3.5章15話土魔法
ミア、土魔法もできるよね。
ミアはジト目でコーイチを睨んだ。
「また変なことやるから、教えたくないなー。」
「気をつけるから、お願いします。」
コーイチは手を合わせて拝みこむ。
「なに?なんで手を合わせてるの?」
コーイチは一瞬、自分が何をしているのかわからなかったが、すぐに気がついた。
「あー、これは僕の国の頼み方。本当は神様にお祈りしたり願い事をするときに手を合わせるんだけど、相手を神様に見立ててお願いするときにもやるんだ。」
「えっ?私が神様?」
神様と言われて、ミアの顔が少しほころぶ。
「ふふーん。女神ミアが教えてあげましょう。」
コーイチは、正直ミアは簡単だなと思ったが、もちろん口には出さなかった。
「といってもね、私は水魔法と同じで、大したことできないよ。畑に使える土を作れるのと、地面がへこむだけ。」
「地面がへこむ?」
「だから役に立たないのよ。」
ミアは人差し指で頬をぽりぽりと掻いた。
「じゃあ、畑に使える土、見せるね。」
ミアは短い詠唱を口にする。
すると、手のひらに、雪が降り積もるように土が現れた。
「おおっ!すごい!!」
コーイチは素直に感動を口にする。
「大したことないのに、逆に恥ずかしいわ!」
ミアはコーイチの顔の前に手のひらを差し出し、自分の作った土を見せたあと、すぐ近くの石の上に置いた。
「手が荒れちゃうんだよね。本当は手袋してやるんだよ。」
そう言って、手を軽く払うと、水魔法で手のひらを洗い流した。
「畑で使えるっていうのは?」
コーイチは気になっていたことをすぐに聞いた。
「この土を使うとね、あまり良くない土地でも植物がよく育つようになるの。肥料を使っても育ちにくい土地でもだよ。」
「そうなんだ。」
コーイチは何やら考え込む。
「じゃあ今度はコーイチ、やってみて。」
そう言いながら、ミアはさりげなく後退りし、岩場の陰に避難した。
「信用ないなぁ。」
苦笑しながらコーイチは詠唱を始める。
手のひらに魔力が流れる。
無意識に、手のひらを下に向けた。
さらさら、と。
白い粉が落ち始めた。
ミアは遠目に安全を確認してから近づく。
「なにそれ、きれい」
自分とはまったく違うものが生み出されているのを、興味深そうに見つめた。
「……たぶん。」
コーイチが言う。
「顔をあんまり近づけないほうがいい。失明するかも。」
ミアは思い切り飛び退いた。
「なっ、なっ、なっ、何言ってるのー!」
フフっと
コーイチは笑った。




