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【アニメ2026年7月放送!】ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~  作者: ハム男
第14章 暗黒神アマンテと封印された肢体

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第871話 封印された肢体

 アレンは暗黒神アマンテに圧を掛けられていたと、簡単に言えないほどの力の差を感じる。


(俺はいったい何をされていたのだ。だけど少し何か頭のもやが無くなったような気がするぞ)


 膨大な知力が制限されるほどの何かを目の前の玉座に座る暗黒神アマンテにされたようだ。


(あれは法の神アクシリオンの頭部か? 探そうと思っていたのだが神殿に転がっているとは……)


 恐らく助け船を送ってくれたであろうおっさん面の頭部に、跪いたままゆっくりと視線を送る。

 だが、もう一度アマンテがまだ十分な知力が働かないアレンの思考を遮った。


『それでこいつに用事があったってわけかい?』


 スキンヘッドの生首を指さして尋ねてくる。


「それはそうなのですが……」


 アレンの神Sの召喚獣であるリオンについて思考を巡らせようとすると、続けてアマンテが語りだす。


『私に渡すものがあってきたと思ったが?』


「おい、アレン。さっさと例の剣を献上しないか! どういうつもりなのだ!!」


 アマンテと目の前に跪くイルゼに背後に厳しい視線を送られながら督促される。


「献上の品でございますね。今お出しします」


 アマンテに言われるがままにアレンは魔導書の収納から聖獣石を取り出した。

 さらに前回と同様に魔力から魔剣オヌバの刀身を再構築する。


『ああああ、アマンテ様!?』


 ギュッ


「勝手に動かないでくれ」


『てめえ!? なに勝手に俺の柄を握ってやがる!!』


 宙に浮いたオヌバがアマンテに向かっていくことをアレンは柄を掴んで静止する。


『……私への献上品をもったいぶらすとはね。覚悟はできているのかい?』


 ブワッ


 漆黒の闇がアマンテの全身から溢れる。


(最上位神とは思えないほど、めっちゃ短気だ。やばい殺されるで)


 アレンは恐怖のあまり手を離すと、まっすぐとオヌバはアマンテへと向かっていく。


「申し訳ありません。どのようにお渡しするのがするのが失礼がないか考えてしまい、大変失礼しました」


『よしよし、それで? 私の用があるんだろう。聞いてやるから話しな』


 猫のように膝の上に乗った魔剣オヌバを長く漆黒の爪先で撫でながらアマンテはアレンにやってきた要件を訪ねる。


「お話の機会を与えていただき感謝します。実は人間界から私はやってきたのですが、敵戦力に押されており、ぜひお力を貸していただきたいと思っております。また暗黒界から戻る方法があればご教授頂きたいです」


『ほう? ものは言いようだね。敵の策略に嵌まり無の世界に飛ばされておいてよく言うわ。会ってみてまざまざと感じるほど本当にクソガキね。私は日と月から3界を見通すことができるんだよ』


「そ、それは!?」


(たまに日の光から見られている気がしたのは気のせいではなかったのか)


 人間界、神界を100万年以上も照らす日と月は太陽神であった頃のアマンテが創ったものだと言われていた。

 その日と月を通して、アマンテは暗黒界にいながら3界を見通すことができるらしい。


『それに戦っている相手は私の創った魔族たちだ。私の子らを殺す力を与えて人間界に戻せって話かい?』


「……暗黒神アマンテ様、この無礼な人間を私が首を切り落としましょう」


 アマンテの言葉の意味を理解したイルゼが立ち上がり、腰に差しておいた剣を抜いて跪くアレンの首目掛けて振り上げた。


『お? そいつの首を切り落としてくれるのか! だったら血を飲ませてくれ! ゲヒャヒャ!!』


『……ふむ』


 オヌバはアマンテの膝の上でアレンが殺されそうな目に合っていることに狂乱している。

 窓の側にいるアクシリオンの首は、何もせずに静観していた。


 この場にはアレンの味方など誰もいなかった。

 だが、アレンの顔には困惑も戸惑いの表情もなく、恐ろしいほどに落ち着いていた。


(絶対に助けるからな。みんな待っててくれ)


