余興①完結記念対談
シロー「……あれ、なんだここ? 俺は今まで部室にいたはずなのに? ……誰だあんた!?」
作者「お疲れ様でしたシローくん。君の頑張りのおかげでようやく本編が完結できました」
シ「誰だあんた」
作「どうも、中二病です。さて、読者のみなさんお察しの通り、これは本編完結を記念して、作者が裏話を語っていくやつです!」
シ「ラリってんじゃねーよ。俺はやらんぞ、そんなもんは。これ元ネタくぅ疲だろ。最近の子に伝わると思ってんのかよ」
作「まあ伝統ということで。それでは、『ペン回し部は廃部です!』、略して『ペン廃』完結記念対談やっていきましょう!」
シ「聴いたことないぞそんな略称」
作「今考えました。他の候補は『しはです』とか」
シ「はがないの略し方するな。第一、なんなんだよこのタイトルはよ。意味わかんねーだろ。亀掛川先生が取ってつけたようなタイトル回収してたけどよ」
作「ではリクエストにお応えしてタイトルの話からしましょう! おそらく多くの方が気になっているであろうタイトルの由来。そこにはどんな意味が込められているのか……!」
【制作秘話①考察界隈激震! タイトルに込められた意味って……〜決め手は直感〜】
シ「急になんか出てきたけども。なに、直感? じゃあ何の意味も込めようがないだろ。はい、この話終わり」
作「ちょっと待ってください。決して適当という意味ではなく、ストーリーを考えた後に、タイトルどうしよう……って考えてたらおぼろげながら浮かんできたんです、『ペン回し部は廃部です!』という文字が」
シ「ほんとぉ?」
作「ほんとです。ほんとにくっきりと浮かんできたので、当初は既存の何かを無意識にパクったのかと自分の発想力を疑いすらしました。検索してみて類似のタイトルがないことを確認して、これはもう運命だ! と思って採用しました。字面はいいでしょ、なんか売れるラノベ感があって」
シ「ストーリーとは1ミリもかぶってないけどな? ペン回し部創部できなかったんだから廃部も何もないだろ。創部できたとしてもいずれ廃部になる運命はメタ的に明らかだし」
作「ただ、なろうにおいてタイトルとはストーリーのあらすじを説明することで読者さんに興味を持ってもらうための重要なものということは把握していたので、初期は全く別のタイトルで連載していました。でも、なんかしっくりこなかったので変えました」
シ「あんま適当なことすんなよな。この小説、俺が書いたことになってんだぞ」
作「まあ、全くの無関係ではないんですよ。当初の予定では」
シ「当初?」
【制作秘話②ユ キャラが掴めない男、ユニ助〜書き直しすぎて投稿までに2年半かかった件〜】
シ「かかりすぎだろ」
作「実は本作のストーリーが出来上がる前に、ボツを3回出しています。『ペン回し部は廃部です!』は、第3案のストーリーのタイトルです」
シ「なにっ!? つまり、この世界は4巡目の世界ということか!?」
作「?」
シ「少しはノってくれてもいいだろ」
作「細かな変更を入れたらもっと分岐してます。なんなら、第1案ではシローくんはいないし、第2案の最初の最初では、シローくんは地の文1行にしか登場しない超モブキャラで終わる予定でした」
シ「え!? 俺主人公なのに!?」
作「そう考えるとかなりの出世ですね。よかったですね。ちなみに第1および2案ではユニ助は今の子供っぽさとは真逆の、飄々としてどこか浮世離れした奴で、パーコこと涼夏ちゃんはその幼馴染、シローはユニ助の親友のネタキャラでした。それと、黒井さんというねこやなの前身になるキャラクターがいました」
シ「え? 待って、ネタキャラ? え、俺ネタキャラだったの?」
作「だった?」
シ「」
作「ユニ助の目的は全て共通して、仲間を集めて部活を作ることです。ただ、背景が違うのでゴールに至る道は違います。そのときは、何者かとか、好きなものとかには触れず、教訓っぽいことも何もないふわふわした日常系の話になる予定でした」
作「第3案で今のユニ助とシロー、ストーリーの大枠が出来上がりました。ユニ助は今のようなおバカキャラに振り切らず、ちょっと皮肉屋なやつでした。一番の相違点は、パーコが頭いいキャラだったことです。見た目はギャルだけど今のシローの上位互換的な立ち回りをしてました。シローくんは相変わらずネタキャラでした。語尾に『わいな』を付けて話していました」
シ「嘘でしょ? 超ラリってんじゃん俺。ねえもうこれやめない?」
