3.5章21話本当に攻撃できるの?
「本当に攻撃できるの?」
ミアは腕を組み、かなり懐疑的な目でムチを見ていた。
「できるさ。」
店主は短く答えると、庭の木から実を一つもぎ取った。
まだ未熟な青いリンゴだ。
それを地面に置く。
一歩下がる。
ムチを軽く持ち替えた。
次の瞬間。
パーン!!
鋭い破裂音。
リンゴは跡形もなく砕け散った。
「えっ!?」
ミアの目が見開かれる。
「これ、私に当たってたら怪我じゃ済まないよ!」
店主を睨む。
「だからストップって言ったじゃないか。」
店主はわざとらしく笑った。
「はっはっはっ!」
――ごまかす気だ。
ミアはむっとした顔になる。
店主はムチをコーイチに渡した。
「ほれ、兄ちゃん。やってみい。」
コーイチはムチの先を地面につける。
そして腕をゆっくり上下に振った。
すると、ムチは手の動きに合わせて波打つ。
持ち手から先端へ。
しなやかな波が伝わっていく。
「……うん。」
コーイチは小さく頷いた。
理解した。
店主がやっていたように、頭の上で弧を描く。
一回。
二回。
三回目。
ムチの先端が軌道に乗る。
タイミングを計る。
前へ振る。
――しかし。
途中で勢いが失われた。
「……難しいな。」
もう一度。
頭上の円を安定させる。
リズム。
波。
先端の位置。
今だ。
肩から腕へ。
腕から持ち手へ。
持ち手からムチ本体へ。
波が伝わる。
そして先端へ到達する、その直前。
コーイチはわずかにムチを引いた。
パーン!!
空中で破裂音が鳴る。
店主と同じ音。
「おぉ。」
店主が目を丸くする。
「兄ちゃん、飲み込み早いな。」
コーイチは驚いたようにムチを見つめていた。
「これができたら、後は練習だ。」
店主は笑いながら、コーイチの肩を叩いた。




