第46話 滅亡都市
アスモの精神的外傷攻撃に激昂し我を失い地獄門を破壊してしまったベルゼブブが上空で佇み何かを思案していた。
だが、現在のベルゼブブの表情は先程までの怒りや憎悪によるものでは無く、困惑と焦燥の表情であった。
上位悪魔程度に反旗を翻された事など問題にもならない事態…絶対に知られてはいけない秘密を黒山羊が知っていた事実に対して焦りと苛立ちを感じていたのだ。
何故だ…何故、奴は知っていたのだ?
あの事は2万4千年前に事実を知る者や噂を口にする国民全てを処分して情報を封殺した筈だ。そう、国民の3割以上を始末して…なのに何故、今頃になってこの話が出てきたのだ?
まさか「色欲の王」が……いや、それは無い。腹立たしい事だが、奴は余の事など眼中に無い筈だからな。
ならば一体、誰があの秘密を?黒山羊如きが知っている事自体があり得ない。ならばアンドラスか?いや、奴は2万年も生きてはいない。ならば一体、誰が……
現在、勝敗の結果は兎も角、あの事を知る生き残りは余と奴を除けば決闘の立会人をしたサタンのみ……やはりそれもあり得ぬな、奴らがこの事を吹聴して何の得になるというのだ。奴らの国土は余の国の倍以上はあるのだ…今更、国土を拡大する必要などあるまい。
ならば、根絶やしにした筈と余が思い込んでいただけで実際は秘密を知る者共が生き残っていたという事なのか?―――そう言えば先程始末した背信者共が「消音結界」を使用して余や国の批判を話していると言っていたな…ならば秘密の話もそうやって隠蔽してきたと言う訳か…家畜の分際で今まで余を欺き嘲笑っていたと言うのか?
許さぬ…絶対に許さぬ…あの秘密を知る者は絶対に生かしておかぬ!例え国民全てを根絶やしにしたとしても余の汚辱を知る者をこの世に存在させてはならんのだ!!
――ん?…ああ、そう言えば先に始末しておくべき塵共が居たな。
微かに聞こえる萎縮した声の方へ視線を向けるとベルゼブブの怒りを目の当たりにし恐怖に怯える魔神達の姿が映った。
「…そう言えば貴様ら、今の話を聞いていたな?――それとも最初から知っていたのか?」
「め、め、め、滅相も御座いません!!私…いや、我らは聞いた事すら御座いませぬ!」
「本当です、陛下!!我らには初耳です!それにあのような妄言など最初から信じて居りませぬ!!」
「そうです!例え真実であったとしても陛下の忠実なる臣下の我らが他者に喋る事はありません。秘密は必ず守ります!!」
魔神達は狼狽えながらもベルゼブブから投げかけられた質問に対して必死に弁明をした。
「ほぅ…秘密とは何の話だ?余に話してみよ。」
その答えにピクリと眉を動かし目を細めながら低い声で更に質問を続けた。
「あ、いえ、その……――そう!上位悪魔が陛下に反逆を起こした事です!!悪魔如きが陛下に反逆などありえない話ですからね!この件に関しては皆、箝口れ゛――」
質問に答えた中位魔神の頭が吹き飛ぶ。そして噴水のように血を吹き出しながらその骸が地上へと堕ちていった。
「愚か者め…で、貴様らもそれだけか?ならば――」
「お、お待ち、お待ち下さい!!私は全て秘密に致します!!アンドラス様の事も、バフォメットの事もそして…「色欲の王」陛下との事もです!!絶対に誰にも話しません!!」
「我らもで御座います!!どうかご容赦を…」
仲間の死を目の当たりにした魔神達が必死に命乞いを始める。
「…ククッ…フハハハハ!そうか、秘密は守るか……貴様らのような塵の言葉を余が信用など出来ると思うか?―――秘密を守るのに最良の方法を教えてやろう…簡単な事よ…「疑わしきは全て殺せ」だ。」
不敵な笑みを浮かべながらベルゼブブが魔神達に向けて死刑宣告を行った。
「おた、お助けを…あっ!?貴様ら逃げるな!!」
「「ひぃぃぃいーーー」」
4人の内2人が恐怖にかられその場から逃げ出した。残る2人はその場で制止しようと必死に叫ぶ。
「愚かな…もう体内に埋め込まれた「蟲の卵」の事を忘れておる奴がいるようだな。良かろう、体内の「蟲」は使わぬ。さあ、逃げ切れると思うならば逃げてみよ。―――さて、久々に我が「暴食」の技能を使うとするか…フフ、前回の第4次魔大戦以来になるか。それに余の怒りを鎮めるにも丁度良い余興だ。さあ、この地区の民諸共余の腹に納まるが良い。「悪食なる死の魔蝗軍」!!」
