1.始まりの月
クレッセントとは主に三日月のことである。古の三日月地帯と呼ばれるこの地方にはかつて、クレッセント王国という名の王国があった。
そしてこの国の王家の一族はクレッセント族と呼ばれ、強大な魔法を行使することが出来た。そして強大な魔法以外にも強靭な体と優れた知性を有していた。そのため、彼らの王国は当時のそのあたりにあったどの王国よりも強大で繁栄をおう歌していた。
しかし、彼らは秘密にしていたが、彼らの能力は月の満ち欠けの周期によって変化したのである。そして、満月では行使できる魔法力が最大となるのである。
それ以外にも不思議な精神性を有し、たとえ肉体が滅んでも、魂は時を超え、世代を超えて受け継がれるというものである。これは世代を経るごとに彼らの中では伝承として息づき彼らはたとえ国が滅んでも、彼らの魂はいずれ復活すると信じるようになった。
そして、彼らの国が滅んだ時、彼らはその伝承ゆえにその国の滅亡を素直に言受け入れた。そして、彼らの国が滅んでから千年以上の時が流れた。その間彼ら一族の復活はなかった。そして、そこに住んでいる人々の記憶からクレッセント王国とクレッセント族の記憶は失われた。
マリーはトリエスタント王国のシュタットアイゼン伯爵家の娘で5歳である。上には11歳の兄と8歳の兄がいる。下には2歳の妹がいる。今日はスキル授けの儀式を受ける。
朝早くから支度をして、家族で馬車に乗った。シュタットアイゼンの伯爵邸から程近くに教会がある。
この教会はトリエスタント王国が出来る前から存在したと言われ、その歴史はかなり古く、文献を調べてもいつできたのか分からないと言われている。外観は白い大理石を用いた白色で統一されており、屋根にはいくつも天使の像が祭られている。また内部にはいくつもの絵画が描かれ、ステンドグラスから差し込む光が荘厳な雰囲気を醸し出している。
マリーは馬車を下りて、受付のところに行った。受付の人も領主の娘が来たということで、今日儀式を受ける子供が座っているところに案内してくれた。
しばらくして、今日ここで儀式を受ける子供は全員そろったようで、神父さんとシスターが前の方の席に座った。そして、神父さんが私たちの前に出てきた。そして、水晶玉に手を触れると、与えられたスキルが表示されるという説明をした。
子供たちは名前を呼ばれると、前に出て、机の上の水晶玉に手を触れていく。すると水晶玉が軽く光ってスキルが表示される。なお、机の前には衝立が置かれているので、その表示は神父さんとその子供以外には見えない。また、表示を読み取って子供に伝える神父さんの声も小さいので他の人たちにはその子供がどんなスキルを与えられたのかは分からない。
マリーの番になった。マリーは名前を呼ばれると神父さんのところ行って、水晶玉に軽く触れた。すると水晶玉がまばゆいばかりに輝いた。隣の神父さんも驚いている。その後、水晶玉に表示された文字を見て神父さんが首をかしげている。
そして、
「マリーのスキルは生活魔法です。他にも何かあるようなのですが、よくわかりません」
と告げられた。
どうも生活魔法以外の文字は読み取れないもののようだ。マリーも一緒になって表示された文字盤を見たが、やはり生活魔法以外は分からない。文字?記号?だった。それでマリーも神父さん同様後に書かれているものは無視することにした。
家族のところに戻って、
「私のスキルは生活魔法だって」
と家族に告げた。
こうして、マリーのスキル授けの儀式は終わった。その夜マリーは夢を見た。
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今後とも私の小説
(連載中)「転生者とバグでない異世界人の物語」
(連載中)「牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)」
(完結)「マリーの思い家族の思いそして祠がつなぐもの」
(完結)「泡沫の恋の行方と花時計の思い」
(完結)「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」
(短編・完結)「妖精に成れなかったダンゴムシの物語」
(短編・完結)「真冬の祭りそして祠がつなぐもの」
(短編・完結)「雨の日は嫌い、雨の日はやっぱり嫌、でも雨の日もちょっぴり好きかも」
(短編・完結)「北の関を死守せよ、野望は泡沫の夢と消えて」
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