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断罪された無価値な令嬢は、僻地のお屋敷で静かに暮らしたい─世界があなたの敵になるなら、私たちがこの世界を滅ぼします─  作者: 魂の重戦車ライター


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第三十六章:アリシアの帰還

断罪された無価値な令嬢の第二部開幕です。

ほのぼの修行するはずが、とんでもない事態になっていきます。

相変わらずネジが飛びまくった作品ですが、ぜひお付き合いください。

アスタロテに乗ったアリシアが久しぶりに、

我が家に帰ってきた。

もう夕暮れ時になっている。


アスタロテは裏山にゆっくりと着地して、

アリシアとケイティをおろす。


「ありがとう!」

「アスタロテ!」


「構わぬ!」


「余が本気で着地したら……」

「屋敷が消し飛んでしまうからな……」

「裏山で待ってるぞ!」


「たしかに……」

ケイティはツッコミを入れるが……

どう考えても当たり前である。


二百メートル以上の巨大ドラゴンの着地は、

屋敷どころかクレーターが出来てしまう。


「とりあえず修行ね!」

「なるべく早く助けたいから……」

焦るアリシアであったが……


「わかった」

「まずは修行頑張ろう?」

ケイティは冷静に対処してアリシアが、

暴走しないように考えを巡らせる。


「屋敷までもう少しね」

二人は裏山をおりて、

屋敷への道を歩いて行く。


「うん、私は初めて来たけど……」

さりげなく二人は手をつなぎ合う。


「そうだったわ!」

「すっかり忘れてた!」

「ケイティは初めてだったわね」


「そうだよ……」

「あの温泉街から離れたのも……」

「久しぶりだし」


「まずは夕食」

「そのあと修行!」

アリシアは空に拳を掲げて、

宣言するが……


「それ、逆の方が良いんじゃないの?」

ケイティは再びツッコミを入れる。


「た、たしかに……」

「お腹一杯だと動けないかも……」


「そういえば……」

「屋敷に庭とかあるの?」


「あるわよ!」

「広くて困らないほどのね!」


「じゃあ着いたら……」

「修行しようか」


「ありがとう!」

「ケイティ!」


「ちょ……」

「抱きつかれると歩きづらい……」


「ご、ごめんなさい……」


「いや、別に怒ってないよ」

「ただこういうのは……」

「落ち着ける場所で……」


「ゆっくりしたいなって……」

「思ったの」

ケイティは興奮してスライムに、

ならないか心配であった。


「あ、もしかして……」

「エッチな気分になると……」

「スライムになっちゃうの?」


「……」

無言で屋敷めがけて、

走り出すケイティ。


「ま、待ってよ!」

「ケイティ拗ねないで!」

アリシアは慌てて追いかけていく。


「二人は本当に初々しいの……」

アスタロテは裏山から、

呆れつつも見守っていた。


ようやく屋敷に到達した二人。


「すごい……」

「大きな屋敷だね……」


ケイティはアリシアのことを、

落ちぶれた貴族だと、

思っていたが間違っていた。


「ありがとう!」

「パパとママ、おじいちゃんが建てたの!」

裏庭にはガランドの工房が併設されていた。

案の定、裏庭には武器が散乱している。


「おじいちゃん!」

「ただいま!」

アリシアは工房に入っていく。


中はどこから持ってきたのか、

わからないほどの工具が置いてある。


武器も大量に置いてあり、

ガランドは戦争でも始める気なのか……


「おうよ!」

「アリシア!」

「帰ってきたか!」

調整器具を床に置き、

アリシアを抱きしめにいく。


「工房初めて入ったけど……」

「すごいね!」

「あと聖剣ありがとう!」

「使いやすいし、強いわ!」


「そうじゃったか!」

「頑張って鍛え直した甲斐が……」

「あったとういうものよな!」

大声で話し出すガランド。


その後ろで恥ずかしそうに、

立っていたケイティを見る。

「誰じゃ?」

「お主は……」

「アリシアの彼女か?」


「は、はい……」

「初めまして」

「ケイティと申します」

「おじい様……」


「カカカッ!」

「やはり……」

「アリシアの恋人じゃったか!」


「そうなの!」

「最近付き合い始めた人間枠の妻よ」

「結婚式もする予定です!」


「は、早くない?」

「あとその説明は……」

「色々と誤解を生むような……」


「うむ、これからも頼むぞ!」

「ケイティよ!」


「いいんだ……」

