表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/20

転校生と思い出

ミーンミンミンミンミーン

「……………」

そわそわ…きょろきょろ…

「……………」

ま、まだかなぁ…謙人。

「おはよう、桜」

「あ///おはよう謙人」

「それじゃあ行こうか」

「う、うん…///」

夏休みが終わり、2学期に入った

私と謙人はあの映画大賞以来、距離が近くなった気がする

最近は謙人って呼び慣れたし…そして…

チラッ…

「ん?どうした?」

「あ///な、なんでもない…」

最近は私によく笑ってくれるようになった。

なんだか…とても幸せだなぁ


「お~い。東崎、倉見~」

「お。おがさん、明石」

後ろから小笠原君と明石君がやってきた

「久しぶりだな東崎」

「本当に久しぶりだな。夏休み中はまったく会ってなかったからな」

「そうだな…そして…」

「そして?」


「俺達は8話以来、まったく出てこなかったんだよね…俺ら…(泣)」

「あ、あぁ…そうだな(汗)」

「俺らはやっぱ脇役だからなぁ…」

「あー…(汗)」

何か慰めたいけど、何も言えねぇ…

「いいんだいいんだ…これからは出番あるから…」

「……………」

それは作者に言って欲しいと思う俺であった。


~~~~~~~~~~~

ざわ…ざわ…

「おはよー…って」

教室に入ると、クラスメートが騒いでいた

「どうした~?何かあったのか?」

「小笠原、知らないのか?あの噂」

「噂?」

「実は、今日転校生が来るんだってさ。しかも女子!!」

転校生?そんな噂があったんだ…

「転校生なんて初めて聞いたな」

「どんな人なんだろうね謙人」

「……………」

すると私と謙人が話してるのを小笠原君が不思議そうに見ていた

「えと…小笠原君…どうしたの?」

「あのさ…倉見は、いつの間に東崎を呼び捨てに?」


「にゃ!?あ、あああ…あの…///」

「お前ら、夏休みの間に一夏のアバンチュールをしたのか?ww」

「アバンチュールて………」

「ち、違うの!!これはね…///」

「皆まで言うな倉見。進展はしたんだろ?ww」

進展はしたけど…


『うん…ありがとう……………謙人』

カァァ…/////

「そこんとこどうなんですか?倉見さん?」

「どうって………それは…///」

私が返答に困っていると


バシッ!!

「いたっ!?」

「おい、チャイム鳴ってるぞ。早く席に着け」

「いてて…分かりましたよ…」

運良く荒津先生が入ってきたので聞かれずにすんだ

「ほら、倉見も席に着け」

「はい」


~~~~~~~~~~~

「それじゃあお前らも噂で聞いてる通り、転校生を紹介をする」

「先生~転校生って女の子ですか?」

小笠原君が聞いてきた

「あぁ、そうだ」

「マジか~楽しみだな~な、東崎?」

「なぜ俺に聞く?」

「いや~テンション上がるじゃん?転校生とか」

「そうか?」

まるで興味の無さそうに謙人は言った

女の子にはまだ興味はないのかな…?

「それじゃあ入ってきなさい」

ガラガラ…

静かに扉が開かれると


「は、初めまして…」

入ってきたその娘は茶色のショートヘアの小柄な女の子

「名前、書いてくれるかい?」

「は…はい」

先生からチョークを渡されて、名前を書く


『芝山茜』

……………

……………

え……………?

「えぇ!!?」

私は思わず立ち上がって叫んだ

「お、おい。どうした倉見?」

「あ!な、なんでもありません…///」

「そうか?………それじゃあ自己紹介を」

え…どういうこと…?