作「まあ読んでもらった方が早いと思うので、この後ボーナストラックとしてボツ案を投稿します。よければ読んでください」
シ「誰が読むんだよマジで」
作「あとは、キャラで言ったら名前の付け方ですかね。ユニ助の本名は遊仁 或波ですが、これはuni社のアルファゲルというシャーペンが由来です。これは、作者が中高愛用していたペンです。周りのペン回し勢はドクグリが主流だったのですが、ペン回しのしやすさとクルトガの書きやすさを両立した本モデルがとても好きで思い出深かったので採用しました」
シ「そんな名前のやついるわけないもんな」
作「その他主要キャラの名前にはお気づきの通り、キャラの性格をイメージした動物の名前が入っています。イヌ、ウサギ、ネコ、カメ、トラ。ちなみに芽ヶ崎の下の名前は益男なので魚のマスが入っています」
シ「芽ヶ崎は知らんけど、その法則が分かってくる中で、俺の名前だけそれが当てはまらないことが浮き彫りになって辛かったぜ」
作「シローは今までシローって呼ばれていたけど、エピローグで本名を明かされる。本名は『志狼』。動物入ってますやん、っていう。黒いのにシローとかいう自己紹介ギャグをしてたせいで、自分の潜在能力に気づけていなかったんですね」
シ「ネタキャラの片鱗が……」
作「この、『普段あだ名で呼ばれてるやつの本名がカッコいい』って展開はユニ助でやる予定でした。でも、その展開をやるなら意図を持たせたいと思って対象をシローに変更しました。呼びやすい親しみやすさもあり、わりと良い名前に仕上がったと思います」
シ「そんなことはいいんだよ。それより何だ? あの更新頻度は。読者のみなさんをお待たせしやがって。なろうをなめてるのか?」
作「えー……その節は誠にごめんなさい。早さこそ正義である活字のファストフードことなろうにおいて週一更新とかいう超絶舐めプかましてしまいました」
シ「週3更新も序盤で終わったし、ちょいちょい普通に休んでたからな」
作「これはあれなんです。作者が初めて内容のある話を書こうとした結果の惨事です」
シ「内容?」
【制作秘話③初の試み、ダブル主人公〜いや、お前の物語だったんかい!〜】
作「さて、次はストーリーの話をしましょう。このお話は、誰もが一度は考えるであろう『もしも、自分が好きなものを部活にできたなら』という妄想を、作者なりにシミュレーションしたものになっています。ペン回しの他にもルービックキューブやヨーヨー、音楽にけん玉、紅茶に至るまで、多種多様な『好きなもの』が登場します。好きなものがあるっていいよね! っていうお話です」
シ「……というのは見せかけだろ」
作「はい。本作はそれを囮にして、『好きなものがない奴はダメなのか?』という問いを突きつけるものになります。好きなものがないことに劣等感を抱え、自分じゃない何者かになりたがっている主人公が、好きなものを持っている他者と関わる中で、等身大の自分を受け入れて、好きなものなんかねえよ! それがなんだ! これが俺だ! って開き直るのが、本作のざっくりした内容です」
シ「最初はユニ助が主人公の物語を俺視点で語ってたけど、大塚先生に好きなものについて聞かれてから明らかに流れ変わったよな」
作「どんでん返しをやりたかったんです。いや、お前の物語だったんかい! っていう」
シ「発動したかは読者のみぞ知るってところか」
作「プロットの段階では、Save The Catの法則を参考にして、2時間尺の映画を作るイメージで組み立てました。なので、なんとなく法則に基づいて進んでいたと思います」
シ「曲がりなりにも考えてたんなら、なんで投稿が遅れることがあるんだよ」
作「そのプロットが穴だらけだったからですね。その穴をアドリブで補完するうちに、ストーリーが従来のプロットの枠からどんどんはみ出していきました。たとえば、ねこやなのSNSアカウントを見つけるくだりは完全にアドリブですが、後の路上ライブに上手いことつなげたりしています」
シ「ええ……」
作「理由はもうひとつあって、映画一本分で収めるとすると、カットせざるを得ないシーンが出てくるんですよ。そういった『没シーン』をプロットの穴に詰め込んだためですね。だいたいの創作者は、キャラのことを理解するために、本編に書かない部分、過去の出来事とかも設定を考えると思います。ですが、それは本筋とは関係がないので真っ先に切り捨てられます」
シ「そんなもんか」
