第二十六章:アリシア&アスタロテVS溶岩パイソン
今回は溶岩パイソンとの壮絶なバトル回です。
果たして二人は救えるのか……
ぜひ楽しんでください!
アスタロテはアリシア、軍馬を肩に乗せて魔力で固定し、
溶岩パイソンのいる大火山に向かう。
「勝てると思う?」
「溶岩パイソンは凶暴だからな……」
「負けはせぬが……」
「倒したらギルドに、」
「何か証拠を持って行かないと!」
「頭を丸ごと持って行くか?」
「それがいいわね!」
「皆喜ぶわ!」
「初めての夫婦での共同作業ね!」
「そうじゃな!」
一方街の住人たちは、
二百メートルの巨大ドラゴンの出現と、
肩に乗っているアリシア、
軍馬を見つけて動揺する。
「そんな……」
「溶岩パイソンですら……」
「どうにもならないのに……」
「他のドラゴンまで……」
信じられない光景をみて、
ローラはショックを受けた。
「もうダメだ……」
ジョンは絶望し、
頭を抱えて呟き始めたが……
切り替えてショップに戻る。
自分にできることがないか……
確認するが何も出来ず……
「お嬢さん……」
「この世の終わりなのか……」
ハイゼンは鍛冶道具を地面に、
無造作に落として膝をつく。
「私やっと自由になれるのかな……」
「わからないけど……」
受付嬢ケイティは泣き始める。
アリシアとアスタロテ、軍馬は、
火山に到着した。
すると火口から超巨大なマグマを、
まとった大蛇が現れた。
「あー!みて!」
「馬鹿でかい蛇がいる!」
アリシアは溶岩パイソンを、
発見しテンションが高くなっていく。
「あいつじゃな!」
「アリシアよ!」
「まずは聖剣で攻撃してくれ!」
「わかったわ!」
アリシアは聖剣に祈り、
力を解放した。
閃光がほとばしり、
光の刃が溶岩パイソンにぶつかるが……
どうやら少しだけ表皮に、
傷がついたようだ……
こちらに気づいて、
向かってくる溶岩パイソンだが……
いかんせん相手が悪すぎた。
「醜悪な蛇だな!」
「余が引導を渡してやろう!」
青黒い粒子ビームを溜めて、
ぶっ放すアスタロテ。
溶岩パイソンは、
木っ端微塵になる……
一方的な大勝利だ……
「すごい!」
「話にもならん奴だ!」
「でも頭がないわ!」
「あ……」
アスタロテは蒸発した溶岩パイソンを、
見てやらかしたと思った。
「どうする?」
「辛うじて……」
「頭の先の角だけ残ったか……」
「アリシアよ!」
「これを持って行けば良いか?」
アスタロテは赤く光り輝く角を素手で掴む。
「問題ないと思う!」
「皆みたらビックリするわね!」
「依頼達成だわ!」
アリシアも共同作業が無事に終わり、
嬉しくなっている。
「そうじゃな!」
二人は大喜びする。
ちなみに軍馬は、
相変わらず無反応だ。
アスタロテは勝利の咆哮をあげた。
二人はパイソンの角を持って、
温泉街に帰ることになるが……
「皆!!!」
「ただいま!!!」
「溶岩パイソンは倒してきたわ!」
アリシアと軍馬はアスタロテに、
ゆっくりとおろしてもらう。
そしてアスタロテは、
町外れに巨大な角を置く。
軍馬にまたがったアリシアが帰還してきた。
「女神様……」
ローラはアリシアが逞しい聖女に見えた。
「女神様……」
ドワーフのハイゼンは無神論者であったが、
初めて真剣に祈り始めた。
「何でも無料で売るよ……」
「あなたならきっと……」
「奴らに……」
アイテムショップの店主ジョンは、
あり得ないことを口走っている。
その顔は悪巧みを考えていた。
「あの人ならきっと……」
「私を……」
「救ってくれるはず……」
受付嬢ケイティはとろけた顔つきで、
完全に惚れている。
「皆どうしたの?」
「大丈夫?」
アリシアは住人達に話しかけ始めるが……
無言のまま囲まれてしまう。
「え!」
「なになに!?」
「まさか倒しちゃいけなかったの?」
「ああ……」
「女神様……」
ローラは膝をつき、
