第3話 委員会決め
高校生活2日目。サッカー部の体験入部として、朝練を終えた俺はグラウンドから教室へ向かっていた。初日に比べ、学校内は活気にあふれている。
教室の入り口付近に来た時、教室から出ていく薫と鉢合わせた。
「わっ!か、薫…お、おはよう!」
急な出来事に驚いたが、なるべくフレンドリーに接しようと明るい声であいさつをする。
「……」
(ぺこり)
薫は俺に会釈をするだけでそのままトイレの方へ向かっていった。
(どうにも距離があるよなぁ…。なんか話せればうれしいんだけど……)
俺は教室の席に座り、意味もなく何も書かれていない黒板を見ながら考えていると、肩をドンッとたたかれる。
「よっ!蒼太!お前が振られるなんて珍しいなぁ!ははは!」
「んだよ旭。言ってる意味わかんねぇよ。」
なんだか変な笑顔でこちらを見てくる旭に苛立ちを覚える。
「いや、お前が女の子に挨拶シカトされてるのおもれーんだもん。」
「第一、振る振られる以前に、そういうのねぇから。」
「はぁぁ……これだから無自覚のモテ男は……」
旭は俺の発言を聞くと、やれやれ。といった表情でため息交じりに言ってきた。
「はぁ?どういう意味だ?」
俺が意味を聞こうとしたら、担任が教室に入り、クラスに声をかける。
「よーし、お前ら席につけー。HRはじめるぞー。」
教室はがやがやとしながら、机やいすの音が広がる。
「今日の一時間目はな、ロングホームルーム(LHR)だ。うちの学校は委員会たくさんあるから、全員何かしらの委員会に入ってもらう。今から委員会一覧のプリント配るから1限までに決めとけよー。」
プリントを受け取り、一覧に目を通す。
(んーなるべく部活に支障が出ない感じのがいいよなぁ…オフと活動日が被ってればいいんだけど……。)
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キーンコーンカーンコーン。
1限の始まりを知らせるチャイム。全員が席に着き、担任の話が始まる。
「よし、それじゃあ早速委員会決めからだな。それぞれ男女一人ずつだ。それじゃあ……まず学級委員!やりたい奴!」
男女ちょうど一人ずつの手が上がった。いかにも、まじめって感じの二人だ。彼らが学級委員であることに誰も文句はないだろう。
そのあとも着々と委員会は決まっていった。楽だとうわさのある人気の委員会はじゃんけんなどで決まっていった。
「じゃあ…次は体育祭実行委員!」
俺が考えていた候補の一つ。オフが活動日と一緒だ。しかし、結構大変そうで手を挙げるのを渋る。すると、聴きなじみしかない元気な男の声がする。
「はい!はい!俺それやりてぇっす!!!」
やっぱり旭だ。あいつはみんなからの信頼もあるし、何より似合う。みんな満場一致で旭に決定した。
「じゃあ女子でやりたい奴いるか?」
担任が声をかけると、一人の女子が手を挙げる。
「私、やります!」
そう手を挙げたのは、一ノ瀬 玲奈。茶髪のロングヘアーで、漫画に出てきそうなザ・マネージャーって感じの見た目。実際サッカー部のマネージャーで、俺と旭と同じ中学でサッカー部だった。クラスの中心にいるような人物で、これも体育祭実行委員に似合う。
「じゃあ…体育祭実行委員は渡会と一ノ瀬で決まりだな。次は図書委員会!」
これも候補だ。オフと活動日が一緒。でも本なんか俺分からないしな…
スッ…
悩んでいると、静かに手を挙げる女子がいた。
「お、女子は小鳥遊か。男子は……」
バッ!!!!!!!!
俺は反射的に勢いよく手を挙げてしまった。
「どうした瀬戸口。そんなにやる気あるのか?」
あまりにも勢いが良かったから担任も少し笑っている。クラスの奴もざわざわ。
「蒼太図書委員に気合入りすぎじゃない?」
「そんなにやりたいのかよ(笑)」
そんな感じでいじられるが、俺は何とかごまかす。
「いやぁ…部活のオフと活動日が被ってるからちょうどいいかなって!ほら…取られたくないし!」
「図書委員会は小鳥遊と瀬戸口で決まりだな。」
(あぶねぇ……なんか勢いで挙げてしまった……薫と話せるかもって思ってしまった……)
その後も委員会決めは続き、クラス全員が何かしらの委員会に所属が決まり、1限が終わる。
「よし、じゃあ今日の6限!早速LHRで委員会の顔合わせがあるから、みんな所定の教室に集まること。じゃあこれで1限おわり!日直!号令!」
ーー起立!気を付け!ありがとうございました~!ーー
(…………。なんで…。)




