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7/20

静香

アキは電車を降り

ファーストフードの店に走りこみ


コーヒーを注文して

窓際の席に座った。



いつもなら子供のころからのファンである

アニメのおもちゃのついたセットを



笑顔で注文するのだが



目立つ行為をするのが嫌で

我慢した。



傍らでおもちゃを振り回して

遊んでいる子供を


恨めしそうに見つめるアキ。




呼び出しては見たけれど、、、




アキは考える。



和人をここへ呼び出したが

俺を見ていったいどう思うだろう。




びっくりして

腰を抜かすだろうか。




アキはため息をつき

窓の外を眺めた。



そしてつぶやきをひとつ。






「ありえない」







その時、アキの黄昏を破る

声が背後から聞こえた。




「おはよ!どうしたんだ?」




勢いよくふり返ると

そこには和人がいた。




和人の顔を見て少しほっとする

アキだったが



その隣にいる人物を見て

アキの鼓動が少し早くなる。



上目づかいにその人を見るアキ。



心臓の鼓動が自分でも意識できるほど

はやくなる。




「アキと会うって言ったら

静香も会いたいって言うから連れて来たよ。



この頃アキの様子がおかしいって

静香、心配していたからなあ」




静香はアキの顔を覗き込む。



少し目をそらすアキ。




アキの様子を少し観察した静香は

微笑んでアキに話しかける。



「顔色はまあまあね。よかった。

でも、ひどい格好。



寝起きのまま飛び出して来たって感じ。

ちゃんとセットしてから家を出なきゃだめじゃない。




仮にも、、」




静香はまたアキに微笑みかける。




「亜樹は女の子なんだから」




え?




違うよ、俺は男だぞ。

何を言ってるんだ静香は、、、




「そうだよ、おまえちゃんとおしゃれしたらさ、、、」




和人は赤くなりながら言葉を続ける。




「かわいいんだから、、、」







アキは混乱しながら思う。




いったいこいつらは何を言ってるんだ?



俺は今日起きてみたら

女の体になってたんだ。



なのにこいつらは

俺を見て驚きもせず



挙句の果てには

俺は女だって決めつけている。






アキは静香を見つめる。



笑顔がたまらなくかわいい

素敵な女性だ。







それに、、、

俺は静香が好きなんだ。



大学に入学して

キャンパスに静香を見つけて以来ずっと


好きだ。



俺は静香が好きなんだ。

だから俺が女のわけがない。





アキはそう思うと

和人に向って尋ねる。




「和人。



俺を見ておかしいとは

思わないのか?」




和人は少しにやりとする。




「ははは。確かに今日はおかしいな。



髪の毛がぼさぼさだし」





その言葉を聞いて

アキは首を振る。




すると、アキの手を取って

静香がしゃべりだす。




「そうだ!亜樹!



今から買い物に行かない?



亜樹も少しまともな服を着て

髪もセットしたら



気分もかわるんじゃないかな?」




静香のほほ笑みを

間近に見て少し顔がほころぶアキ。




「おお!いいな!

俺もいくよ!いいだろ?」




「だめえ!女の子だけで行くの!

あなた、単位ヤバいんでしょ?



学校行きなさい!」




静香にそう言われた和人は

うなだれて学校に向かって行った。




和人の後ろ姿を見送りながら

アキは考える。




静香と2人っきりで

出かけられるのはうれしいが




おかしい。




どうなっているんだ?




2人はアキを何事もないように

普通に受け入れた。




普通なら驚いてもおかしくないのに、、、





静香はアキの手を引っ張って

店の外に出ていく。




アキはもう何が何だかわからなくなっていた。














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