第二十八章:アリシアとケイティの就寝会?
ケイティの謎過ぎる積極性は何なのでしょうか。
このままだと修羅場になりそうな予感が……
アリシアは一番高級な部屋のカギを、
開けてもらい中に入っていく。
部屋は十五メートル以上もあり、
火山が見える窓とテラスが設置されている。
「すごい!」
「私の部屋よりも大きいわ!」
「何あのベッドは!?」
(アリシアよ!)
(狙われておるぞ!)
アスタロテが再び乱入してきた。
なぜかバラの花びらが、
ポプリとして置いてあるキングサイズベッド……
他には個室トイレと三メートル以上の浴槽。
まさにこの世界で最高級の部屋である。
「お風呂にしますか?」
「今日はお疲れですから……」
「もう寝ますか?」
「それとも……わ……」
ケイティは邪魔されて……
最後まで言えなかった。
「火山綺麗だわ!」
「アスタロテいるかな?」
テラスに飛び出して、
聖剣を掲げて空中に技を放つ。
「寂しくなったか?」
「我が妻よ!」
アスタロテは火口から、
二十メートル以上の巨大な手を出して、
這い上がってきた。
もう全部知っているのに、
二人は白々しく話し始める。
アスタロテはもう真夜中なのに、
咆哮をあげてしまう。
振動が温泉街にまで伝わってきた。
「あなたに会いたくなったの!」
「大きくなってない?」
地熱エネルギーを、
吸収しているアスタロテは、
二百二十五メートルにまで、
巨大化していた。
明日には恐らくまだ大きくなるだろう。
「それは嬉しいのう!」
「五千歳で第二次成長期じゃ!」
「それ!遅すぎ!」
「おー!」
「隣にいるのは……」
「受付嬢ケイティではないか!」
アスタロテはなぜか嬉しそうに笑う。
「余の妻は魅力的であろう?」
「じゃがな……」
「もう恥ずかしいよ」
「街中の人に聞こえてるわ!」
アリシアは頬を押さえて悶絶していた。
「お主はアリシアの……」
「人間枠の妻になりたいのか?」
「は、はい……」
「そうです……」
な、なぜそれを!?
ケイティは内心激しく動揺する。
「なぜじゃ?」
「それは……」
ケイティは口ごもってしまう。
「明日の夜までに……」
「明確な答えを用意せよ」
「できなければ……」
「残りの人生を一人で、」
「生きることになるぞ」
そう言ってアスタロテは、
火山の中に戻っていく。
「だ、大丈夫?」
「ケイティ」
「妻がごめんなさい」
(さすがに……)
(やり過ぎたか……)
アスタロテは反省していた。
「はい……」
「私は惨めですね」
「即答できませんでした」
「あなたへの気持ちは、」
「所詮その程度だったのかもしれません」
「今晩はゆっくりと休んでください」
「……失礼します」
ケイティは涙ぐみながら、
部屋から立ち去ろうとするが……
「あ!ちょっと待ってよ」
アリシアは追いかけて、
手を握る。
「離して……」
「私は……」
「あなたにふさわしくない……」
「とりあえず話し合おう」
「ね?」
アリシアは落ち着かせたが……
「わかりました……」
アリシアはハンカチで、
涙を優しくふき取った。
「できれば……」
「お互いのことを、」
「もっと知りましょう」
「気分転換にお風呂に入る?」
「いえ……」
「今はちょっと……」
「そういう気分になれません」
「わかったわ」
「私先に入ってくるわね!」
アリシアは鼻歌交じりで、
お風呂を沸かし始める。
「ええ……」
「ごゆっくり」
「どうぞ……」
ケイティは疲れ果てて、
座り込んでしまう……
「こんな呪いなんか……」
「誰も受け入れてくれないよね……」
ギルドの制服を脱いだケイティの両肩には、
謎の黒い模様があった……
「はぁ……」
「アリシア様……」
「助けて……」
体がスライムのようになり始める。
いったい何がどうなっているのか。
謎は深まるばかりだ。
ケイティの呪いとはなんなのか。
アリシアはケイティを救えるのか?
次回明らかになります。
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