第九十六話 緊急会議と宵闇
思ったより筆が進まなかったので、短いですが投稿しました。
後々加筆修正をするかもしれません。
その晩、俺たちも泊まっている宿にS級が一同会すことになった。
S級が全部で17人……いや今は20人か。その内の16人が集まった。
学園長も駆け寄り、上位十名はユーリさんを除いて全員出席だ。まあ叙勲式があったからほぼみんないるはずなんだが。
隣に座っていたのはベリアさんだったので、ユーリさんがいない理由をきく。
「ユーリさんが見当たらないんですけどどこに行ったかわかりますか?」
「ユーリ多分……見張り行ってる。他の3人たちと」
そうだったのかと納得したところで一位のヨウラクさんが話を始めた。
「ついに来たね、悪魔の進行が」
「……会議以来の話題ですね」
白い服を身にまとった中性的な顔立ちをもつ8位の【音無】が反応した。
「そうだね。それで戦った四人がいるはずなんだけどどうだったかな?」
そしてヨウラクさんはアイリスさんとベリアさん、ネネと俺に目配せをした。
するとアイリスさんが立ち上がる。
「戦ったけど、とりあえずあいつの魔力はすげえぜ。あの発生させた魔法に全く抵抗ができなかった」
「ほう、でもベリアのスキルなら吸収できたはずなんだけどどうだった?」
「……無理。魔法を発動させるのに少し遅れた。でもA級の子たちのやつ程度ならあのタイミングでも吸収できる。だから少なくともここのみんなと同じ強さ」
ベリアさんの解析に感心した。これは自分の能力について理解をしっかりしているという証拠だから俺も見習わなければなと思う。
「しかもあいつ魔力を練ってる気配がなかったんだよねー。瞬間的にあの威力を出せてなおかつ本気じゃないとすると脅威だねー」
「でも……本気ってハッタリじゃないんでしょうか……?」
アイリスさんに続いてとある男がそう言葉を発した。この人はたしか紹介されたときの記憶だと七位の【虚弱】だった気がする。
「そうか、でも多分あの悪魔はハッタリ言ってるんじゃないと思う。その理由としては奴が千年前の出来事を知っていたことだ。事実千年前の出来事に関する文献は不思議と少ない。しかし甚大な被害が出たというのは確かだ。奴が千年前の生き残りだったとすると、一度の失敗と今日までの期間で強化されてる力は……脅威はわかるな?」
「それでどうするんです? もしそれほど強いのであれば私達が対応する他ないと思われますが?」
ヨウラクさんのあとに発したのは五位の【妖艶】で、二つ名の通り艶めかしいお姉さんのような見た目だ。
「とは言ってもユーリたちが捜索してるけど、多分あいつの姿は見つかりはしないだろうね。空を飛べるってだけで人間ではどうしようもないから。だからあっちから攻めてくるのを防衛する感じになるかな」
「ですが【仁王】。奴はきっと自分の味方を大量引き連れて来るはずです。人手が足りなのでは?」
今発したのは二位の【誠実】で、言葉遣いからわかるように真面目な人だ。きちっと整えられた髪の毛に眼鏡をかけている。一回、話す機会があったがとても良い人だった。
「それは君もわかるだろう、悪魔には階級があるから。国王に頼んで冒険者も強制参加のクエストにしてもらう。低級、中級悪魔はC級B級数人で倒してもらおう。上級はA級に。そして俺らが担当するのは特級以上だ。いいな?」
そしてその言葉に全員が頷いた。
「じゃあ何か質問はあるかな?」
そうヨウラクさんが問いかけたので俺は気になっていたことを聞いた。
「はい。対峙したあの悪魔はまるで人みたいな容姿でしたが悪魔って全員そうなんですか? もっとイメージではお伽噺にでてくるやつだったんですけど」
「いや、あれは特例だよ。このことを知っている人は少ないけど、多分みんなのイメージしてるやつは上級悪魔までだね。特級悪魔に位置する奴らは全員人間の容姿さ。それでもって悪魔と同じポテンシャルを持ってる。階級を見分けるのも容姿が重要だからね。低中上の見分け方はギルドを介して冒険者に伝えさせておくよ」
「なるほど、ありがとうございました」
そして一通りみんなの質問が済んだ。
「じゃあ明日から臨戦態勢を解かずに。それとこの街から離れないように。では解散」
こうしてこの夜は終わった。
☆★☆
『フフフ、久しいな』
宵闇の中、影に語りかけるように言う悪魔の王は空を見上げた。
『前回こそ失敗したが、元四天王だった我が千年の時を経て帝となった。現四天王も昔と戦力は比べるまでもない。今度こそこの世界を我らの手中に入れてみせよう。それに普段より早くゲートをつなぐことができるしな……ククク……』
密かに微笑んだ悪魔は魔力を練り始めたのだった。