 落ちてきた天井が自らの捻り潰すほどの圧迫感を覚える知力を最大限使ってこの場を切り抜けねばならぬ状況の中で、アレンが思ったのは魔王軍によって、いつ攻め滅ぼされてもおかしくない状況にいる家族と仲間たちだった。


 アレンは頭を深々と下げて口を開く。


「嘘偽りを申しこと大変申し訳ありません。結果的にビルディガ、オヌバの両柱がこの場にいることもたまたまでございます」


『ほう? 正直に言うのかい』


「はい。私には頭を下げることしかできませんので。ですが、偉大なる力のあるアマンテ様に今一度、お願い申し上げます。何卒、私に力と人間界に帰る術をお与えください」


「き、貴様!? まだアマンテ様にまだ言うか! この無礼者が! その首叩き切ってくれる!!」


 一気に振り下ろし今にもアレンの首目掛けて刃が届きそうな瞬間だ。


『……よしな。イルゼよ』


「は、はい……」


『そうか。なるほど、嘘偽りがないか……』


 漆黒の神力が全身に僅かだが溢れたアマンテの変化に気付いたイルゼが、震えながらも肉体が硬直してしまい、アレンの首寸前で静止できた。


 アレンを見つめ少し考え事をした後、再度口を開いた。


『それで、二度も同じ要求を求めるなら私が力を貸す理由はあるんだろうね』


「はい。アマンテ様もご存じのとおり魔王は魔族たちを改造して魔神などに変えております。これはアマンテ様の願望に沿った形でございましょうか? キュベルと名乗る参謀が魔王軍を先導しています。これはアクシリオン様のお望みのことなのですか?」


『キュプラスか……。あやつにはたった1人で惨い運命を背負わせてしまったな』


 アレンの言葉にアクシリオンが口を開く。


『それはあんたの育て方が悪かったのだろう。だが、アレンよ、それでどうするのだ? お前に解決の手段があるというのか?』


(なんか夫婦みたいに仲が良いな。あんたとか呼び合っているぞ。いや、そんなことを考えている場合じゃない)


「私は向かってくる者が魔族であっても攻撃の手を緩めるつもりはありません。ただ、魔王から魔族たちの解放をお約束します。キュベルの行動を止めてほしいのであれば、私に力と帰る術をお与えください」


『私たちの望むままにか……』


「はい」


『なるほどね……。何か、この世界に来る流れに計画性を感じたから警戒したが、アレンよ。お前の言わんとしていることは分かった』


(ん? キュベルは俺が暗黒神のところにやってきたこの流れを予見していたと。むしろ、暗黒神に会わせることが目的だった? 暗黒神に疑われないために無の世界に送ったのか? 釣りの餌は俺だったのか)


 暗黒神にこれほど早く会えたのはキュベルの策略の可能性があることにアレンは気付いた。


 アレンの思考を他所に、アマンテが玉座に肘をつき、片手で傾いた頭を支え考え事を始めた。

 頭を深々と下げるアレンを除き、アマンテに次の行動の視線が集まる。


『よし、力を与えるのは良いだろうと言いたいところだが、お前は先ほどこの頭が欲しいと言ったね。それはどういうことだい?』


「私の才能である召喚士の能力で、法の神アクシリオン様の肉体を求めています。四肢に分かれた肉体を手に入れたら私の召喚獣はもっと強くなります」


 力を貸してくれそうなので、具体的にどんな力が欲しいのか具体的な話をする。


『何を言っているのか分からないよ。それに、心臓がなければばらけたあいつは全身を繋げることができないんだよ。よく分かんない子だね。こっちにおいで』


「は、はい」


(ん? ネスティラドを召喚獣にした経緯を見ていなかったのか? 深い霊障の吹き溜まりの森の中だったしな。って、冷たい!?)


