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断罪された無価値な令嬢は、僻地のお屋敷で静かに暮らしたい─世界があなたの敵になるなら、私たちがこの世界を滅ぼします─  作者: 魂の重戦車ライター


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第二十七章:壮大な夕食会

今回は久しぶりにほのぼの夕食会です!

問題は新ヒロインの受付嬢ケイティが、

どのように絡んでくるのか……

ギルドは大盛況であり、体調不良者を除く、

街の住人がほぼ全員参加している。


アリシアは一階の食堂で、

大量のご馳走を振る舞われていた……


「皆!」

「今日は私のためにありがとう!」

ステーキとパンを食べながら、

嬉しそうに話す。


「女神様当然です!」

「二日と言わずに……」

「永住してくださって、」

「問題ありません!」


ローラもアリシアに、

いてもらいたくて必死だ。


「さすがに迷惑をかけちゃうわ」

「それに……」

「私たちは帝国の首都を、」

「更地にしてきたから……」


普通ならドン引きされる発言だが……


「なんと!」

「素晴らしい……」

「帝国など自国のことばかりで……」


「こんな辺境の田舎街は……」

「滅ぼうが気にしません!」

ジョンが怒りながら、

アリシアを擁護する。


「まあ住んでる人たちは……」

「みんな王国の辺境に、」

「転移させたんだけどね」


「なんて慈悲深い方なんだ……」

「全員を逃がしてから……」

「首都を破壊したのですね」

ジョンはだいぶ誤解しているが……


「事故だったんだけどね」

「王国が魔力爆弾を送り込んで……」

「なんとか止めたんだけど……」


アリシアは憂鬱な表情で、

詳細を話しているが……


「自らの命を省みず……」

「多くの人を救ったのですね……」

「到底真似できません……」


ジョンは泣きながらジョッキを持って、

ビールを飲み始めた。


「アリシア様……」

「今日の業務は終了したので……」

「お隣よろしいですか?」

ケイティが隣の席にやってくる。


「ど、どうぞ」

アリシアは対応が、

よそよそしくなってしまう。


「ありがとうございます」

「美味しそうなステーキですね」


ケイティは金髪をなびかせながら、

間接的にアプローチする。

なぜか化粧までばっちりだ。


「ええ……」

「街の人達が……」

「心をこめて作ってくれたから……」


アリシアはしどろもどろに、

なりながら話す。


「夕食後……」

「お部屋にご案内しますね」

一瞬笑顔が崩れた気がしたが……

気のせいであろう。


「ありがとう……」

アリシアは妙だと思いつつ、

お礼を言うが……


「私のこと嫌いですか?」

ケイティは悲しそうな表情で見つめてきた。

女の武器を巧みに使っている……


「そ、そんなことありません」

アリシアはなぜか敬語になってしまう。

「婚約破棄してから、」

「まだ数日しか経ってなくて……」


「王太子とですよね?」


「どうして知ってるの!?」


「有名ですし……」

「その記録を調べました……」


「プライバシーないじゃない!」


「あなたの叔母様が密かに……」

「ギルドへ登録していたようです」


「もうあの諜報員は!」

「仕事が早いな!」


アリシアは恥ずかしさから、

ビールジョッキを掴んで、

がぶ飲みする。


「大丈夫ですか?」


「平気よ!」

「あなたも一緒に食べましょう!」


アリシアは近くの皿を持ち、

ステーキとポテトサラダを盛り付けて、

ケイティに渡す。


「はい!アリシア様」

ケイティは今までにないほど、

魅力的な笑顔を見せた。


「それで……」

「二日間は居てくださるんですよね?」


「もちろん」

「今ハイゼンさんが……」

「鎧を頑張って準備してるし……」


ハイゼンは宴会に参加せずに、

鎧づくりに夢中である。

鍛冶場でパイソンの角を、

打ち続けている。


「よかった」

「二日あればアリシア様を……」

「その気にさせてみせます」


「その……」

「私にはドラゴンの奥さんがいるし……」

「同性と付き合うのは問題ないの?」


「……問題ありません」

「アリシア様だけですが……」


「即答なんだ……」

(なんだ浮気か?)

「静かにして!」


「どうしました?」


「な、何でもないわ」

「周りがうるさくて……」


「そうですか」

「ドラゴン枠は譲りますが……」

「人間枠の妻は空いてますよね?」


「人間枠って何!?」

(人間枠ってどういうことじゃ!?)

