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断片11-2「No.Ⅻ:The Hanged Man(Reversed)」
「強すぎる個性は、時に毒となる」。この導入に、私は些かの疑問を投げかけたい。
見え透いた真理とやらを求める為、研究には多くの素体が必要だ。
故に多くの実験では再現性を求め、不必要な知恵を植え付けないようにしている。そして、現れた異物を早期に排除する仕組みも整えているだろう。
温室で大事に育てられた個性には、外敵から身を守る確かな術は教えられない。
必要最低限の知識だけで暮らせるよう調整するのだから、懐疑心を持たれても工程が増えるだけ。…実に合理的な考え方だ。
それでも、綺麗に整列され、番号で管理された中で育てられた個性たちの中には、定められた枠からはみ出す異物が現れる。
指示が読めない者、意図して無視する者、枠の隙を見つけて掻い潜ろうとする者。厄介者の種類は枚挙に暇がないだろう。
私はこれらを咎める者ではない。むしろ称賛し、受け入れる者である。
与えられた知識だけで最大限の努力をしている者たちを、どうして爪弾きにできようか。
正常値から外れた個性が、わざわざ名乗り出てくれているのだから。「毒」の一言で片付けるには勿体ないではないか。




