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テイマー忍者 〜ソロ忍者は従魔と共に駆け回る〜  作者: 花屋敷


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セーフゾーンで打ち合わせなのです

 この日は午前中の畑仕事と農業ギルドへの納品、そのあとは工房での焼き物作り。これらを終えると俺たちは、午後からオアシスの街の家に飛んだ。基本このルーティーンは変えないのがポリシーだ。


「今日は街の北門から出てそのまま敵を倒しながら北に進むよ」


「ガウ」


「任せるのです。ばったばったとコヨーテさんを倒しながら進むのです」


 クルミもジャンプしてやる気十分だ。


 他にプレイヤーがいない市内を歩いて北門から外に出ると荒野を北を目指して進み始める。158のコヨーテを倒しながら進んでいくとコヨーテのレベルが159に上がった。


 相変わらず荒野には大きなメサがあちこちに聳え立っていて、その周りを調べながら北に進んでく。今のところ変わったものは見つからない。自分たちの相手もずっとコヨーテだ。159の敵を倒してこの日の活動を終える。


 次の日も同じ様に159の敵を相手にしているとレベルが上がって155になった。従魔達に変化はない。一度探索したエリアは見る必要がないのでそこまで直線的に進めることもあってこの日はさらに北を目指す。自分達は荒野の中心部と思われる場所を北上していることもあり見渡す限り荒野が続いている。その中に大小のメサがいくつも聳え立っていた。


 これも毎日続くと結構きついんだよ。基本景色が変わらないってのはきつい。ただそう思っているのは俺だけみたいで、従魔達は全く関係ないかの如くコヨーテを倒しまくっている。


「ガウ」


「はい、これでおしまいなのです」


 タロウの蹴り、リンネの魔法で159のコヨーテを倒しては、やったのです。なんて言っているよ。それにしてもタロウもリンネも、もちろんクルミもだけど。彼らの能力が半端なく高い。俺たちプレイヤーはレベルが上がるとステータスが少しずつ上昇するが、俺の従魔は指数関数的に伸びるんじゃないかと思うほどだよ。もちろん実際はそうではないと思うんだけど、それくらいに強いんだよな。それともひょっとしたら俺の加護の影響も受けてるのかな?いや待て、彼らは俺が加護を得る前から強かったぞ。ということは違うのか。それとも元の能力と加護が合算されているのかな。うん、そう考えた方が自分の中ではスッキリする。


「四つ足の敵さんはタロウの敵ではないのです」


「ガウ」


 ああ、それもあったか。猛獣系の頂点に君臨するタロウから見たらそうなるんだな。でもリンネは?


「九尾狐は強くなると、どんどん強くなるのです」


 よく分からんが、まあ強いのはいいことだ。それとクルミの貢献度が高いんだよ。スロウの魔法が神だよ。


 俺たちは159のコヨーテを倒しながら北に進んでいく。進路の右手に見えるメサの北側に回るとそこに柵に囲まれたエリアがあった。柵だけで小屋はない。当然転送盤も設置されていない。ただ柵に囲まれているエリアの中は芝生が生えている。緑を見ると癒されるよ。


「主、元気になる場所に着いたのです」


「うん、ここはセーフゾーンだ」


「お家はないけどここで休憩するのです」


「そうしようか」


 芝生の上に座るとタロウが背中を押しつけてきた。いつも悪いね。

 タロウの背枕で足を伸ばすとその間にリンネが入り、クルミはお腹の上に乗ってきた。これもいつものポジションだよ。


 俺は端末でセーフゾーンを見つけたとメッセージを送る。

 大きメサの北側にあるセーフゾーン。オアシスの街からだと敵を倒しながら移動して4時間ってとこかな。周辺のコヨーテのレベルが159だからこっちのレベルを157位まで上げないと厳しいかもしれない。フレンドリストを見ると彼らのレベルは158になっている。それなら問題ないだろう。


 セーフゾーンで休憩をした俺たちはそれからその周辺でコヨーテを倒して経験値を稼いでから自宅に戻った。


 数日後、北のセーフゾーンでコヨーテを倒して経験値稼いでいるとレベルが156に上がった。敵の数が多いから戦闘回数が増える。ちょっと強めだから得られる経験値が多い。その繰り返しだったから今回は自分の予想よりも早いタイミングでレベルアップが来たよ。


