17話
映画の様な空戦シーンは村岡従兄弟対決だったりします。
南北の戦力
海自第343迎撃飛行隊
F-14D×24、F-14A×18
F/A-18A~D×18
人民空軍第11近衛飛行隊
Su-27J/UBJ×24、MiG-31×24
対艦ミサイル搭載のMiG-29×12
17話 雄猫たちの宴
8月21日
午前9時32分
発艦から数分後、米空軍のE-3早期警戒管制機から人民軍戦闘機接近の旨が伝わって来た。
すると総隊長のロッカーこと六田吾郎少佐が「各機、聞いたな?お前ら、戦闘準備は出来ているな?」と言うと俺、村岡俊二中尉の小隊の小隊長で、飛行隊副隊長のオリヒメこと戸島大尉が「良いわね。私たちの任務は艦隊の防衛と福島以南への敵を食い止める事よ…………いいわね!」と言うと俺たちは『了解!』と続く。
そして俺はAIM-54やAIM-7に代わって新たに搭載された新型対空ミサイルAIM-120の射撃に備え、レーダーを捜索モードから中射程戦闘モードへ切り替える。
俺は心中で"心身滅却すれば火も涼し"と呟き、戦闘以外の一切合切について考えるのをやめて発射ボタンの上へ指を翳す。
同時刻
一方、人民空軍の編隊は…………
『こちらカ1AWACS。敵は海自戦闘機隊。F-14及びF/A-18戦闘機だ。どちらも優秀な機体だ。油断するな!』と早期警戒機の管制官が言うと隊長で、Su-27に乗る俺こと戸島謙二上級大尉は「了解、栄光1、これより戦闘態勢に移る」と続き、列機に状況確認をとると俺は即座にミサイル発射ボタンに指を翳す。
そして9時37分
南北両方の飛行隊でミサイル発射命令が下されたのである。
「クロス1…………フォックス1」
「栄光1…………発射!」
両部隊長がそう言うとそれぞれの中射程空対空ミサイルが母機を離れ、ロケットモーターにより目標へ向かって飛翔する。
あかぎ第3小隊、2番機
「来ました!」後席の金村中尉がそう言うと俺は戸島大尉機が俺ともう1機の僚機である島本少尉機に対して、手信号で回避を命じる。
手信号を確認すると俺は可変式の主翼の角度を最適な角度調整して機体を急旋回させる。
そしてミサイルを上手く巻けた事を確認するとすぐにAIM-120の照準を再度調整して発射ボタンを押し、俺は再び回避運動へ移る。
とは言え最初の10分くらいで最高速こそ高いが運動性に劣るMiG-31が5機撃墜され、同時に2機のSu-27も撃墜出来ていたがこちら側も4機のF-14Aと5機のF/A-18が撃墜された。
現在のこの空戦の状況は殆ど互角と言える。
そしてしばらくすると格闘戦へ突入。
こちらはサッチウィーブによる一撃離脱を、相手は典型的な格闘戦に打って出るが、どちらも精鋭部隊だったので精鋭同士の戦闘、勝負が中々決まらない。
俺が目標に狙いを定めようとした直後、警報音が機内に鳴り響くので金村に後ろを見るように頼むとハイビジのあるSu-27に後ろを取られていた。そして相手がミサイルを放つのと同時にフレアを放ち、俺は可変翼を広げて、速度をわざと低下させてミサイルを上手くオーバーシュートさせその機の後ろへ占位した。もし相手が手馴れではなく新人ならプガチョフ・コブラで対応するだろうが、対応しないと言う事は手馴れである事が証明されている。
「ハンター2!フォックス1!」
俺はそう叫ぶと国産の最新鋭空対空ミサイルAAM-3の発射ボタンを押し、発射と同時にコブラ機動で回避行動に移る敵機との衝突を避けるのと同時に敵機の後ろに再度位置すべく機体を上昇させてから宙返りする。
すると敵機は計算通りにコブラでミサイルをかわすが、俺は既に敵機の後ろにいたのでエンジンを狙って6連装20㍉機銃のトリガーを引く。
すると敵機のエンジンに橙色の機銃弾が吸い込まれていく。
Su-27機内
(実にしつこい。かなりの相当な手慣れみたいだな…………)
飛行隊長で上級大尉である村岡謙二がそう心中で呟くと機体を急旋回させて敵をかわそうとするが、敵はしつこくまとわりついてくる。どうやらさっき俺が撃墜したF-14の僚機なのか?何故か俺に拘ってくる。
「さてどうでるかな?」
彼はそう呟くとコブラと呼ばれる機動でミサイルをかわした。だが既に敵機は宙返りしてまた後ろへ舞い戻っていた。
そしてその直後、左エンジンに違和感を感じる。と次の瞬間、30㍉機銃のある右側の主翼の付け根から衝撃を感じた。
そして次の瞬間、30㍉機銃が爆発し、俺は脱出レバーを引き、機体から脱出する。
F-14機内
(…………やったか?)
俺、村岡俊二中尉はそう自問自答すると敵機の様子は被弾した左エンジンが動いている様には見えなかった。
更に適当に撃った銃弾が敵機の機銃にも当たって運良く銃弾を誘爆させ、そのSu-27は火を噴きながら切りもみ状態で海面へ墜落していく様に見えた。
それと同時に椅子が落下傘と共に空へ放り出されたのが見えた
金村がそれを眺めているとロッカーが撃墜されたとオリヒメからの通信で判明し、更に敵機も撤退命令が出たのかこちらにも合流命令が下ったのである。
『オリヒメより各機。各自の状況を報告せよ!』
そう彼女が言うと48機から反応があった。つまりロッカー含む12機(あかぎで確認した所だとF-14D×2、F-14A×4、F-18×6)は撃墜されたと言うのである。
それはともかく、こちらは強敵Su-27×4及びMiG-31×5を撃墜したが、特にMiG-29はあっという間に全て撃墜され、南北どちらの操縦士から馬鹿にされた。故に統一後もF-15やライバル機F-16の改良モデルであったF-2と並んで運用されたSu-27及びMiG-31と異なりMiG-29の残存機はそうそうとタイへと売却されたが、その理由の1つがこの空戦で全滅に追いやられたという事であった。
~~~~~~~~~~~~~~余話~~~~~~~~~~~~~~~~
SH-60キャビン
「ふぅ………俺は生き残ったのか………」
俺、村岡謙二はここに自分がいる事を示すマーカ材をばら撒き、救難ヘリが来るのを待った。すると日の丸をつけた敵ヘリコプターが救助へ収容された。
「お前は生き残っただから、尋問を受けてくれ……」
救難士がそう言うと俺は頷き、北海道人民軍操縦士手帳を手渡す。
……………俺は人民共和国と軍に忠誠を誓ったが、結局捕虜となった。愛する妻子に両親、戦死なら形がつくが、捕虜と言うなら後ろ指が刺されるな…………
俺はそう思いつつも敵空母へ向かう敵ヘリの機内で過ごした。
その後、尋問を”鳳翔”で受けた俺は長い捕虜生活を過ごし、97年の統一後、連邦空軍のSu-27ライダーとして前線へ復帰している。
とは言え一度撃墜された男、一応、北側の公的資料では戦死扱いとなっている。




