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テイマー忍者 〜ソロ忍者は従魔と共に駆け回る〜  作者: 花屋敷


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従魔にお任せなのです

 午後の最初の戦闘も順調に雑魚を倒していく俺たち。途中で全員のレベルがまた1上がって173になったことで雑魚の討伐スピードが上がった。また神魂石や印章が入ってくる。


 2時間かからずに雑魚達が攻撃しなくなった。さあ、今度はどうかな?


「強い敵が来るのです」


 リンネが言い、タロウが腰を下ろした。


「よし、ぶっ倒すぞ」


 メンバーから声が上がる。

 霧の向こうから以前も対戦した大柄な4本腕のゴリラの魔獣が姿を現した。すぐにその周りに散開してNMを囲む位置取りをした。


 戦闘をしているとちょっと違和感がある。ボスが強くなってないか?俺がそう思っているとクラリアの声が飛んだ。


「ボスのレベルが上がっているわ」


「やっぱりか」


「そうだよな」


 そんな声がする。こちらのレベルに合わせてボスだけがレベルアップしているみたいだ。ただ攻撃に変化はない。腕をブンブンと振り回してくる。こっちもレベルが上がっているので討伐の難易度は最初の時の戦闘と同じに思える。


 狂騒状態になったと思ったら何も言わなくてもタロウがお尻に噛み付いた。そのまま一斉に攻撃をすると数分後にNMが倒れて光の粒になり、大きな宝箱がその場に現れた。


「宝箱なのです。ウハウハなのです」


 宝箱を見たリンネがいい、タロウはガウガウと吠え、クルミはその場でジャンプする。うちの従魔達は本当に宝箱が大好きなんだよな。


 一旦洞窟の奥に戻ってその場で集まったメンバー達を前にクラリアが端末を見ている。


「ドロップが一部代わってるわ。今から出すわね」


・ジャングルのメガネx2

・音無しの靴x2

・密林のバンダナx2

・フォグの魔法スクロールx2

・神魂石(6種類)x1

・透明な神魂石x2


 前回はこうだった。それが今回はというと、


・ジャングルのメガネx2

・音無しの靴x1

・転移の腕輪x1

・密林のバンダナx2

・フォグの魔法スクロースx2

・神魂石(6種類)x1

・透明な神魂石x2


「転移の腕輪だ」


「靴が1つ減って、その代わりが腕輪か」


「これはモチベがあがるな。転移の腕輪が出るんだったら大人気になるぞ」


 トミーが言っているがその通りだ。移動が劇的に楽になる。


 皆で話しあった結果転移の腕輪はまだ持っていないパーティが手に入れた。これでここにいる4パーティ全てが手に入れたことになる。それ以外のアイテムは前回取れなかったプレイヤーだけで抽選をして分配する。うん。フェアでいいアイデアだよ。


 分配が終わるとそのまま再挑戦だ。

 なんと、3戦目でもボスが現れた。本当にランダムになってるんだな。


 結果は無事勝利。今回のドロップは2回目と全く同じだった。こっちが普通なのかな。

再びドロップした転移の腕輪はエリアボス戦に助っ人として参加してくれていたアップルが手に入れた。彼女のパーティはこの腕輪がなかったのでちょうどよかったよ。


 フォグの魔法も魔法使い全員が手にいれることができた。というか1個余った。これは両クランで抽選の結果攻略クランが持ち帰ることとなった。


 それ以外では密林のバンダナも無事人数分揃った。

 そして俺は透明な神魂石の2個目をゲットできた。


 夕刻に霧の街に戻ってきた俺たち。全員が欲しいものを手に入れられたので皆の表情が明るいよ。


「今日のドロップについても情報を公開するわよ。転移の腕輪と新しい魔法。多くのプレイヤーが狙うでしょうね」


 コテージ広場で話をしている俺たち。


「ただ雑魚は倒せてもあのボスを倒すのは簡単じゃないぞ。こっちのレベルに合わせて強くなるからな」


「狂騒状態になったら、いかにしてあのボスの背後を取るか。それがポイントになりそうだよな」


 うちはタロウがしっかりと噛み付いてボスの4本の手の動きを制限できたからな。


「しっかりとセーブポイントを記録してから洞窟を出ないと、街に到着する前に戦闘不能になったら大変なことになりそうだ」


 実際どうなるのかは分からないけど、このゲームのルールでは戦闘不能時には最後にログアウトした地点に戻ることになっている。それはいいとして次に飛ぶ時に新エリアに登録がないとまたボス戦からになる可能性が高い。


