第18話 婚姻に向けて①
護衛騎士たちの誤解を解くためにも、かなり荒療治ではありますがピエトロ様は護衛騎士たちの前でブレスレットを外しました。
光の中から現れたのはステフお嬢様。
その場で殿下はステフお嬢様と正式に婚約をしたことを発表した。
「ステフはこの状態でも強い。俺の真隣で護衛をしてもらう」
「そういうこととなりました。短い間ですが、ここで過ごしたことは忘れません」
「なんだよ、ピエトロが麗しのステフ嬢だったのかよ~」
「そうは言っても性別まで変わってるからなぁ」
「あ、あのブレスレットは家宝なのかな?なので、性別も変わりますよ。ついでに服も変えてくれます。つけてみます?」
「いや、いい。自分が麗しい令嬢になれるとは思わないから。俺は男のままで構わない!」
ブレスレットをしてみて、そんなに美しくもない自分と対面するのは嫌だろう。
お嬢様はその後、ブレスレットをお嬢様のお母様であります侯爵閣下夫人にお返しすることにしました。
それと…殿下との婚約の報告です。
「あの…お父様、お母様?この度マーク=エル=ハイランド王子殿下と正式に婚約をすることとなりまして、その報告に参りました」
「嘘だろ?あのステフが?護衛騎士をしているとは聞いたし、この間のパーティーでエスコートされているのも見たが…。婚約?マーク様はお前でいいと?」
「私がいいと仰ってくださっています。陛下もお喜びのようです」
「まぁ、お前のお転婆が治るのならいいのだが…」
「違いますよ、お父様。殿下のお隣で殿下をお守りするのです。性別と場所が違いますけど。安心してくださいね。きちんと恋愛感情を持っていますので」
「大人になったのねぇ、ちょっと見ないうちに」
侯爵夫人も感動のお嬢様の落ちつきっぷりだけど、私としては内心いつ‘素’が出るかとハラハラしてました。
「今後は王太子妃教育並びに王妃教育を受けつつも、婚礼に向けての王宮での生活をしていこうと考えています」
「ずいぶん立派になったもんだなぁ。中身が別人とかじゃないよな?ステフだよな?」
「お父様……正真正銘ステファニーです」
「ステフ!」
「マーク!」
二人は完全に二人の世界だった。
「ステフがちゃんと説明できるか心配で…サラもいるけどさぁ」
「私だってやる時はちゃんとやるわよ!」
これが二人の通常営業状態です。世間様の甘々な口から砂糖を量産しそうな状態とはちょっと異なります。
「侯爵!…いえ、義父上!、お嬢さんと結婚させてください!」
「ででででで殿下!うちのステフで良ければ何人でも!」
「うちにはステフは一人しかいないわよ。殿下、うちのステフをよろしくね」
「任せてください、義母上!」
こうしてマーク様はタナー侯爵家に婚姻の正式に許可をもらい、このままお嬢様と結婚する運びとなったのです。
ステフ父の動揺しっぷりが私は好きです。「ステフで良ければ何人でも」って何人かいるの?って面白い。ステフ母がちゃんとしっかりしてたけど。




