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異世界転生した理系男子が、地味スキルで冒険者をやっていたら、なぜか誰からも攻撃が当たらない件  作者: カトーSOS


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第3.5章23話 ポーション

挿絵(By みてみん)


武器屋を出ると、通りの空気が少しだけ涼しく感じられた。


「さて。」


ミアが手を叩く。


「次はポーションだね。」


「うん。」


コーイチは頷いた。


護衛依頼だ。


準備はできるだけしておいたほうがいい。


街の中央通りを少し進むと、薬屋の看板が見えてくる。


ガラス瓶の絵が描かれた、いかにもそれらしい店だった。


扉を押すと、乾いた音が鳴る。


中は薬草の匂いが満ちていた。


棚には大小さまざまな瓶が並び、淡い色の液体が光を反射している。


「いらっしゃい。」


白衣の男が顔を上げた。


「ポーションをいくつか見たいんですが。」


コーイチが言う。


男は頷き、棚の一角を指さした。


「低級ならそこ。初心者向けだ。」


コーイチが棚から瓶を手に取る。


「これが回復薬かぁ……。」


瓶の中の液体は、薄く緑がかった透明な色だった。


「飲むタイプと、かけるタイプがあります。」


店主が説明する。


「飲む方は全身に効きます。外用は傷口に直接。」


コーイチは瓶を持ち上げ、光に透かした。


少しだけとろみがある。


薬というより、何か別のもののように見えた。


「どれくらい持っていけばいいかな。」


「初護衛なら二本くらいでいいんじゃない?」


ミアが言う。


「足りなかったら困るし。」


コーイチは少し考え、頷いた。


「じゃあ、飲用を二本と、外用を一本ください。」


店主は慣れた手つきで瓶を布に包んだ。


「使いすぎるなよ。」


「え?」


「ポーションは万能じゃない。怪我した時だけにしとけ。」


コーイチは素直に頷いた。


「わかりました。」


代金を支払い、袋を受け取る。


ほんのり冷たい感触が手に伝わった。


店を出る。


通りの人の流れに混ざりながら、ミアが言った。


「準備、だいぶ揃ってきたね。」


「うん。」


コーイチは腰に巻いたムチを軽く触った。


まだ少し違和感がある。


けれど、さっきよりも自然にそこにあった。


「明日か。」


「緊張してる?」


「……少し。」


ミアが笑う。


「大丈夫だよ。あんた、なんか当たらないし。」


「それ、自分でもよくわからないんだけどね。」


二人は並んで歩く。


街の音が、いつもより少しだけ遠く聞こえた。


護衛の日が、近づいている。


挿絵(By みてみん)


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