二人でツッコミを入れてしまう。


「人間枠とドラゴン枠で……」

「別に分けて考えれば……」

ケイティはアリシアの手を握り始める。


「二股とか王太子と変わらないし……」

「不誠実よ……」


「王太子はゴミクズですが……」

「あなたは違います」


ケイティは食事を中断し、

アリシアの耳元で、

優しくささやいていく。


「変わらないよ……」

(積極的な金髪女じゃな)

「どうしたらいいのかな……」


二人は異常に積極的なケイティの前に、

動揺してしまう。

あと地味に会話が噛み合ってない。


「フフ」

「照れちゃって……」

「可愛いですね」


「あなたは誠実ですから……」

「それに勇敢で心優しい」

「全然違いますよ」


見かねたローラが乱入する。

「アリシア様」

「踊りませんか?」


「皆さん踊ってますし!」

ローラは気まずい空気を破壊してくれた。


「そうね」

「ダンスは下手くそだけど……」

アリシアは苦笑いしながら、

立ち上がる。


ケイティは複雑そうな顔で、

見つめているが……


「そういえば……」

「あなたの名前は?」

「ずっと聞いてなかったわ」

アリシアはローラに聞く。


「ああ……」

「そうでしたね」

「私はローラです」


ローラは忘れていたかのように、

名前を伝える。


「いい名前ね」

「よろしくローラ!」


「よろしくお願いします!」


「ローラのご家族は?」


「主人も息子も……」

「戦争で……」


「あ、ごめんなさい……」

「私何も考えずに……」


「いいんですよ」

「私くらいの年齢になれば……」

「失うものは多いですから……」


「まだ若いじゃない!」


「こう見えてもう四十六歳ですよ」


「トルマリン貰って良いの?」

「ええ」


「あの子は夫と共に、」

「戦い続けた馬なんです」

懐かしむように過去を思い出す。


「買い取ってから……」

「ずっと呆けていたので……」

「ちょうど良いと思います」


「戦場以外では、」

「生きていけないんですよ……」


「わかった……」

「大事にするわね!」


「ええ」

「そうしてくださると助かります」


「あ、ローラ浮気してるぞ!」

突然メスの獣人が乱入してきた……


「ローラはあたしの物だからな!」

ローラに抱きついて離れない獣人。


「もうキャロル!」

「ダメだって言ったでしょう……」

「怪我も治ってないんだし……」


ローラは呆れながらも、

優しくキャロルをなでる。


「だいぶ良くなったぞ」

キャロルは嬉しそうに、

ローラにくっついて離れない。


「なら良かったわ」

「この人は街を救ってくれたのよ」


「そうなのか?」

「ありがとな!」

「お前良い奴だな!」


キャロルはローラに、

くっついたまま笑顔で話す。


(バカップルじゃのう……)

(ここは撤退したほうがよいぞ)

アスタロテは心配になってしまう。


「私、お邪魔かしら?」

アリシアは立ち去ろうとするが……


「そんなことないわ」

「この子は街の外で倒れていたの……」

「手当てしたら懐かれてね」


「離れなくなったのよ」

キャロルは嬉しそうに耳を動かし、

尻尾をフリフリしている。


「ローラ優しいのね」


「困ったものよ」

「一日中ずっと離れないの」


「お互い人外と付き合ってると大変よね」

(帝国の首都を消し飛ばしたりな……)


「そうね」

「考え方も生き方も……」

「寿命も違うし」


「小難しい話はわからんぞ!」

「それにあたしは元々……」

「いや……なんでもない……」


キャロルはローラに顔を、

押し付けてぐりぐりする。


「そろそろ帰りたいの?」


「そ、そうだぞ!」

「帰ってこないから、」

「デカい蛇に食べられたと思ったんだ」


「心配性なんだから……」

ローラは少し嬉しそうだ。


「アリシア様……」

「申し訳ないですが……」

「先に私たちは帰ります」


「またな!」

キャロルはなぜか一瞬だけ、

不安そうな目をしていた。


「はーい」

「おやすみなさい!」


「さてと……」

「私も宿の部屋に……」

(アリシアよ)

(気を付けろ!)


「え!」

「何が!?」

アリシアが後ろを振り向くと……


「アリシア様……」

ケイティは部屋のカギを、

持って立っていた……

なぜか頬が赤く染まっている……


「じゃあ部屋に案内してくれる?」

もう覚悟を決めるしかなさそうね……

アリシアは内心決意する……


「はい」

「ご案内します」

こうして二人は二階に移動し、

一番高級な宿の部屋を開けて入っていった……


ケイティに狙われているアリシア。

次回再び急展開が起きます。

お楽しみに!

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