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48話 3人デート


 イーギス様にお願いして、今日はフローラとイーギス様と私でデートをする。王都の街に行こうと、私の家の前で待ち合わせをしていた。


「フローラのこと好きにならせようとしても無駄だと思うけど」


 呆れたように腕を組みながらイーギス様が言う。待ち合わせ時間よりもだいぶ早くに来て、時間まで私の部屋でお茶していた。


「今日でフローラの良さに気づくかもしれませんよ」

「強情だね」


 イーギス様が私の髪に触れて、くるくると指に絡ませる。


「イーギス様の近くにいたのが私しかいないから恋だと錯覚してるだけですよ。いいですか?私は姉です。姉だと思ってください」

「嫌だね」


 椅子を持って、イーギス様が私に近づく。ちゅっと唇が触れた。私は慌てて口を抑える。


「イーギス様!」

「姉にはこんなことしないでしょ」


 だからそれはイーギス様が勘違いしてるだけで。


「イーギス様、もうすぐフローラが来る時間です。行きますよ」

「えー、2人だけでいいのにな」


 イーギス様の手を引っ張って、門の前に行く。フローラが私たちに駆け寄ってきた。


「お待たせしてすみません」

「イーギス様が早く来すぎただけだから謝らないで」


 フローラの肩に触れて言うと、フローラが頭を下げる。私たちは馬車に乗って、王都に向かった。


「お2人が婚約者に戻れて嬉しいですわ」

「ありがとう」


 両手を合わせて感激するフローラに、イーギス様が微笑む。


「私はフローラのこと応援してるからね」

「え、いや……そんな」


 席を立ってフローラの隣に座ろうとすると、イーギス様に引き戻される。引っ張られて体勢を崩した私は、イーギス様の膝の上に乗っかった。


「幸せになりたくないんですか?」

「だから、俺の幸せはナターシャなんだって」


 イーギス様に耳打ちすると、イーギス様は私を抱きしめる。フローラの前だと言うのに、イーギス様は悪手を重ねていく。


「イーギス様のためなんですよ」

「ナターシャさえいればいいのに」


 イーギス様は私を抱き上げて、膝の間に座らせる。まぁ、とフローラが顔を赤らめた。


「私もお2人のような恋したいですわ」

「だってイーギス様」


 フローラはとっくにイーギス様のことが好きみたいだ。振り向いてイーギス様に言うけど、イーギス様は興味なさそうで。呆れたいのは私の方だった。


「フローラ、俺のこと好きになっちゃダメだよ」

「もちろんです」


 イーギス様がフローラに釘を刺して、フローラもそれに頷く。私は顔を覆った。どうしてこうも上手くいかないんだろうか。


「フローラ、イーギス様ほどかっこいい人は他にいないよ。だからイーギス様に愛されて」

「そう思います。だからお2人が一緒にいるのが嬉しいんです」


 ダメだこりゃ。どこまでもヒロインは心が綺麗だった。イーギス様を睨むと、イーギス様は私の手を持ち上げて手の甲にキスをする。人前だと言うのに信じられなかった。いや、人前じゃなくてもダメなんだけど。


「ナターシャ様って照れ屋さんなんですね」

「違うから」


 微笑ましそうに私を見てくるフローラに否定する。要らぬ誤解を招いてる絶対。ただ私はイーギス様とフローラが幸せになってほしいだけなのに……。

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