ベルゼブブが技能を発動させるとその体が黒い霧へと変化し空へ霧散した。そして見る見るうちに周辺の空を覆い尽くして辺りを闇に包み込む。更に黒い霧が異形の物へと変化していく――
悍ましく喧々たる蟲の羽音と威嚇するような顎を鳴らす膨大な騒音が暗黒の空から第9地区全体に響き渡っている。
そしてその騒音の原因を目の当たりにした魔神達の全身に戦慄が走り、その顔が驚愕に染まる。逃げ出そうとしていた者達ですらそれを目の当たりにした途端にピタリと動きを止めた。更に騎竜と呼ぶには巨大すぎる上位竜種までもが恐怖に顔を歪めて萎縮していたのである。
「ああ…そんな…馬鹿な…」
「ありえない…あれが全て「魔神喰い」…だと…」
「これが陛下の…魔神王の真の力なのか…やはり最初から逃げられる筈など無かったのだ…」
彼らが目の当たりにした空を覆い尽くすベルゼブブが変化した異形の物の正体は体長50センチ以上はある全身が漆黒に染まった飛蝗であった。しかし只の蟲では無いのは一目瞭然…その全てがその場にいる魔神達と同等かそれ以上の能力を持つ恐るべき蟲なのである。その一匹一匹が禍々しき波動を放ちながら周囲を威圧している異様な光景が繰り広げられていた。
ベルゼブブが変化したその蟲の名は「魔蝗蟲」…レベルは300を軽く超え、金剛石ですら噛み砕く強靭な顎を持ち、その性質は凶暴、貪欲であり目につく全てのものを何でも喰らう「魔神喰い」の異名を持つ恐るべき蟲である。
だが、通常は脅威では無い。何故ならば縄張り意識も強く、その性質故に同種間であっても共食いを行う為、繁殖期にのみ番になるだけで絶対に群れる事が無いのだ。それが要因となり数も少ない希少種の蟲である。
如何に強力な力を持っていたとしても単体では大した脅威にもならない。中位魔神が数人いれば簡単に駆除が出来るのである。
だが、魔神達の目の前に広がる辺り一帯を暗闇に変え、空を埋め尽くした無尽蔵と言っても過言では無い数のベルゼブブが変化した「魔蝗蟲」の群体…その数なんと3億…しかも大罪魔神器「暴食の王笏」の効力によりそのレベルは500を超え、凶暴性を更に増している状態である。
これこそがベルゼブブの「大罪」職能「暴食」の最強にして最悪の技能「悪食なる死の魔蝗軍」。嘗て「全てを飲み込む者」と言われし古の魔王の名を冠する絶望を齎す漆黒の大軍勢が空を埋め尽くしていたのだ。アスモには「糞野郎」と罵られ馬鹿にされていたが、流石は魔界で神と崇められる魔神王である。
そしてその場で大きく翅と顎を鳴らしていた「魔蝗蟲」の群体の騒音が一瞬止んだと同時に黒き絶望の軍勢による進撃が目の前にいる魔神達に向けて開始された。
「ひぃああ゛――」
「ぎいいぃぃああ゛ぁぁぁ――」
「ギュウウオオアァァ――」
絶望の軍勢が最初の獲物である地獄門跡の上空に居た魔神達と騎竜に襲い掛かる。体中に「魔蝗蟲」が纏わり付いたと同時に捕食が開始される。断末魔の叫び声は響き渡る事無く、悍ましき咀嚼音に掻き消され10秒と経たずに5人の魔神達どころか神の合金にも匹敵する強固な竜燐を全身に纏い、両翼を広げれば全長150メートルはあるであろう上位竜種すらも骨も残さずに喰らい尽くしたのである。
そしてその真っ赤な複眼で数十キロ離れた場所にあるエクロン王国第9地区最大の都市デュパインを捉えた3億の絶望が上空から地上へ向けて降り注いだ――
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「おい、向こうの空を覆っていた何かがこちらへ向かって来るぞ!!」
「――っあれは!?おいっ、逃げろ!!あれはヤバイ…「魔蝗蟲」だ!!皆、今すぐ逃げろ!!」
「「魔蝗蟲」?おいおい、住民の大半が悪魔とはいえ、ここに何万の魔神が居ると思っているんだ。そんなの簡単に処理…――いい゛っ!?」
こちらへ一直線に向かって来る辺りを漆黒の闇へと誘う存在…その正体を目の当たりにしたデュパインの住民達の表情が恐怖に染まる。群れる筈が無いその存在が単体では無く、無尽蔵の軍隊として向かって来たのだ。
「あの空を覆う全てが「魔蝗蟲」だと!?先程の大地を揺るがした大きな爆発や光の柱と言い、一体何が起こっているんだ?」
「馬鹿者!あれらを見て理解出来ぬのか。陛下が…「清浄にして偉大なる王」であるベルゼブブ陛下がお怒りなのだ…もう終わりだ…もうこのデュパインは…」
