪」
メグミのダンジョンは
ついに世界を統べる
教会に目をつけられてしまったのだ......。
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
ここはダンジョンから1番近くの街。
ダンジョンのおかげでこの街は今や
冒険者の往来がとても多く活気づいていた。
臨時の冒険者ギルドが設立され、
街の宿や、酒場は増築につぐ増築で
人で溢れかえっていた。
「おい、聞いたか?S級冒険者が
帰ってきてるらしいぞ?」
「え!他の国に行ってたはずじゃ!?」
「ああ。騎士団も手に負えないって話の......」
「この国最強のS級冒険者、死神ザインか」
「魂を刈り取るっていうバケモノだろ?」
「なんでも物理攻撃じゃないから
防ぎようがないらしいな?」
「狙われたら終わり。ついた通り名が死神......」
「いまさらなんで戻ってきたんだ?」
「まさか......」
「例のダンジョンの噂を聞いたのか......?」
「それしかないだろうな......」
街の冒険者ギルドでは
すでに事件がおこっていた。
「バーディー!受けるな!!!」
「ぐわあああ!!」
意識を失い倒れるバーディー。
「死神ザイン!貴様!なんてことを!!」
「お主らがローランドか。くだらん冒険譚などで
稼いでる、ふぬけた冒険者と聞いておる。」
「......お前に何の関係がある!」
「最近の冒険者とはここまでふぬけたのか......
金を稼ぐためにだけ生き、
己の強さを極めることもせず情けないものだ」
「ローランドやめて!逃げて!!」
エミリアが叫ぶ。
「仲間やられて引き下がれるかよ」
構えるローランド。
ザインは腰に刺した妖刀を構える。
ーーーキィン!!ーーー
ゆっくり崩れ落ちるローランド。
ドサッ......
「いやぁ!!ローランド!!」
「女。貴様ら命だけは助けてやる。これに
懲りたら、くだらん冒険譚を書く暇があるなら
もっと己を鍛え上げることに集中するんだな」
「ローランド!バーディー!しっかりして!!」
ザインを睨みつけるエミリア。
「くっ!!死神ザイン......!!」
「A級冒険者のローランド達が
手も足も出ないなんて......
あれがこの国最強の男
S級冒険者死神ザイン......」
教会につづき、さらに、
不穏な男がダンジョンに近づく......。
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
3日連続ダンジョンにチャレンジしている
ローズマリー副隊長とバッシュたち。
「おかえり〜♪」
今日もリタイヤしたようだ......。
「ルーちゃん!宝箱ニセモノはあんまりだよ!」
「残念でした〜♪次から気を付けてね♪」
あれからまたさらにトラップが増えている
ダンジョンにまだまだ苦戦をしているようだ。
「またベタベタですわ〜…!」
「シャワールーム空いてるっすよ!」
粘液まみれになっている貴族の母娘は
新しくカフェの裏に増設された
シャワールームに駆け込む。
帰りに反省会でまたカフェに入ってくる人が
多いため緊急でシャワールームを設立したのだ。
「コロちゃんビールお願い〜」
「はいっす〜!」
ローズマリー副隊長達はまだ第2層を越えれず
作戦を立て直す。また明日も来る気のようだ。
結局第1、2層はバッシュは活躍出来ていない。
まさに......カモである。
さてさて、連日大盛況の
最強ダンジョンだが
不穏な影も近づいてきていた。
そう、
次回
やつがやってくる......
読んでいただきありがとうございます!
もし少しでも面白いな、
続きが気になるなと
思っていただけましたら
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