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【第45話】リベンジ




 不測の事態もあったが無事に鬼の異形を倒し、禁書庫に帰還したものの……



「帰ってきた……けど、気分が重いね……」


「だね。何か、モヤモヤする……」



 小鬼はあれから異形化してないだろうか、人間に襲われていないだろうか……

 そんな不安が頭の中で渦巻く。

 しかし、そんな僕達をものともしない人物が出迎えてくれた。



「……2人とも…おかえり……早く……遊びに行こ?

 ……クークラは……準備…万端!」



 真っ黒な長袖シャツに、明るいグレーのオーバーオールのロングスカートでめかし込んだ先輩が、得意げな雰囲気で仁王立ちしている。



「クーちゃん出迎えありがとう!

 汗を流してからでもいいかな?」


「……ん…大丈夫……受付で…待ってる」



 先輩にはひとまず待ってもらい、早急にお出掛けの準備をする事になった。



「そう言えばリオ爺さんは?」


「ええっと……まだ本の中にいるっぽいね。

 苦戦してるのかな?」


「リオ爺さんで苦戦って……

 わたし達じゃたぶん、相手にすらならないね……」


「まぁ、リオ爺は大丈夫だよ。

 僕達はお先に休ませて貰おうか?」






 図書館内の家には大きな浴場もあるが、今回は各自室に付いている簡易的なシャワーで汗を流す。

 ただ、僕は未だによそ行きの服が無い為、いつもの燕尾服で外出だ。

 今回こそ服を見に行きたい。

 ある程度準備が整うと同時に、部屋の扉が鳴らされる。



「ナツメく〜ん、準備終わった?」


「もう行けるよ。先輩待たせてるし、早く行こっか!

 バッジはちゃんと持った?」


「もちろん持ってるよ! ほら早く!」



 自分の胸元にもバッジが付いている事をちゃんと確認して、部屋を出る。

 これが無いと普通に無銭飲食になってしまうからね。


 小走りで図書館の受付に到着すると、椅子に腰掛けて足をぶらぶらと揺らしながら待っている先輩と目が合った。



「……やっと来た……行こ!」



 ぴょこっと椅子から飛び降り、僕とルーナの袖を引く。

 相当楽しみにしてくれてたのかな。



「そんなに急がなくても、お店は逃げませんよ!」


「……いや…普通に……お腹減った」


「わたしもペコペコだから早く食べに行こ!

 早くしないとナツメ君だけ置いてっちゃうよ!」


「わわっ! ちょっ、待ってよ〜!」



 腹ぺこ3人組で通りを散策していると、前から見知った人物が歩いて来る。

 そして案の定、目が合う。



「「「あっ」」」


「あっ……」



 一瞬だけ時が止まる感覚に陥る。

 その人物は紙袋いっぱいの串焼肉を携えて、居心地悪そうにこちらの様子を伺う。



「な、なんですの……

 そんなに見られたら恥ずかしいですわ!」



 以前あった聖天騎士学校での決闘相手の1人だったレヴィアさんだ。



「お、お久しぶりですね?

 今日はアレとは一緒じゃないんですか?」


「アレってもしかして、ロイドの事を言っていますの?

 アタクシのプライベートな時間を使ってまで、あんなのと顔を合わせたくありませんわ!」



 うわぁ、凄い言われよう……

 たしかに仲良くは無さそうだったけども。



「そ、それより! アタクシが買い食いしようとしていた事を忘れてくださいな!

 淑女がするような事ではないですので……

 こ、これを皆様に差し上げますので!!」



 と言いながら、抱えていた串焼肉の袋を差し出す。

 なんか、思っていたより面白いなこの人。

 噛めば噛むほど味……というかボロが出るタイプの面白さ。



「じゃあ、皆でその串焼きを食べ歩いて、レヴィアさんも一緒にお昼を食べに行きませんか?」


「い、いいんですの?

 その……特にルーナさんは嫌がるのでは?」


「え、わたし? 別に全然嫌じゃないよ?

 アレがいたらムッとしちゃうかもだけど、レヴィアさん…だっけ? には特に何もされてないし、何ならゆっくりお話ししたい……みたいな?」



 ルーナはむしろ歓迎という雰囲気だ。

 先輩は──。



「……お肉くれた……実はいい人……もぐもぐ」



 既に餌付けされていたか……



「分かりましたわ。

 今回はご相伴(しょうばん)に与りましょう。

 ですので、食べ歩きの件は……」


「元より言いふらすつもりなんて無いですよ。

 それと言っときますけど、貴女達の隊長さんは平気で買い食いする感じの人ですよ?」


「モネ隊長がそのような! ……そのような事──」



 何か思う所があったのか難しい顔で考える。



「──ありますわね……で、でも! あの方は淑女ではなく、隊長ですので! 隊長ですので!!」


「そ、そうですね?」



 本人がいない所で、勝手にモネさんの評価が下げちゃったかな?

 お世話になってるのに申し訳ない……

 まぁ、淑女かって言われたら違いそうだけど。



「……後輩……お腹すいた……行こ?」


「そうですね。レヴィアさんも行きますよ!」


「ええ、よろしくお願い致しますわ!」


「わたしもうペコペコだよぉ……」



 そんなこんなで腹ぺこ4人組に人数が増えた僕達が向かった先は、あのお店だった……

 そう、以前モネさんに大変お世話になったあのお店だ。



 読んでいただきありがとうございます!


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 それでは、次回をお楽しみに!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ほっと息抜きのエピソードでしょうか。鬼退治の後で何気にバランスが良い構成ですよね。レヴィアのキャラもますます面白さが出てきて。好きになれそうな子です。
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