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断罪された無価値な令嬢は、僻地のお屋敷で静かに暮らしたい─世界があなたの敵になるなら、私たちがこの世界を滅ぼします─  作者: 魂の重戦車ライター


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第四十二章:エラの国での一時とアリシア復活

アリシア復活となるのか……

ぜひ見届けてください。

ガランドとユリコは孤児院に残り、

詳しい話をしていた。


「ガランドさん」

「あなたは……」

「まだ死に場所を探しているんですか?」

ユリコはケイティがいなくなり、

容赦なく問い詰める。


「そうじゃ……」

「強者と戦って……」

「死にたいと思ってた」


「わしはもう……」

「長くはない……」


「寿命で死ぬよりは……」

「潔く戦って……」

続きを言いかけた瞬間、

ユリコに割り込まれた。


「いい加減にしてください!」

「自分の孫娘を巻き込んで!」


「死にたいなら……」

「どうぞ、無人島にでも行って!」

「この死に急ぎ老人!」


「何か言い返さないんですか?」

ユリコは普段の冷静さと、

優しさを忘れてしまう。


「言えるわけなかろう……」

「強者を見つける旅を……」

「続けていたが……」

「疲れ果ててな」


「シアンと大切にしている娘の……」

「顔を見ようと立ち寄ったのが……」

「いけなかった……」


「あの娘には……」

「光るものがあった」

「もしかしたらわしを倒して……」


「だが……」

「実際にはあの娘に、」

「助けられてしまった……」

「こんな老いぼれなど……」


「放っておけば良いものを……」

涙腺が緩みかけたが……

歯を食いしばり誤魔化した。


「大切だから……」

「助けてくれたんですよ!」

「そうやって命を粗末にするな!」


ユリコは怒り狂う。

薬師として救えない命も、

多かったのだろう。


「私は絶対に諦めませんよ」

「あなたはあの娘の側にいてください!」

「その命が尽きるまで……」



「もちろんじゃ……」

「覚悟はできておる」



「私は……」

「薬を調合してきます」

「あなたは……」


「アリシアの側におる……」


「はい……」

「反省してくださいね」

ユリコは調合室に入っていく。


「我ながら言い過ぎたわ……」

「どうにも……」

「熱くなり過ぎちゃう……」


さっそく薬の調合を開始するが……

怪しいフードの女が孤児院に近づいている。

この女は本当に何者なのか?


