23話
23話 終極迫る
10月9日
南側は破竹の勢いで経済首都札幌を瞬く間に制圧。北は最後の航空戦力で応戦するも、早期警戒管制機や高い性能を持つAMRAAMの完全運用能力を持つ多数のF-15やF-16を投入した南日本の航空自衛隊や米国の統率のとれた航空戦力の前にSu-27及びMiG-29含む多くの首都防衛航空師団所属の戦闘機が撃墜され、制空権を完全に喪失。
そしてソ連近代建築の街並みを持つ北海道最大の都市は翌日には陥落。地上のミサイルもなすすべもなく誘導爆弾やミサイルで破壊され、防空能力はイグラを国産化した93型地対空誘導弾と言う携帯式地対空誘導弾に依存していた。
更に既に政治の首都である豊原から首都は旭川へ移転し、そこから徹底抗戦命令が出されるも既に多くの陸軍兵士が傷付き、空軍は旧式機や予備機を飛ばすしか無く、既に東側最強と呼ばれた往年の北日本軍には圧倒的なNEATO軍に対して抗える戦力は海軍以外に無かった。
小樽沖
戦艦帯広艦上
「私もコイツもお勤めの終りが近いな…………」
政治将校の風間大佐がそう言うと彼は葉巻を吹かし、溜め息を吐き、更には無茶ぶりについてのことを砲術士官に愚痴を漏らし、政府を間接的に批判する。
「出港用意!」
風間はそう言うと死を覚悟した表情でCICへと向かう。
だが、彼は他の政治将校とは異なりトチ狂おうが政府へ忠誠を誓う訳ではなく、その最後まで部下へ愛情を尽くそうとした。
もう1人の政治将校は部下など考えず、自らの栄光のことを考え、勝利と言う言葉しか頭になく、捕虜になったさいは虐待されるので皆で死に英雄になるべきだと考えていたがその彼も皮肉にも捕虜になり、高待遇を得たのであった。
一方、大湊では
むさし艦上
「整備は済んだな?」
そう艦長が言うと乗員や工廠作業員たちは「はい!」と言う。
すると作業員たちは一斉にドックから退去し、開門すべくドックへと海水が注水していく。南北を代表する巨大戦艦、護衛艦むさしと帯広の整備は終り、互いに随伴の護衛巡洋艦や駆逐艦を引き連れ、決戦の海へと向かう。
そして空母ほうしょう、戦艦えちご、ひだも舞鶴から北上し、北日本側も空母戦力と戦艦戦力をすべて総動員し、最終決戦に臨もうとしていた………
史上最後の、そして最大の、大艦巨砲主義の宴が始まろうとしていた。