アリシアの手を恐る恐る握り始める。
「あなたは女神様だ……」
無神論者のハイゼンは、
ついに祈りながら、
涙を流し始める。
「何でも無料で……」
「どんなアイテムでも譲るよ!」
ジョンは商売を放棄して、
店のアイテムを全部運び出す。
「あの……」
「お名前を……」
金髪のショートヘアの、
受付嬢ケイティが、
名前を尋ねる……
「アリシアです!」
「アリシア様……」
「愛してます……」
「結婚してくださりませんか?」
ケイティから突然のプロポーズだ……
「どういうこと!?」
動揺するアリシアを無視して、
住人の全員が大声でたたえる。
「「「アリシア様!!!」」」
全員でアリシアを担ぎ始めた。
「なんでこんなことに!」
「アスタロテ助けて!」
「問題なかろう」
「傷つけようとする素振りも……」
「気持ちも一切無い」
「自然エネルギーを吸収するために……」
「溶岩浴でもしてくるぞ!」
「何かあったら……」
「知らせてくれ」
「その可哀想な受付嬢を、」
「慰めてあげるんじゃ!」
アスタロテは飛び去ってしまう。
「待ってよ!!!」
アリシアは悲鳴をあげるが……
「今日は祝祭にしましょう!」
「いいな!」
「パーティーの準備をしないと!」
住人は勝手に暴走して話を広げていく。
「アリシア様……」
「私の名前は……」
「ケイティです」
ケイティはモジモジしながら、
可愛らしく告げるが……
今はそれどころではなかった。
「女神様はコチラに座って、」
「休んでください!」
「よろしければ軍馬も差し上げます!」
ローラがギルド内の特等席に案内しながら、
話し続ける。
「でもあなたの大切な馬でしょ?」
「引き取ってから、」
「この子は力を、」
「持て余していたので……」
「あなたと一緒に、」
「冒険をしたいはずです!」
ローラは命の恩人に馬を譲ることに……
「うーん……」
「考えてみるわ」
「名前は?」
「トルマリンです!」
「す、すごい名前……」
アリシアが席に座りながら、
休んでいるとドワーフのハイゼンが、
近づいてきた。
「女神様」
「どうか溶岩パイソンの角から……」
「あなた様に合う鎧を作らせてください」
「二日で仕上げます」
ハイゼンは頭を垂れながら、
話し続けた。
「本当!?」
「耐熱性が高いやつ?」
目の色が変わるアリシア。
「はい!」
「百五十年以上の知識とノウハウを……」
「全て導入して作り上げてみせます!」
「ありがとう!」
「お願いします!」
「ああ……」
「女神様……」
「ありがたき幸せ……」
「泣かないで」
「ドワーフさん」
「ハイゼンと申します……」
「ハイゼンさんありがとう!」
「うぅ……」
「これが女神の恩恵……」
ハイゼンを突き飛ばす勢いで、
ジョンが横入りしてきた。
「どけ!」
「今度は私だ!」
「女神様……」
「この魔法の水筒を……」
「献上いたします」
ジョンは膝をつきながら、
最高級の水筒を差し出した。
「一日一リットルだけですが……」
「水を生成できます……」
「そんなアイテムは頂けないわ……」
「差し上げます!」
「あなたは命を救ってくださった」
「店の物を好きなだけ、」
「持って行ってください」
「ありがとう」
「必要な物だけ頂くわね」
「なんて慈悲深いんだ……」
「女神様は……」
「じゃあ今日はギルドで、」
「宴会しましょう!」
「「「オーー!!!」」」
「「「女神アリシア様のために!」」」
こうしてアリシアは、
女神として崇められて、
夕食会に招待された。
問題は受付嬢のケイティだけである。
意味深な発言とアリシアを見つめる顔……
修羅場になってしまうのか……
一方的な蹂躙劇でしたが……
温泉街は救われたので良しとしましょう。
次回はほのぼの夕食会です!
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