 情報クランも公開する情報ではそこをしっかり説明すると言っていた。


 兎にも角にもだ、NM戦を4戦やって欲しいものは手にいれることができた。透明な神魂石がもっと手に入れたらいいんじゃないかと思うかもしれないけど、3つ目の透明な神魂石をオアシスの街の強化屋に持ち込んだ時に大将のラムズさんが言ったんだよ。透明な石で強化できるのは3回、3個までだって。なのでこれ以上の強化は無理なんだよな。それでもバンダナは15段階まで強化できた。間違いなく強化されたバンダナだけでレベルが1以上、2近くは上がっていると言われたよ。もうそれで十分だよ。それ以外の強化と加護を足したら現状のレベル+18になる。


 ボス戦の連戦で経験値が溜まっていたみたいで、翌日に街の外で敵を倒したらレベルが174になった。そろそろ街から離れて探索をするタイミングだろう。


 南方向は洞窟があるのは分かっているがそれ以外の方向はジャングルになっている上に霧が出ているので全く分からない。東西北の門から土の道は伸びているけど、どこまで続いているのか。でも道を進んでいくしかないよな。


 情報クランと攻略クランとで相談をして三方向に分かれて進むことになった。俺たちは北方向の担当だ。


「タクが実質レベルが一番高い。従魔達も優秀だ。普通に考えたら北にいくほど強くなる。なのでタクが北方面を担当するのが一番妥当だな」


 ということらしいよ。ちなみに情報クランは西門、攻略クランは東門から出て調査というか探索をする。


「主、ここはタロウとクルミとリンネにお任せなのです」


「お任せって何をしてくれるんだ?」


「森の中の敵を見つけてぶっ倒してやるのです」


「ガウ」


 タロウも吠えているし、クルミもジャンプしているぞ。


「いや、戦闘なら俺もやるって」


「そうなのです?」


 そうなのです?じゃないだろう。俺にも戦わせてくれよ。


「皆で行くぞ」


「ガウ」


「はいなのです」


 街の中には全く霧がなくて日も差しているのに門から一歩外に出るとそこは薄暗いジャングルで霧が森の中を覆っている。ゲームだからできるのは分かるけど、それでも街の中と外の差がでかい。


 北門を出たあたりは何度か戦闘をして敵のレベルも知っている。174や175のジャガーや猿の敵を倒しながら道に沿って奥に進んでいく。道は蛇行しているが端末を見ると概ね北方向だ。


 進んでいくと魔獣のジャガーや猿のレベルが176に上がった。街を出てから1時間ちょっとが過ぎている。ジャングルの中に土の道が蛇行しながら北に伸びている。周囲の景色に変化はない。今日はとりあえず道を進んではいるけど、別の日に森の中を歩いてみよう。森の中の様子もチェックしないとね。ひょっとしたら何か別のものがあるかもしれないし。



 2時間ほど進んだころ、道路の先の霧の中に焦茶色の魔獣が立っているのが目に入ってきた。


(ミント、あれは?)


(はい、フォレストブラウンオークです。レベルは177です)


 ん?ブラウン?


(他の色もいるってこと?)


(はい。フォレストグリーンオークがいます)


 色が2種類。違いは色だけか。戦闘すればわかるだろう。

 タロウもリンネも道の真ん中に立っているブラウンオークを見ても全く態度を変えない。レベル177なら正直問題なく倒せるレベルだからね。


 向こうも俺たちを認識して襲いかかってきたがそれを軽く交わして刀を振る。同時にタロウの蹴りとリンネの魔法でオークが倒れた。クルミは何もしてないな。


 その次もブラウンオークだった。魔獣のレベルが上がったことで種類が変わった。

オークを倒した直後にリンネが霧の森に向かって魔法を撃った。顔に命中して杖を持っている緑のオークが出てきた。そこにもう1発リンネの魔法が当たると光の粒になって消える。


(あれがグリーンオークか)


(はい。その通りです)


 その後はフォレストブラウンオークとフォレストグリーンオークが混在して襲ってくるがどうやらブラウンは物理、グリーンは魔法の様だ。レベルはどちらも178だ。ここは177から178のエリアなのだろうな。先に進んだら179になるんだろう。


 俺たちはこの場で1時間ほど茶色と緑のオークを倒してから自宅に戻った。


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