作「キャロさんを掘り下げた『ヒナタ編』は、本筋とはそこまで関係ないし、膨らませたら外伝一発分のネタになりえます。そのため当初は書かない予定でしたが、週一更新の体たらくから分かるように本編の完結すら危ぶまれたので、今出さなきゃ彼女の過去は永遠に知られない、出し惜しみしてる場合じゃないと思って書きました。完結に15万文字弱かかりましたが、プロットの段階では、もう少しコンパクトにまとまるはずでした」
シ「亀掛川先生編もか?」
作「あれは逆パターンで、プロット段階ではあったけど書きながら『本筋と関係ないしやめようかな……』と迷ったところです。ですが、伏線を投げっぱなしで終わるのもなんなので書きました。あと亀掛川先生といえば、冒頭言ったタイトル回収は完全にアドリブです」
シ「ぜんぜん制御できてねーじゃん」
作「ごちゃごちゃ悩みましたが、まあ映画じゃないんでね。寄り道したっていいじゃない。ネット小説だもの。そう開き直りました」
シ「自分に甘すぎる」
作「今までは感覚的に話を考えていたので、プロットを書くのは初めてでした。ロジックでストーリーを組み立てる面白さがありましたし、プロット通りにならない難しさもあり、とても奥深いなと思いました」
シ「作文かよ」
作「あとは、昨今の推し活ブームに見られる、好きなものを持つことがもてはやされる風潮に一石を投じる的な意図はまあ全くないんですけども」
シ「ないんかい!」
作「ネタキャラ出てますねー」
シ「変なイジりやめろ! 話戻るけど4回も書き直したのかよ。何にも固まってないじゃん」
作「正直、何回書いてももっと上手くやれそうな気がして、これ一生終わんねーなと思って制作中の第4案である本作を世に出した次第です。言うなれば本作は、作者と黒崎シローの関係を終わらせるための物語でもあります」
シ「はっ! 終わってせいせいするぜ!」
作「まあ確かに、この後文化祭編が控えてますからね。もちろん2年生編も」
シ「自分で自分の首絞めるスタイルか。週一更新の奴がラリってんじゃねーよ」
作「ちなみにシローくんの決め台詞『ラリってんじゃねーよ』は、当時読んでいた漫画『カメレオン』からパクっています。あのシャレの効いた台詞回しがとても好きで、本作に取り入れたかったんです。『××限定ベリーベリーストロベリーハートシュークリームプリン事件』周辺では、その試みが色濃く出ていると思っています」
シ「『カメレオン』の主人公もクソチビだしな」
作「ユニ助くんの身長はトップシークレットなのですが、身長差の脳内イメージはまさにあんな感じです」
シ「さて、いい加減お前の話は聞き飽きたぜ」
作「話題は尽きませんが、そろそろ締めに入りましょうか」
作「改めまして読者の皆様。一年に渡る連載に付き合っていただきありがとうございました。週一更新とかなろう作家として終わってんなと思いながらも、あなたが読んでくれたおかげで、クソ牛歩でもなんとか書き上げられました。ブックマークしてくれた方々、あと、芽ヶ崎編終わった後に評価10点付けてくれた方、ありがとうございました。あのシーンけっこう気合い入れて書いたので、励みになりました」
シ「シメの挨拶でクソとか言わないだろ普通」
作「おっと! 大事なことを言い忘れてた!」
シ「なるべく手短に頼むぜ」
作「エピローグのタイトルにもあるように、この物語はあなたに宛てた手紙です。本作には、何者かになりたい以外にもいくつかの思春期特有の悩みごとや考えが出てきます。作中にユニ助が言った『肩に乗ったものの重さを変えることはできないけど、同じ道なら笑って歩いた方が気が紛れる』というマインドで書いています。本作を通して何か少しでも共感したり、感じるものがあればとても嬉しいです」
シ「最初に言えよ! こういうことはよ! 俺がネタキャラな話とかどうでもよかっただろ!」
作「さて、めでたく完結したペン廃ですが、書く中でいくつかの改善点が見つかりました。さきほど言った本筋とサイドのバランスや、風紀委員の存在感、細かいところではシュークリーム編はパーコちゃん回なのでより序盤にした方がいいのでは? など」
シ「コハクの出番をもっと増やしてもいいぞ」
作「それらの改善点を検討してリメイクした『ペン回し部は廃部です!新劇場版 序破Q』を制作する予定です」
シ「大丈夫それ? Qですごい賛否分かれるんじゃない?」
作「『シン・ペン回し部は廃部です!:||』もよろしく!」
シ「ストーリーより更新頻度改善しろよ」
作「A.T.フィールド全開……!」
シ「最強の拒絶タイプか」
作「ここまでのお相手は、中二病でも小説が書きたい! と」
シ「黒崎志狼でした」




