第44話 デュラハン通信
あれから俺たちは三つの班に分かれた。
一つはタラントに向かって現状を報告し、防備を整える班。大半がここに加わった。
二つ目はバーリに向かって敵情視察。ダックスとデュラハン二人。
三つめは俺。とある人物に会いに行かなきゃいかない。カーチェとシバに同行してもらう。途中まで一つ目の班と同行する。
そして重要なのは、デュラハンの胴と頭を別々にすること。それがこの通信……デュラハン通信(仮)を成立させる。
「ダックスの様子はどうだ」
「ええっと、無事に進めています。ただ、僕の体を案内することに戸惑ってるみたいですが……」
そう語っているのはデュラハンの頭だ。
俺の思い付きは呆れるくらい単純。デュラハンの胴体と頭を別々に行動させる。当然ながら自分の体なので大体の様子はわかる。
そしてラミアの傭兵が持っていた木簡で文字盤を作った。段落を作って体だけでもどこに何の文字があるのかわかるようにする。
後は頭で見た文字盤の位置を体で示せばいい。さらに二組で行動させれば双方向の通信になる。カーチェの場合読み書きができるのでカーチェの手のひらに文字を書いたり、カーチェに書いてもらったりすれば体側でも意思疎通ができる。
(なんっで! これをさっさと思いつかなかったのかなあ!)
はっきり言おう。これは革命だ。
シバも、ラミアも、当のデュラハンたちもなぜこんなことをするのかいまいち理解していないようだけど、情報を一瞬で遠距離に伝えるということはありとあらゆる面でとにかく重要なのだ。
(先代のクラヴァスや雷鳴の将軍はこれを思いつかなかったのか? それともデュラハンと接する機会があまりなかったのか? ああくそ、一年前に思いついてりゃ今頃デュラハンネットワークでも作れてただろうに!)
難点はデュラハンの首と体を連れて歩かなきゃいけないことで、バーリに潜入する場合リュカオンの魔法がなければ怪しまれるためダックス一人だと歩く速度がものすごく落ちる。
(でもこれでタラントに居ながらバーリの状況を知れる。いや、俺はその前に行くところがあるか)
タラントに向かう一団と別れて、小さな村へ向かう。ちなみにカーチェは体だけタラントに向かってもらう。
俺もタラントの様子を知っておきたいのだ。




