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俺はJKを助けたいのか、それとも助けられたいのか  作者: 酉 真菜
第2章:人類のため働きつづける世界
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第26話:Con Moto -二週間の調査の始まり-

「みこは誠司について何を知っているの?わたしより何も知らないでしょ」


 みこは英利羽の言葉に対して何一つ返答を思いつくことができずにいた。

 そんな様子を見てか、チャッ子が助け舟を出してくれた。


「ひとまず、脱出するかどうかは置いておいて、この施設の調査に協力してくれませんか?」


「調査?」


「はい。私たちもこの施設の全容をできる限り早く把握しておきたいと思うのですが、私とせ……一誠では人手が足りないのです」


 すると今度は、一誠がチャッ子の言葉に続けた。


「君たちには、ここから外の監視ロボットたちの動向を探ってほしいんだよ。特に危ないことをするわけではないから安心して」


「みこは協力するわよ」


「わたしもこの施設について知りたいと思っていたから協力してあげてもいいわ」


 みこに加えて、英利羽も協力に応じることとなった。ただ、真菜はずっとうずくまり、調査できる様子にはなかった。


「で、わたしは何をすればいいの?」


「英利羽さんにはこの時計を持っていてもらいます」


 チャッ子はそういうと、金色の懐中時計を取り出した。普通の懐中時計よりも少し側面のボタンが多い気がした。


「これは?」


「これは、地球時間を示している時計です。一番上のボタンを押してもらうと、月日を示す時計と変わってくれます」


 チャッ子はそういいながら、英利羽の持つ時計のボタンを押した。時計の盤面が回転し、見たことのない盤面が現れた。外側には31まで目盛があり、その内側には1~12まで書いてある。どうやら、短針が月を表し、長針が日を表しているようだ。


「もう一度押すと、年を表す盤面が現れますが、今回は特に気にしなくていいでしょう。もう一回押すと時間を示す時計に戻ってくれます。次に真ん中のボタンを押すと、タイタンの時間に切り替わってくれます」


 上のボタンでチャッ子が時間に戻すと、次に真ん中のボタンを押した。すると、盤面がまた回転したが、特に盤面が変わった様子はなかった。


「何も変わってないけど……」


「これは、タイタンの1日……つまり、だいたい太陽がまた昇るまでの時間を24分割して1タイタン時間としたものです。だいたい15、6時間ぐらいです」


「たしかに、なんかゆっくり動いている気がする」


 とみこは時計を覗き込みながら言った。


「それでこれを使ってどうすればいいの?」


 チャッ子が今度は、みこに紙とペンを渡してきた。


「みこさんには、この紙に観察で分かったことを書き留めておいてください。特に気になるのは、この施設は地球時間で動いているのか、タイタン時間で動いているのかです。それがわかるとこの後の行動方針が立ちやすくなります」


「この紙とペンはどんなすごいことができるの?」


 みこはペンを少し振ってみた。


「いや、それはただのペンと紙です。変にデバイスやマジックアイテムを使ったりすると、この施設の連中に感づかれるかもしれないので」


「なんだ、ただのペンか……」


 みこは肩を落とし、英利羽の時計の方をうらやましそうに見た。

 すると、通路に監視用ロボットが来ていることに気がついた。


「ロボットが来てる。気付かれるよ!」


 みこが慌ててチャッ子や一誠に話しかけるが、2人は気にしている様子もなかった。


「大丈夫、大丈夫。俺らが来てから、チャッ子が外から観測できないようにしているから」


 と一誠が言った。


「話を戻すと、些細なことでも気づいたことは書いておいてほしいです。私たちは地球時間で2週間ぐらい調査に出かけますが、お願いできますか?」


「わかった。大丈夫」


「うん、これならみこにもできそう」


 その言葉を聞くと、チャッ子と一誠はじゃあとガラスに向かって歩き始めた。みこが2人に向かって、


「そこ、ガラスがあるよ」


「大丈夫です。魔法でガラスを通り抜けr……痛っ」


 チャッ子がガラスに顔をぶつけてしまった。


「あれ?おかしいですね。これぐらい普通に……」


「出られなくなっちゃった!どうしよう……これじゃ……」


 とみこは言った。チャッ子がなだめる。


「大丈夫です。この施設はなぜか魔力場が乱れていて、魔法が使いづらいだけなようです。この部屋のカモフラージュにも少し魔力を割いているのも原因でしょう。このくらいに調節すれば……あっ大丈夫そうです」


 チャッ子はガラスを通り抜けた。それに続いて一誠も通り抜ける。

 二人はガラス越しに手を振ると、突然消えてしまった。

 ここからチャッ子たちとみこ、英利羽はこの施設の調査に乗り出すのだった。


極秘調査報告書 特別項目2

チャッ子による魔法

 当機構に所属するミスリム山脈収容所のどの囚人よりも魔力が大きい。これは、アナスモ間で科学素を魔法素と交換することによって、魔法素を増やし物理作用よりも魔力置換が起きやすくしているためだと考えられている。このため、アナスモ間の交流を実現できていない我々では、もともと魔力素のきわめて少ないアナスモであることも影響し、大きな魔力が得られなかったものだと考えられる。一方、巨大準結晶である転送ゲートは、魔法素とM粒子との相互作用を大きく阻害し、大きなM波を作り出している可能性がある。

(ツーヨルゥ協定世界調整機構データ管理室所蔵)

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