「坊や、早くこっちへ!早く!――この子だけでも無事に逃がさないと…」
「お前達、早く逃げるんだ!出来る限り遠くへ!俺達が少しでも時間を稼いでいる内に!早く!!」
空から降り注ぐ絶望の大軍勢を目の当たりにしたデュパインの住民達の反応は多種多様であった。大半の者が恐慌状態となり我先にと一目散に逃げ出した。空を飛び郊外へ飛び立とうとする者や堅牢な結界を張った建物の中に逃げ込む者、そして絶望や諦めにより膝を着き天を仰ぐ者やベルゼブブに許しを請おうとする者、中には少数ではあるが「魔蝗蟲」の大軍に勇猛果敢に立ち向かおうとする上位魔神達もいたのだ。
だが、全てが無駄であった。その場で祈る者、慈悲を乞う者は抵抗する事も無く漆黒の絶望に埋め尽くされ命を失い、必死に空を飛び逃げ惑う者達は瞬く間に追いつかれて全身に纏わりついた「魔蝗蟲」達に喰われながら地に堕ちて行った。そして迫り来る絶望の軍団を迎撃した上位魔神達も最初の十数秒間は結界や魔法によりその進軍を遅らせる事が出来たが、圧倒的物量を誇る数の暴力の前には無力であった。抵抗虚しく皆が「魔蝗蟲」達の餌食となってしまった。単体でレベル500を超える者も多数いたのだが最早、多勢に無勢などと言うレベルでは無かった。相手は億を軽く超えるベルゼブブの化身なのだ。最初から勝負に等なる筈など無かったのである。そしてデュパイン全体が阿鼻叫喚の地獄と化した――
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デュパインの市街を蹂躙し飛び回る「魔蝗蟲」達が屋外に居る者達を喰らい尽くすのに数分と掛からなかった。そして空腹が満たされない蟲達が次の標的に対して一斉に牙を剥いた。
何と今度はデュパイン全ての建造物に襲い掛かり食事を始めたのだ。まさに悪食と言うに相応しき貪欲さであった。建造物の中には強力な結界を張り逃げ込んだ者達も多数いたが、「暴食の王笏」の力により凶暴化した「魔蝗蟲」の強靭な顎の前には無力であった。強力な結界や堅牢な鉱石で作られた建造物がまるで砂で出来た建物を削り取るかのようにあっという間に蟲達の腹の中へと消えて行った。
そして結界を食い破り建物に噛り付く蟲達の嫌な咀嚼音が響く空間で、ある魔神の母子が最後の刻を迎えようとしていた。
既に表で結界を張っていた父親と祖父母は蟲達の腹の中に収まっていた。その事を理解していた母親は小さな息子だけでも助けようと必死に説得していた。
「坊や、良いわね!絶対にこの中から出て来ては駄目よ!外からは決して開ける事が出来ないこの箱の中にいれば坊やだけは助かる筈だからね。」
「嫌だ!お母さん達も!皆と一緒が良い!!」
懸命な母の説得を子供は拒否しその体に抱き付き動こうとしない。
「駄目よ!この中には一人しか入れないの…だから坊やだけでも生きて…それがお父さんとお母さんの最期の願いだから…じゃあ、閉めるわね。――愛してるわ坊や。」
その腕を無理矢理引き剥がして「魔装」の力で強化した金剛鉄鋼製の人一人がギリギリ入れそうな小さな箱の中へと押し込んだ。そして母親は愛する息子へ最後の笑みを浮かべて箱の扉を閉じた。
「嫌だ!お母さん!おか――」
完全に閉ざされた暗闇の空間で泣きながら何度叫んでも母親は何も答えない。いや、この強力な魔力の込められた堅牢な箱の中に居る為にこちらの声も外からの音も全てが遮断されているのだ。「ここから出てはいけない」と言った母の最期の言葉を胸に少年は息を潜めた。
箱の中に入って数分しか経過していない筈なのだが、少年にとってはこの静寂な空間に居る時間がとても長く感じられた。
「――ん?…何の音だろう?」
微かに聞こえてきたのは静寂を打ち破る何かを削り取るような嫌な音であった。少年はその音が響いてくる方へ耳を傾けた…するとガリッ、ガリッ、ガリッと金剛鉄鋼製の箱が削り取られているかのような異様な音がだんだんと大きくなって来た。そして次の瞬間、暗闇の空間に光が射しこんだ――
その光は少年を捉えた「魔蝗蟲」真っ赤に光る複眼だった。
「うあああああああーーー!!!助けて!!お母さん!お母さん!お母さん!!」
少年は恐怖に震え必死に母親の名を呼び助けを求めた。母親は既に蟲達の腹の中…少年の悲痛な叫びは届く事は無かった。
