15話
15話 死闘は続く。いつまでも
8月3日
砲戦の末に大破した戦艦帯広以下人民海軍は釧路へ撤収。
それに伴いむさし以下海自第1及び第2護衛艦隊は横須賀へ補給の為に撤収した。
8月7日
日本人民陸軍の破竹の進撃を前に空自は三沢基地及び山形空港を放棄、茨城~群馬~栃木~新潟のライン以南への進軍を防ぐべく百里・入間・小松基地及び福島空港へ残存機は移動。
8月8日
仙台上空にて大規模空戦。6機のF-15と3機のF-14Aが4機のSu-27及び5機のMiG-31交戦。
3機のSu-27及び2機のMiG-31を撃墜するも、こちらも2機のF-15を喪失し、F-14全滅の被害を被り、引き分けに終わる。
8月11日
新潟沖、日本海上空
この日も小松基地から飛び立った6機2個小隊の空自F-15J戦闘機が哨戒任務に就いていた。
「レーダーに反応!敵だ!」
空自のF-15乗りの俺、周義男少佐はそう無線へ告げると右腕で操縦桿を握り、左腕でスロット・レバーの上の中射程空対空誘導弾の発射ボタンの上に指を翳す。
目標は同数のSu-27。一度戦っているので相手としては不足が無い。
しばらくするとあっちからR-27空対空誘導弾がSu-27から放たれた直後に「アロー1!フォックス1!」と俺が叫んだ。
俺はミサイルを放つと即座に回避行動に移ると小隊僚機もそれに倣って回避行動に移る。
俺はミサイルをかわすべく空戦の基本技の一つ、High-Gバレルロールと呼ばれる樽の様な形に旋回する機動の最中にチャフをばら蒔き金属片の雲をつくり、金属片の雲はR-27の信管を誤作動させる。そして何とかそのミサイルを振り切ったのである。
だが僚機の中にはミサイルを回避出来ずに2機が撃墜されたが、相手も同数撃墜され、この中射程ミサイル戦が終わると遂に格闘戦へ突入した。これに際して俺は戦時中に米海軍航空隊が編み出した対零戦戦術で現代空戦でも通じる旋回性能の差をカバー出来る"サッチ・ウィーブ戦術(※1)"で対抗する事を決めていた。
俺はもう1人の小隊長で、副隊長の長瀬信太大尉とペアを組んで、俺を敵機を挑発する。
すると手慣れな相手の操る機が上手く挑発に乗った、恐らくコイツはマルセイユ(※2)みたく地上での勤務態度は悪いな。それはともかくその機体はすぐにこちらに対して赤外線誘導弾を放ち、俺を攻撃する。俺はミサイル警報が鳴り響く中、機体を敢えて海面高度へと降下させて降下中に自己防御用閃光弾を放ち、すぐに機体を上昇させA・Bを炊いて機体を急加速させる。そしてエンジン噴射によって更に熱せられたフレアに惑わされたミサイルは明後日の方角へ飛んでいき、次の攻撃のタイミングを掴むべく敵機は俺の後ろに相変わらず位置する。
そして『…………ブロックさん、行きますよ!アロー2!フォックス2!』長瀬がそう言うと俺は機体を減速させて水平に戻す直前に俺をオーバーシュートした敵機の後ろにいたロングが AAM-3を放ち、機体を水平に戻す。そしてその数秒後、左エンジンにAAM-3が直撃。その爆発でコントロールを失ったSu-27は錐もみ状態で海面へと落下していったのである。
しばらくして3機のみとなった敵機が引き上げたので俺は合流命令を出す。
うん、残ったのはブロックに副隊長のロング、それにスナイパー及びガンマンの3機4名だけか…………
だが全滅を免れたのは幸いだ。
そう俺は思いつつも基地へ帰還したのである。
一体、この戦いはいつまで続くのやら……………
※1サッチ・ウィーブ
米海軍のエース、ジョン・サッチの編み出した対零戦戦術。
基本2機で1ペアを組む。
その戦術は1機が囮となり、もう1機が敵の後ろへついて一撃離脱で攻撃を加える。
※2マルセイユ
本名はハンス・ヨアヒム・マルセイユ。ドイツ空軍のエース。
英機のみで158機撃墜と非常に素晴らしい空戦技術の持ち主である反面、上官に対して反抗的だったと言う面もある。
それ以外に映画スターも真っ青な容姿はドイツ中の女性を惑わしたなどの逸話がある。




