第三十四章:ベアトリス拉致される
ベアトリスはどうなってしまうのか。
ついに王国の奴らが動き出します。
ベアトリスは馬車で王国の墓地に向かっていた。
エミリーの墓参りに……
「エミリー……」
「私……」
「もう五十歳になりそう……」
「十分生きたでしょ?」
「復讐にとらわれるのは……」
「やめにするわ」
「実は母親になるのよ」
「ビックリよね」
「しかもドラゴンなの」
「アンガス湖で、」
「あなたと一度だけみた……」
「人生何があるか……」
「よくわからないわ」
「まあ結局……」
「独り身なのは、」
「変わらないけど……」
「姪っ子のおかげで……」
「変われたわ」
「また来るわね」
墓地を出て馬車に乗っている最中に……
人の気配を感じて振り返る。
「あなた達は?」
複数人の魔女狩りたちが、
立ち塞がっていた。
「ようやく帝国から……」
「侵入したスパイを見つけたぞ!」
「魔力爆弾はダメだったが……」
「お前を人質にして……」
「色々と聞き出してやる!」
「帝国の企みと!」
「あの屋敷に、」
「住んでいる奴らに関してな!」
「安心しろ」
「屋敷にも既に、」
「複数人向かわせている」
「それだけで足りるの?」
「皆殺しにされるわよ?」
「なんだと!?」
「我々を侮るのか!」
「余裕なのも今のうちだぞ」
そう言うと魔女狩りたちは、
特殊な鉱石を取り出した。
青色に輝く閃光を放っている。
「うっ……」
ベアトリスは突然めまいがして、
フラフラになってしまう。
「どうした?」
「さっきまでの威勢が、」
「なくなったぞ」
魔女狩りたちは笑いながら、
鉱石を近づけていく。
青色の鉱石は対象の魔力を、
無効化し体調不良を誘発する。
「ゲホッ……」
「ゴホッ……」
ベアトリスは激しく咳き込んで、
倒れてしまった。
「呆気なかったな」
「つまらん」
「シアンと言う怪物と、」
「一度戦ってみたいな」
「まあいい撤収だ」
「王城に戻るぞ」
「魔女は牢屋に、」
「ぶち込んでおけ!」
馬車を放置して、
魔女狩り達は、
ベアトリスを抱えて、
撤収していった。
一方屋敷でお留守番しているガランドは……
アーチャーからパクった弓を、
大弓に改造していた。
時折、卵の様子を見守っている。
「誰も帰ってこないのう……」
「何やら……」
「外が騒がしいの……」
「ここにおれ」
卵に優しく声をかけると……
ガランドは門に向かって歩いて行く。
「礼状だ!」
「アリシアとシアン」
「その他の者がいれば……」
「全員屋敷から出てこい!」
「お前達を国家反逆罪で、」
「逮捕してやる!!!」
魔女狩り達が騒ぎ立てる。
「朝から騒がしいぞ」
「何事じゃ?」
「おい!」
「ジジイ」
「お前も逮捕だ!」
「他の者はどうした?」
「わしだけ留守番しておる」
「罪状はなんじゃ?」
「武器の不法所持」
「ドラゴンの卵の強奪」
「魔力爆弾の破壊だ!」
「めちゃくちゃな奴らめ……」
ガランドはため息をついて、
呆れかえる。
「王国に逆らうのがいけないんだ!」
「まずはジジイお前からだ!」
「屋敷に火も放ってやるからな!」
「あとお前の妻のベアトリスは確保した」
「ずいぶんと年の差はあるが……」
「今は王城の牢屋にいるぞ」
「生きて返して欲しければ……」
突然魔女狩りのリーダーは、
背負い投げされて、
呻いてしまう。
「やってみろ……」
妖刀を抜刀し、
目にも留まらぬ早さで、
魔女狩り達の武器を、
破壊し始めた。
「な、なんだこいつは!?」
「化け物だ!」
「逃げろ!」
「撤退だ!」
魔女狩り達は、
一目散に逃げていく。
「呆気ないのう……」
「手応えもない……」
「シアンに報告した方が良いな……」
魔力通信機を久しぶりに使って、
報告する。
「おう!」
「シアンか」
「まずいことに、」
「なっておるぞ!」
「どうしましたか?」
「実は王国の魔女狩り達が……」
「屋敷に押しかけてきてな」
「全員追い返したが……」
「ベアトリスが、」
「拉致されたようじゃ」
「え?」
「昨日馬車で、」
「温泉街を出て行かれました」
「恐らくその道中で……」
「拉致されたのだろう」
「アリシアたちを連れて……」
「一度屋敷に戻ってこい」
「わかりました」
「ベアトリスよ」
「無事なのか……」
ガランドは眉間にしわが寄ってしまう。
果たしてベアトリスを無事救出できるのか……
ベアトリスが拉致されました……
次回の三十五章が第一部の一区切りです。
三十五章はいつもより少しボリュームがあると思います。
三十六章からは第二部に突入しますよ!