少年を視界に捉えた途端に蟲達が顎を鳴らす。まるで歓喜しているかのように…そして箱を削り取る音が激しくなっていく。ガリガリガリガリガリガリガリガリガリと…
「魔装」で強化された金剛鉄鋼製の箱が全て喰い尽くされ少年が部屋?に投げ出された。恐怖に身が竦みながらも少年は辺りを見回す。そこには家族と暮らした思い出の家は既に無く無尽蔵の黒い蟲達が蠢く以外は何も無い荒野が展開されていたのだ。――そう、この少年がデュパイン最後の生き残りだったのだ。
少年を視界に捉えた大量の真っ赤な複眼がその全身を舐めまわすように見廻しカチカチと顎を鳴らす。そしてその音が止んだ途端に一斉に少年に向かって黒き絶望が襲い掛かった。
「や、嫌だ!!…いぎゃ――」
断末魔の叫びを上げる間も無く、デュパイン最後の生き残りである少年は蟲達により数秒で骨や一滴の血も残らず無残に喰い尽くされ他の住民達と同じく、その存在そのものをこの世から抹消されてしまったのであった。
通常の「魔蝗蟲」であればこの堅牢な箱を破壊する事は出来なかったであろう…だが、この蟲達は「暴食の王笏」で強化されただけでは無く、魔神王ベルゼブブの変化した姿なのだ。下手な魔神器ならば簡単に噛み砕く力を持ち通常の「魔蝗蟲」とは強さの次元が違っていた。
上位魔神どころか悪魔王であっても防ぐ事など出来ない。3度の魔大戦で他の勢力の魔神王相手にも通用したベルゼブブ最強の技能なのだ。
「なんでも喰らう」と言われるように空腹が満たされない限り「魔蝗蟲」の捕食が止まる事は無い。人や家畜どころか蟲や植物など生きとし生ける者全てを…それさえも無くなれば建造物や鉱石などの無機物でさえも喰らい尽くしていく――そして夥しい鮮血で染まった大地でさえもその痕跡すら残さず綺麗に削り取られていた。
そして十数分と掛からずに人口40万人が居住する第9地区最大の都市デュパインはこの刻をもって消滅した。そこにあった全ての者達と共に…
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本当に何も無い不毛の大地と化した荒野で悍ましい音を立てながら蠢き、未だ満たされる事無く腹を空かせた黒き絶望の大軍勢がデュパインであった荒野を中心に第9地区全土へ向けて四方八方へと拡散していった。悪魔や魔神達が住む街や小さな集落だけでは無く、怪物が生息する山々や森、蟲や草花が生い茂る草原まで全てを標的として飛び立って行ったのだ。
「疑わしきは全て殺せ」と言い切るベルゼブブの持論の通り秘密を知る可能性がある者を根絶やしにする為に粛正と言う名の大虐殺が始まったのだ。
ベルゼブブ自身が愚かにもアスモの謀略に嵌まり、疑心暗鬼に陥っただけで本当は秘密を知る者など最初から存在しない無意味で不毛な虐殺が…
そしてその虐殺により国土や国力が低下していくのを天敵が陰でほくそ笑んでいる事も知らずにベルゼブブは罪の無い者達に対して無情な蹂躙を続ける。
そして数十分後には第9地区全土もデュパインと同じく生物の反応すら無い荒野と化した。
「フン、60万以上の悪魔と魔神の肉と魂を喰らい「暴食」の補助効果を使用しても塵のような経験値しか得られぬか…やはり余のレベルは既に限界値に達しているようだな。――だからこそ、人間界にあるアレを我が手中に収めねばならんのだ。あの憎きアスモデウスをこの手で殺す為に!!」
ベルゼブブは己の限界に気落ちしながらも怨嗟の声を上げアスモデウスへの復讐心を燃やしていた。
己の限界を感じアスモデウスへの復讐を諦め始めていたベルゼブブの元に一筋の光明の如く齎されたとある情報――人間界にのみ存在するアスモデウスに対して絶大な効果を発揮するであろうあるモノを手に入れる為に大掛かりな術式を使って地獄門を開こうとしたのである。
「さて、新しい地獄門の構築と念話で下した指令についての話もせねばならんし一度城へ戻るとするか…――ああ、そう言えばあそこの愚か者の亡骸も回収しておかねばな。屑とは言え悪魔王、その肉体は余が有効活用させてもらうぞ。ククククク…」
そう呟きベルゼブブは足元に視線を向けて不毛の荒野に唯一残した大地に転がるアンドラスの骸を見つめてニヤリと嗤った。そしてその骸を掴み己の居城である王都フィリスティアに聳え立つ万魔殿ヤハウェ宮へと繋がる門を分身を利用して開き漆黒の闇の中へと消えて行った――