 来いと言うので来てみたら、アレンの頭に血が通っているのか分からないほど冷たい手が頭の上に乗った。


『なるほど、召喚獣とはややこしくも不思議な能力だね。第一天使メルスとルプトの双子が設計し、あいつの体を強化の部品のように扱う……。心臓を既に召喚獣にしているだと!? 馬鹿な……! 100万年臨んだ心臓を!!』 


「ひい!?」


 目を見開いたアマンテが突然大声で叫んで、アレンの頭部を大きな手で掴んだまま、簡単に自らの巨躯の体を起こして持ち上げて立ち上がった。

 高い天井に届くほどの、あまりの神力の膨張に玉座もアマンテの背後の視界も歪んで見える。


 ビルディガもオヌバもアマンテの前に跪く。


 イルゼはあまりの驚き様に絶句しながら尻もちをついて転げてしまった。


『そのリオンを出しな! 早く!!』


「えっと、それでは、失礼します。リオン出てこい」


 パアッ


『おお! 儂のあるべき全身の姿ではないか? 分かるぞ。そうか、心臓を得たか!!』


 首だけになったアクシリオンが目を見開いた。


『なんと……。あんたじゃないかい。面白いことが起きているなと思っていたらこんなことになっていたなんて』


 【ランク】S

 【名 前】リオン

 【体 力】50000

 【魔 力】50000

 【攻撃力】50000

 【耐久力】50000

 【素早さ】50000

 【知 力】50000

 【幸 運】50000

 【加 護】全ステータス30000、因果律調整(中)

 【特 技】伸縮自在、不倶戴天、無限天元突、不死属性付与、合体吸収

 【覚 醒】輪廻転生、因果応報、封印〈頭〉、封印〈胴体〉、封印〈右腕〉、封印〈左腕〉


 全長10メートルのリオンを召喚するとアマンテは頬や肩や胸などワシワシと触っていく。


『全身が1つになる。そうか、この世界で儂は1つになるのか』


 リオンは勝手に全身を触られながら感慨にふける。


(上位神2柱を仲間に着けた魔王を相手に戦うならリオンの強化は必須だ)


「ありがとうございます。では、まずは頭部からこの霊獣石に入れてみたいと思います」


 狂乱するアマンテにいそいそとアレンは話を進めようとする。

 クエストは迅速に進め、完了するまで油断してはいけない。


『まあ待ちなさい。私の話し相手がいなくなるではないか。お前さんが最初に失敗するかもしれないだろう。頭部は最後にお前の召喚獣の一部にしてやろう。どうやら、お前が死ねばあいつの魂は解放されるみたいだからな』


(ん? そのためにベタベタとリオンを触っていたのか? Sランクの召喚獣たちの魂は俺が死ぬと解放されるのか。まあ、生命の循環に戻るってことだな)


 なんとなく疑問に思っていたが魔導書を通じて質問することもなかったことをアマンテが答えてくれる。


「では、残り4つの部位を先に回収させていただきます。それでよろしいので」


『ああ、そうしてくれ。4つ全ての大陸に散らばっているからね。それを回収したらいい』


「おお! ありがとうございます!!」


『だが、それもタダでは駄目だ。あいつの体は大陸の恵みになっているからね。連れて行くとそれぞれの大陸の魔族や獣人たちも困ってしまうだろう』


「……と言いますと、何か対価を払えということでしょうか?」


『そういうことだ。よく分かっているじゃないか』


 アレンとアマンテの交渉が始まった。

 ニヤリと笑みを零したアマンテはアレンに対して対価の支払いを求めたのであった。


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ヘルモードコミック13巻
発売日:2026年1月9日
ISBN:978-4803022483

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― 新着の感想 ―
アレンさん、ぶっちゃける!アマンテ神にはドア・トゥ・ドアテクニックが通じない…故に「正直こそ最善の戦術」…魔族の魔神化はアマンテ神からも望まぬことと…その上でリオンと言う切り札。良い感じに進みそうです…
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