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マリー伯爵令嬢の秘密、古代クレッセント王国の滅亡を阻止せよ  作者: @000ーooo


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2.夢の続き

 スキル授けの儀式から帰ったマリーはいつものように食事をして寝た。授かったスキルがごくありふれたものだったので、家族の者もマリーのスキルに気を止めなかった。


 マリーは夢の中で、白い服に身を包み、大きな杖を持ち、大地に祈っていた。周りには多くの神官たちが従っている。マリーが祈りの言葉をささげるたびに、天空から光がさしてきて、それが地上に達すると、大地が笑い、喜びがあふれる。そして、大地にはいくつも新しい芽が芽生え、今年の豊穣が約束される。


 また、ある時は、病に侵され、ほとんど生気を失った人に寄り添い、祈りの言葉をささげる。すると、その人がまばゆいばかりに輝いて、元気に目を開ける。元気に体を起こして歩き始める。


 また、ある時は瘴気に侵された森に祈りをささげる。すると森の瘴気は一掃され、森の木々が鮮やかな新緑に染まる。そして、そこにいた魔獣たちが跡形もなく消えていく。


 また、ある時は押し寄せる魔獣に向かって杖を向ける。その杖からは大地を切り裂くような光が放たれ、魔獣たちを次々と倒していく。


 また、ある時は夜ごと墓場から起き出してくるアンテッドに、マリーが祈りの言葉をささげ、手にした杖を振りかざして杖から放たれる光を当てる。すると、光を当てられたアンテッドたちが、ことごとく消えていく、そして残った魂たちが喜びの言葉とともに天に召されていく。


 まるで、自分が大魔法使いになったような夢である。そして、その唱える言葉は自分の知らない言葉だった。そして、マリーが手にした本に書かれた文字も自分の知らない文字だった。しかし、その文字は今日スキル授けの時に見た文字に似ていると思った。その時マリーは急に頭が痛くなって気絶した。


 次の日の朝、マリーを起こしに来たメイドは熱にうなされ、唸り声を上げるマリーを見た。すぐに医者が呼ばれマリーを見たが、マリーの体に異常はなかった。しかし、いつまでたっても起きないので、しばらく寝かせておくことにした。


 マリーが目覚めたのはそれから3日後のことだった。


 マリーが目覚めたというので、家族が集まってきた。

「マリー大丈夫」

「うん、体は何ともない」

そう言って、マリーは元気にベッドから飛び出してきた。


 その後医者に診察してもらったが、なんともないということで、今度の熱は小さい子によくある知恵熱だろうということになった。


 その後、マリーはまた元の生活に戻ったが、周りの家族からはマリーが少し大人じみて感じるようになった。


 マリーは言わなかったが、マリーは熱を出したとき、マリーの前世の記憶がマリーの頭に中に流れ込んできて、マリーの頭がそれに耐えられなくて熱をだして寝込んだのであった。


 マリーの前世は、かつてこの地方に存在したクレッセント王国の王女であった。その王女はクレッセントの秘宝と呼ばれた聖魔法の使い手であった。大地を実らせ、あらゆる病気を治癒し、瘴気に満ちた森を救い、幾多の魔獣と戦い、魂の浄化さえも出来た。


 この記憶を取り戻したとき、マリーはこれが自分の前世だとして、今の自分がこれと同じことはできないと思った。たぶんスキル授けの儀式で魔法を授かったとはいえ自分は生活魔法しか使えない。


 これから始まる魔法の勉強でも、たぶん生活魔法しか教えられない。それにこの国では夢で見たような聖魔法を使える魔法士はほとんどいない。いても教会がすぐに隔離して独占してしまうので、教会以外にはほとんどいない。


 つまり、これからマリーが習う魔法士では夢で見たような魔法は教えられないのである。これは自分で何とかするしかない。


 それにもし自分が聖魔法を使えることを世間に知られると、自分が教会に隔離されてしまう。自分が愛する家族と一緒にいられないのは嫌である。自分はいつまでも家族と一緒に居たいと思った。


 それともう一つ疑問に思ったことがあった。何故これだけの力のあったクレッセント王国が滅んだのか。そしてその記憶が何故人々の記憶から忘れ去れたのか。それも不思議だった。とにかくわからないことばかりである。


 今はこの前世の話は誰にも話さないことにした。


 その後自分には一族に課せられた使命があることが判明した。その使命とは復活した魂を過去の王国に戻して王国の滅亡を阻止すること。これが一族の悲願であった。そして、一族の復活を信じて一族は潔く王国の滅亡を受け入れて死んでいったのである。


 この使命を知ってからマリーは自分の魂を過去に戻す方法を色々と模索したが、その方法は遅々として解明されなかった。


 そして月日は流れた。あるとき月の満ち欠けとともに能力も変化することを知った。そして魔石に魔力を蓄積し、その魔力を一度に開放してさらに最大限の魔力を込めることで魂すら過去へ飛ばせることが分かった。

 ここまでお読みいただいてありがとうございます。

 今後とも私の小説

(連載中)「転生者とバグでない異世界人の物語」

(連載中)「牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)」

(完結)「マリーの思い家族の思いそして祠がつなぐもの」

(完結)「泡沫の恋の行方と花時計の思い」

(完結)「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」

(短編・完結)「妖精に成れなかったダンゴムシの物語」

(短編・完結)「真冬の祭りそして祠がつなぐもの」

(短編・完結)「雨の日は嫌い、雨の日はやっぱり嫌、でも雨の日もちょっぴり好きかも」

(短編・完結)「北の関を死守せよ、野望は泡沫の夢と消えて」

をよろしくお願いします。

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