↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生した理系男子が、地味スキルで冒険者をやっていたら、なぜか誰からも攻撃が当たらない件  作者: カトーSOS


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/57

3.5章19話新しい武器

挿絵(By みてみん)


翌日はミアと一緒に護衛の準備をすることにした。


「コーイチのナイフだけじゃ心もとないよ。」


武器屋へ向かいながら、ミアが言う。


「何か適当な武器、見に行こう。」


店の中は鉄と革の匂いが混ざっていた。


壁には剣や槍、斧、弓が整然と並べられている。


「ミアは何持ってるの?」


「私? ショートソードだね。」


腰の剣を軽く叩く。


「背が小さいから、長い剣だと振り回されちゃうの。」


なるほど、とコーイチは頷いた。


近くにあったソードを手に取る。


……重い。


腕にずしりとした負担がかかる。


少し振ろうとしてみたが、すぐにやめた。


(これは……無理だな。)


「どう?」


ミアが横から覗き込む。


「無理。」


即答だった。


ミアが吹き出す。


「だよね。」


コーイチは苦笑しながら剣を元の場所に戻した。


店内を見渡す。


どれも“戦うための武器”という感じがして、どこか自分には遠い。


そのとき。


壁の端に、丸めて掛けられているものが目に入った。


細長い革の束。


コーイチはそれを手に取る。


革の持ち手が妙にしっくりと手に馴染んだ。


適度な重み。


だが、不思議と扱いやすい。


むしろ、心地いい。


(……これだ。)


理由は分からない。


ただ、感覚がそう言っていた。


「なにそれ?」


ミアが首を傾げる。


「ムチだね。」


軽く振ってみる。


空気を切る音が、小さく鳴った。


「ムチ?」


ミアは目を丸くした。


「初めて見る。そんなの使ってる人、見たことないよ。」


「普通は使わないかもね。」


コーイチは笑った。


「でも、僕には合いそうだ。」


そのとき、奥から低い声がした。


「……それ、扱える奴は少ねぇぞ。」


振り返ると、無骨な男が腕を組んで立っていた。


武器屋の店主だろう。


「扱いが難しいんですか?」


コーイチが聞く。


店主は肩をすくめた。


「剣みたいに振りゃいいってもんじゃねぇ。距離感が命だ。間合いを間違えりゃ、自分が絡まって終わりだ。」


「なるほど。」


コーイチは頷いた。


むしろ、それがいい。


「……それに、攻撃するための武器じゃねぇ。」


店主は少し笑った。


「制御する武器だ。」


コーイチの目がわずかに細くなる。


「……いいですね。」


ミアが半信半疑の顔をする。


「ほんとに?」


「うん。これなら、自分の距離で戦える。」


店主はじっとコーイチを見ていた。


やがて小さく鼻で笑う。


「変わり者だな、お前。」


「よく言われます。」


コーイチは肩をすくめた。


店主はムチを指さす。


「持ってけ。安くしといてやる。」


「いいんですか?」


「久々に面白ぇ奴見たからな。」


ミアが小声で言う。


「……ほんとにそれで大丈夫?」


コーイチはムチを軽く握り直した。


革の感触が、妙に安心感を与えてくる。


「たぶん、大丈夫。」


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。