「ガウガウ」


「また強くなったのです」


 3体の従魔達も大喜びだ。その後数体倒したところで休憩しようとセーフゾーンに戻って休んでいると、そこに情報クランのパーティがやってきた。


「ここがセーフゾーンか」


「お疲れ様」


「お疲れ様なのです。2番目なのです」


「そうだね、タクに負けちゃったね」


 メンバーのケイトが言うと仕方ないのです。なんて言っているリンネ。


「西方面を南に下がったけど洞窟らしきものは何もなかった。つまりオアシスの街から南側の西側には他に何もなさそうだということがわかった」


「東側もなかったの?」


 トミーが言ったので聞き返すと攻略クランから連絡があり、何もなかったと言うことらしい。彼らとそんな話をしていると攻略クランの連中もこのセーフゾーンにやってきた。攻略のツートップのパーティの揃い踏みだよ。


「4時間ちょっとかかったよ」


 セーフゾーンに入ってきたスタンリーが言った。


「おつかれ様なのです。3番目なのです」


「そうか。俺たちは3番目か」


「仕方ないのです。いつも主が一番なのです。悔しがる必要はないのです」


 リンネがそう言うと皆が笑っている。

 相変わらずの俺推しだ。もう慣れてるとは言え、時々ヒヤヒヤするんだよな。


 柵に囲まれているセーフゾーンは結構広い。5パーティ程度は余裕で入れるくらいのスペースがある。今はそこに2パーティと俺達がいる。全員がお互いに顔見知りだから気を使わなくてもいい。リラックスできる。


「ここがセーフゾーンってことはここからまた5、6時間程度の距離のところに何かありそうね」


「街か、またセーフゾーンか、それともエリアボスか」


「エリアボスはまだ先じゃないか。おそらくこのエリアのボスはレベル170の気がする」


「そうなると街かな。でも強化は終わっているよね。流石にこれ以上の強化はないでしょう」


「相手にするのはずっとコヨーテかな」


「そろそろ他の魔獣が出てきそうな気もするよね」


 10名のメンバーが思い思いに話をしているのをタロウの背枕で聞いている俺。こう言う場面では聞き役というか、彼らのやり取りを聞いているだけで楽しいんだよ。色んな見方があるなと感心させられる事が多い。従魔達も今はリラックスモードだ。


 情報クランによるとオアシスの街から北方面の街や村などの情報は取れていないそうだ。彼らは手分けして関所の街や台地の村でも聞き取りをしているそうだが有益な情報はないと言っている。


「ただこうやって新しいセーフゾーンが見つかったからNPCの対応が変わる可能性もあるわね」


 なるほど。可能性としてはある話だ。


 2つのクランの話を総合すると、オアシスの街から南側には洞窟らしきものはない。なのでこのエリアはもう何もなさそうだ。


 北側についてはこのセーフゾーンがあるということは、ここから先まだエリアが広がっている。ただしそれが北方面とは限らないので東、西方面も探索する必要がある。


「情報クランと攻略クランは今度はオアシスの街の東西の端から山裾を北上しましょうか」


「そうだな。ひょっとしたらというかエリアが広がっている可能性もある。山に沿って北に進むのは賛成だ」


 クラリアとスタンリーが中心になって両クランで今後の方針を決めた後でクラリアが俺に顔を向けた。


「タクと従魔達はこのままセーフゾーン周辺の探索をお願いできるかしら」


「了解。レベル上げをしつつ探索するよ」


「するよ、なのです。主にお任せすると安心なのです」


 リンネの決め台詞がでたよ。


 方針が決まった。彼らはせっかくセーフゾーンにいるからとこの周辺で経験値稼ぎをするという。どちらも転移の腕輪を持っているから移動が楽だよね。


 俺は今日は結構頑張ったので自宅に戻ることにした。


「家に戻ってランとリーファと一緒に遊ぶぞ」


「はいなのです」


「ガウ」


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