「はい。えと…芝山茜て言います。皆さん仲良くしてください…///」

「うん、それじゃあ質問したいヤツ、いるか?」

「はいはーい!!」

すると小笠原君が元気よく手を上げる

「芝山さんって、彼氏いますか~!!」

「あ…えと、彼氏はいません…」

「マジですか!!よかったな東崎!!」

「何がだよ…」


「東さ……………」

「……………?」

すると芝山さんは謙人の名前を喋ったような気がした


「じゃあ芝山さんは…東崎の隣な」

「は、はい…」

ガタッ…

「け……………東崎…君」

「初めまして、芝山さん。東崎です」

「……………よろしく…」

「……………?」


~~~~~~~~~~~

休み時間

「ねぇねぇ、芝山さんって趣味はなに?」

「えと…手芸かな」

「それじゃあ、特技は?」

「特技はないかな…」

「じゃあじゃあ好きな食べ物は?」

「えと………(汗)」

転校早々、芝山さんは皆から質問責めを受けていた


「……………」

叔母さんが前に言っていた『芝山茜』その娘は急にこの学校に来た

なんで急に………もしかして、やっぱり謙人と何かあって寄りを戻しに来たのかな?

う~ん…

「どうした桜、難しい顔して」

「にゃ!…謙人…」

「何かあったのか?」

「うぅん。なんでも…」

「そっか」


……………

「………謙人」

「ん?」

「芝山さんって娘、謙人は知ってるの?」

私はさりげなく聞いてみた

しかし…

「知らないよ。今日会ったの初めてだし」

すっぱりとそう言った

「………本当に?」

「本当だって、初対面なんだ」

「……………?」


~~~~~~~~~~~

授業中

『それでは授業を始める。教科書78ページ開け~』

「と………東崎…君」

「え?あぁ、まだ教科書来てないんだよね。」

「う、うん…だから見せて…下さい」

「はい」

謙人は教科書を芝山さんの方に寄せた

「あ、ありがとう…けん…」

「え?」

「う、うぅん…東崎君」


「……………」

何かおかしい

普通芝山さんと何かあったのなら、よそよそしくなったり、逆に接触しなかったりするはず…

でも、謙人は本当に初対面のように接してる。


本当に何かあったのかな…


~~~~~~~~~~~

放課後

「それじゃあ帰るか」

「うん」

謙人はバックを掴んだ


しかし突然

「謙人!!」

「!?」

いきなり後ろで芝山さんが大声を張り上げた

え…なに?

「し、芝山さん………?」

「謙人!!私を覚えてるでしょ!?」

「え…」

「思い出してよ!!私と謙人が中学の時、付き合っていたこと」

「付き合っていた?」

「そうよ!!謙人と一緒に遊びに行ったりしたあの日々を!!」

「あの日々…?」

「叔母さんの旅館に泊まりに行ったことも!!」

「……………」


思い出す?

「謙人!思い出してよ…中学の時、乾くんと一緒に映画撮ったじゃない…」

「……………」

「私と一緒に夏祭り行ったことも…それから………」


「ごめん」

……………

……………

「ごめん。俺はそんな思い出を覚えてないんだ…」

「っ……………」

「芝山さん、あなたとは初対面で何も知らないんだ…だから…」

「~~~~~!!!」


ダッ

「あっ、待って!!」

タタタタタ…


~~~~~~~~~~~

バタン!

私は芝山さんを追いかけて屋上に来た

「はぁ…はぁ…」

「芝山さん…」


「倉見さん…どうしてここに?」

「ごめんなさい…急に追いかけて…でも、急にどうしたんですか?」

「………あなたには関係ないです」

「でもっ…あんなことを目の前で見せられて、関係ないなんて言えないですよ」

「……………」

「余計なお世話だと思いますけど、謙人と何があったか教えてくれませんか…?」

「だから…倉見さんには関係ないって…」


「関係なくないです!!だって私は謙人が大好きなんですから!!」

……………

……………

「あ…」カァァ…/////

「ちっ、違うんです!!謙人が恋愛対象としてというか…その、あの………///」


「謙人が好きなんですね…」

「へ?」

「謙人を好きな人がいるなら…話してもいいかもしれないです」

「なんで…私が謙人を好きなだけで…」

私は聞いてみると


「だって…私は謙人には存在すら忘れられたんですから…」

存在を忘れられた?どういうこと…?

「それはどういうこと………?」


「謙人は記憶喪失なんです」






え…?


その頃・・・


「って、俺らの出番はこれだけかよ!!」

「おがさんはまだマシだろ。俺なんか一言も喋ってないんだぞ!!」

・・・と教室で叫んでいたおがさんと明石であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