ケイティはベアトリスと同じくらい常識人なので、

この家の雰囲気にまだ追いついていない。


「おじいちゃん!」

「ベアが誘拐されたって本当?」


「そうじゃ」

「バカなネズミどもが……」

「妻をさらったぞ!」

「などと言い始めてな」


「王城の地下牢に監禁されておる」


「酷すぎる!」

「今すぐ助けに行きたいけど……」

「私は弱いから……」


「二日くらい修行するわ!」

アリシアは謙虚に言う。

だが全然弱くないと思うが……


「わしも付き合ってやろう!」

「こんな老体に何ができるかは……」

「わからないがな……」

ガランドは珍しく落ち込んでいた。


「ありがとう……」

「でも大丈夫!」

「おじいちゃん強すぎて……」

「私なんか瞬殺されるわ!」


「そんなことなかろう」

「シアンから聞いておるぞ」

「異形の力を手に入れて……」

「コントロールしておるとな……」


「ま、まあね……」

「あとで見せるわ」


「いや……」

「今すぐ試合をしよう」

「もし勝てねば……」

「救出任務には参加させん」


「そんな!?」

「おじいちゃんに、」

「勝てるわけない!」

アリシアは、

ガランドから離れて抗議するが……


「よいか」

「アリシア」

「戦場では……」


「迷いを捨てることじゃ」

「必ず辛い決断を迫られる」

「何度もな」


「一瞬の気の緩みが死を招く……」

「覚えておくのだぞ」

「愛する人を守るためにも……」


ガランドは助けられなかった後悔から、

この話をしていた。


「わかったわ……」

「約束する」


「それでこそ……」

「我が孫じゃ!」

「良かろう!」

「庭で待っておるぞ」


ガランドは改造した大弓と妖刀を持ち、

庭に向かっていく。


「アリシア……」

「大丈夫?」


「平気だと思う?」

「無理よ」

アリシアは衝動的に、

ケイティに抱きついてしまう。


「おじいちゃん強いのに……」

「絶対負けるわ!」

アリシアは工房で叫び散らす。


(らしくないのう)

(余の妻とあろう者が……)

アスタロテも心配して、

話しかけてきた。


「ごめんなさい」

「アスタロテ」

「心配かけた?」


(少しのう……)

(まあここからサポートするぞ!)


「頼りになるわね……」


(大丈夫じゃ)

(鎧もあるし……)

(聖剣も使える)

(何より触手もな!)


「勇気づけられたわ」

「なんとか戦えそう!」

アリシアはいつもの調子を取り戻した。


「良かった……」

「アリシア……」

ケイティは優しく背中を、

なで続けている。


(あのじじいは本気で……)

(殺しにくることはないじゃろ……)

「そうよね!」

「気合い入れていきましょう!」


「私も見守ってるわ」

ケイティはアリシアの頬に、

キスして誓う。


「もう……」

「こんな時に……」

アリシアも満更でもなさそうだ。


(全く暑苦しい二人じゃ)

「別にいいでしょ!」

アスタロテの雄叫びが再び聞こえた。

鳥や動物たちが慌てて、裏山から逃げ始める。


「庭に行くわ」

「頑張って一発くらいは……」

「攻撃を当てたいわね」

アリシアは覚悟を決めて、

工房を出て行き、

庭へ向かう。


「待っておったぞ」

「わしの本気を……」

「見せてやろう……」

ガランドはいつもと表情が変わっていた。


「おじいちゃん相手に……」

「どこまで通用するか……」

「わからないけど……」


「諦めないわ!」

シアンは聖剣を抜刀して構える。


「さあ……」

「切ってやろう」

「フゥーーーン!!!」

ガランドは力を込め妖刀を構えて、

左右に振り回した瞬間、

凄まじい火の手が上がった。


「え?」

(これはダメじゃな……)

アリシアとアスタロテは、

二人同時に動揺してしまう。


庭全体に火柱が噴き上がる。

もはや次元が違う。


「行くぞ……」

ガランドは一瞬で距離を縮めて、

妖刀をアリシアめがけて本気で振るった。

無数の飛ぶ刃が閃光のように放たれて、

アリシアに直撃する。


「ぐっ……」

もはや太刀筋すら読めず、

防戦一方となり、大苦戦するアリシア。

目の前には本気で殺しに、

きているガランドがいた……


彼女の人生はここで終わってしまうのか……

それとも勝利をつかめるのか?

まだ誰にもわからない。


なぜか孫と祖父の殺し合いが始まり、困惑が隠せません。

シアンはおらず、いったい何をやっているのか……

続きを楽しみにお待ちください!

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