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マリー伯爵令嬢の秘密、古代クレッセント王国の滅亡を阻止せよ  作者: @000ーooo


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3.戻ってきたマリー

 今日、マリーの魂は戻って来た。一族の務めを果たすべく、千年以上の時を越えて、古に滅んだ古代クレッセント王国の大聖女マリーとして復活した。マリーは魂が第三王女マリーと一体化するとすぐに行動を開始した。


 まず、すぐに国王への進言である。急な面会申請であったが大聖女の申し出ということで、王宮に行くとすぐに国王の執務室に通された。


「国王陛下、急な面会の申し出を受けていただいてありがとうございます」

「どうしたのだ、改まって、急な用事でもできたのか」

「はい、しかし、これからお話しすることは国王陛下と宰相だけの胸に納め頂きたいので、お人払いをお願いします」

「分かった。宰相以外は退席してくれ」


 宰相以外の人が退席していくと、マリーは口を開いた。

「国王陛下、私は戻ってきました。正確に言うならば、私の魂は戻ってきました。私は一度死んで、その後千年以上経過した世界で生を受けました。


 そして前世の記憶を取り戻してから、この魂を前世に戻す方法を模索しました。その方法は中々見つけ出すことが出来ませんでした。


 しかし、我々王家の伝承にスーパームーンの日には我々クレッセント族の能力が最大になるとありました。今日それを試してみました。すると、このように転生後の私の魂は転生前の私の魂と融合したのです。


 率直に言います。千年後の世界にクレッセント王国はありません。それどころか人々の記憶にも、過去を書き綴った文献にもクレッセント王国はありません。


 これが意味するものは、クレッセント王国は滅亡し、その歴史さえも抹殺されたということです。通常勝者は敗者の歴史を書き換えます。しかし、抹消することはありません。それは勝者がいかに強かったかを強調するためです。それが抹消したということは、我々に勝った者が、我国の復活を恐れた。正確にはクレッセント族の復活を恐れたということではないでしょうか。


 我々クレッセント族の伝承では魂は復活する。今回私が復活できたことからもこれが証明されたわけですが。もし彼らが我々のこの能力を知っていたら、一度滅ぼしてもすぐに復活してしまう。だから復活ということを考えないように、歴史から我々のすべての記憶を抹消して、クレッセント王国はなかった。クレッセント族はいなかった。そうしたのではないでしょうか」


「にわかには信じられないが、確かに我々クレッセント族の伝承には魂は復活するとある。ほんとに今のマリーは千年以上もの後の世界から来たと言うのか」

「はい、そうです。例えば、人が馬に乗るといえば、馬に乗った人は馬の腹を両足で抱えて、馬から落ちないようにするのに必死です。とても馬に乗った状態で弓矢を放ったり、剣を交えたりすることはできませんが、この鐙を用いれば、両足を鐙の上に乗せれば、馬の腹を足で挟む必要が無くなります。すると人は馬の上から弓を射たり槍を構えて相手に突撃したりできるのです」

「そんなものがあるのか、そんなものを使えば我軍は最強になるな。これならマリーが千年以上も後の世界から来たと言っても不思議ではないな」


「安心するのはまだ早いです。これを用いた騎馬民像が東からやって来るのです。その民族がクレッセント王国を滅ぼしたと私は思っています」

「騎馬民族とはどのような民族だ」

「すべての民が馬に乗れます。そしてその馬に乗った人がすべて兵士になります。遊牧を主体にしているので、草のあるところなら何処へでも行けます」


「つまりその種族に3万人の人が居ればその種族には3万人の兵士がいるということか。そして、相手が強いと思えば逃げて、弱いとみれば襲ってくるということか。我々に出来ることは追い払うことだけか」

「そう言うことです」


「頭の痛い問題な。どうすればいいのだ」

「国の中に拠点を作ってそこから先へは進ませないようにするだけです。若し追って行けば彼らは地の果てまで逃げます。そして補給が続かなくなったところで追って行った兵士は飢え死にします」

「そうなるな」


「今後の方策はどうするのだ」

「まず、我国の騎兵の馬すべてに、この鐙を装着させます。そして、鐙を用いた騎兵の戦闘訓練をさせます。そうしないと彼らの軽騎兵と遭遇したとき相手になりません。


 次に我国の歴史や文化を記載した文献を国中に埋めておきます。そうすれば我国が滅んでも、魂が復活すれな我国が何故滅んだかを調べることが出来ます。そうすれは再び魂が復活して、この時代に戻ってきた時に我国の滅亡を防げます」

「マリーは怖いことを言うな。もう我国の滅亡は自明のことか。そして再度復活した時にすべてを賭けると」

「はい、次回に賭けたいと思います。私は何度でも復活するつもりです」


 こうしてクレッセント王国の方針が決まった。次の魂の復活にすべてを賭けることにしたのである。

 ここまでお読みいただいてありがとうございます。

 今後とも私の小説

(連載中)「転生者とバグでない異世界人の物語」

(連載中)「牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)」

(完結)「マリーの思い家族の思いそして祠がつなぐもの」

(完結)「泡沫の恋の行方と花時計の思い」

(完結)「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」

(短編・完結)「妖精に成れなかったダンゴムシの物語」

(短編・完結)「真冬の祭りそして祠がつなぐもの」

(短編・完結)「雨の日は嫌い、雨の日はやっぱり嫌、でも雨の日もちょっぴり好きかも」

(短編・完結)「北の関を死守せよ、野望は泡沫の夢と消えて」

をよろしくお願いします。

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