「やっと着いた」

「ユリコに会いに行こう」

フードの女はドアすら開けず、

壁をすり抜けていく。


「ユリコ~?」

フードの女は薬を、

調合していたユリコに対して、

後ろから抱きつく。


「わっ!」

「もう壁すり抜けはやめてちょうだい!」

「ノエル聞いてるの?」


「聞いてます~」

「困ってると思ったから……」

フードの女はノエルと言うらしい。

本名ではなさそうだ……


「ありがとう……」

「でも症例がなくて……」

「手の施しようがないの」


状況を説明するが……

既にお見通しであった。


「わかってる」

「だから助けに来た」


「今回もすぐに帰るの?」


「なに~?」

「あたしがいないと寂しい?」


「そんなことないわ……」


「ふ~ん」

「つまんないの」

「可愛くおねだりしたら……」

「助けてあげるのに!」


「ふざけないで!」

「人の命がかかってるのよ?」

「こっちは真面目に作業してるの!」


ガランドと話したあとで、

少しぴりついていた。


「ご、ごめん」

「そんな怒ることないじゃん」

「手伝うからさ」


「そう……」

「どうせ何でも、」

「お見通しなんでしょ?」


「何でもじゃないよ」

「今日あたりきつくない?」


「はぁ……」

「いつも会うたびに……」

「こんな会話ばかりで……」

「嫌になるわ」


「うん……」

二人は気まずい雰囲気になってしまう。


「それで……」

「やる気のない全能の神様」

「何か良い方法が?」


「残念だけど……」


「まさか……」


「彼女を起こすことはできるよ」

「でも人間には戻せない」

「肉体が既に竜人になり始めてる」


「秘薬とか……」

「世界一腕の良い医者がみてもダメなの?」

「回復術師に……」

「錬金術師や魔術師は?」


ユリコはこの世界で可能な限り最善と思われる案を、

提示していくが……


「無理」

「下手に人間に戻したら……」

「あの子は死ぬ」


「肉体は怪物になっても……」

「精神がまともなら問題ないよね?」

ノエルはどうでも良さそうに言い放つ。


「そんな……」

「酷すぎるわ」


「いや、まともじゃないから……」

「逆に適合できたのかも?」

「むしろ今後のことを考えると……」

「加速させるのが一番」

ろくでもない考えをしている。


「え?」


「人間に戻せないし」

「この世界の技術では……」

「進行を遅延させることもできない」


「じゃあ竜人にすればいいの」

「選択肢はいくつかあるよ」

「聞きたい?」


絶対にまともな選択肢がないのは明白だ。


「ええ……」

「お願い……」


「一つ目はこのまま放置」

「目が覚めない可能性もある」

「契約したドラゴンに吸収させれば……」


「肉体は消滅するけど、」

「精神は残り続けるわ」


「二つ目、薬で変異を加速させる」

「でもあっという間に竜人化」

「暴走状態で止められないかも」


「最後はあたしが……」

「少し手を加えてユリコの薬で調整する」

「徐々にコントロールできる方向性で行くの」

「あとは彼女の頑張り次第だね!」


満面の笑みを浮かべて、

言う話ではない。


「まともな選択肢がない……」

「これで全部なの?」

どれを選んでも絶望的すぎる。


「そうよ」

「楽にしてあげるのは……」

「嫌だもんね」


「当たり前でしょ!」


「だからちゃんと……」

「提案してるじゃん!」

さすがにノエルも苛立ってしまう。


「ごめんなさい……」


「大丈夫だよ」

「どうするかは……」

「家族に聞けば?」


「それとも……」

「勝手にやる?」

本当にいい加減な女だ。


「とりあえず薬を作るの手伝って」

ユリコは少しだけ落ち着きを取り戻す。


「もちろん」

「さてと……」

「たまには本気を出しますか……」


ノエルは薬を、

あっという間に錬成する。


「相変わらず早いわね」

「うらやましい」


「まあね……」

「ユリコの薬と混ぜておいて」

「あたしは邪魔者だから消えてるね」


「もう帰っちゃうの?」

ユリコは少し寂しそうに言う。


「いや透明になるだけ!」

「側にいるわよ!」


「わかったわ」

「しばらくいてくれると……」

「嬉しい」


「じゃあ早く渡してきて!」


「中身は……」

「熱さましじゃないわよね?」


「それならユリコが、」

「作ったほうがいいよ!」


「私の薬と混ぜる必要ある?」


「ユリコとの共同作業が好きなの!」

「信じてちょうだいよ」


「大丈夫よ」

「あなたはいつも助けてくれるから……」

「私の薬と混ぜておくわ」

ユリコは自分の薬と混ぜ合わせる。


「それじゃあね……」

一瞬でノエルは透明になって、

気配遮断まで行う。


「本当に飲ませて……」

「平気かしら……」

「方法は他にないし……」

調合部屋を出て療養所に戻る。


ガランドはウォーターベッドの上で、

寝ているアリシアを切なそうに見つめていた。


「ガランドさん」

「様子はどうですか?」


「ダメじゃ……」

「目を覚まさない……」

「わしはなんてことを……」


「薬が完成しました」

「アリシアさんを起こすくらいは……」

「できると思います」


「本当か?」


「ええ」

「飲ませて平気ですか?」

絶対ダメに決まっている。


「ああ」

「頼む……」


「では失礼します……」

ユリコはアリシアに薬を飲ませていく。


「これで……」

「一晩たてば……」

「恐らくは……」

その瞬間、アリシアがうめき始めた。


「うっ……」

白目のままで、

ベッドから触手を使って起き上がる。


「……アリシア」

「起きたのか?」

ガランドは困惑し表情が、

険しくなっていた。


「早すぎます……」

「これは……」

ユリコは後悔する……


「ギィヤァァァァ!!!」

アリシアは痙攣しながら、

触手を振り回し続ける。


「危険じゃ」

「下がっておれ」

素早く妖刀を抜刀し、

触手を弾いていく。


「はい……」

ノエルいったい何をいれたの!?

ユリコが心の中で愚痴っていると……


(彼女の触手と竜人要素を結合したの)

(目が覚めるわよ)

(面白くなりそう)

なんとノエルが話しかけてきた。


あなたね……

心の中まで入ってきて……

会話は不気味なのよ


アリシアさんは死なないわよね?


(当たり前よ)

ノエルは平然と言い放つ。

やはりろくなことにならない。


「アリシア落ち着くのじゃ!」

ガランドは語りかけるが……


「アルルル!!!」

目覚めたアリシアはジャンプして、

天井をぶち壊し、

外に出て行ってしまう。


「私は……」

「な、なんてことを……」


(あとは彼女次第ね)

(コントロールできるはずよ)

(今までだってそうだったし)


ノエル!

ふざけないで……

(はいはい)


ユリコは膝から崩れ落ちるほど、

ショックを受けている。



「ユリコよ」

「何を飲ませた!?」

ガランドはさすがに、

問い詰めてしまった。


「能力を……」

「コントロールできるように……」

「薬を調合して……」

ユリコは説明しようとするが……


「怪物になっておるぞ!」


「もう彼女は人間には……」

「戻れません!!!」

真実をぶちまけてしまう。


「なんじゃと!?」


「無理やり戻したら……」

「彼女は……」

「死にます……」


「仕方が無かったのです……」

「あのまま放置するか……」

「眠ったままか……」


「あの雰囲気は暴れだすぞ……」

「どこに行ったのやら……」

ガランドはケイティに、

魔力通信を行うが……


「ケイティも出ないか……」

「街が危険じゃ……」

「止めねば……」


「一刻も早く住民達を避難させろ」


「はい……」

「警備に連絡をします」


ユリコは警備に連絡を始めたが……

時既に遅し……


アリシアは城めがけて、

猛スピードで触手スイングしながら、

移動していた。

いったいなぜ城に?


エラの国はアリシアの暴走で、

滅んでしまうのか……


案の定、ノエルの作った薬はろくなことになりませんでしたね。

行くところ全てに破壊をもたらすアリシア達。

もはやどうなってしまうのか……


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