第47話 答えに近づく最悪の方法
「……でデータ照合はできた。後は……ってランの姐御、いい加減にしろ!事あるごとに調べようとすると姐御がなぜか近くにいてアストラルゲージが影響受けるんだ!アタシは姐御の観察日誌をつけたいんじゃねえ!正月の三日はなぜか将棋会館にいたよな!なんでそんなことをアタシが理解しなきゃいけねえんだ?4日は馬場の映画座の『高倉健オールナイト上映』を見に行ってたな!アンタの趣味はこれまで散々押し付けられて知ってるんだ!1月18日の休暇は銀座高鳥屋で行われた『甲武に眠る日本刀の名品展』に昼過ぎに行ったな!姐御がドスが好きなのは知ってるが、なんでそんなところにどう見ても8歳女児が羽織袴で雪駄を履いて現れたらデパートの店員も目が点になるだろ!姐御は島田やかえでの行動をいつも『アイツ等は犯罪者だ、理解できねー』とか言ってるけど、アンタの行動は犯罪じゃねえけどアタシには理解できねえよ!」
かなめのランの珍奇行動への怒りの叫びがランの居ない機動部隊の詰め所に響いた。誠は今日は休みを取っているランがそのどう見ても8歳女児にしか見えない姿に広域暴力団のトップを思わせるような立派な羽織袴を着て街をうろついている様を想像すると苦笑いしか浮かばなかった。
部屋に差す日差しはすでに夕方だった。かなめは食事もとらずに検索を続け、時にランの起こすアストラルゲージの異常に絶叫し、ラーナは何とかパンをかじりながら端末でそのランの反応を除去したデータを細かく分析して記録していく地味な照合作業を続けた。そして東都の一連の法術暴走事件が一人の法術師によって引き起こされたこと、その人物は豊川で死者を出す法術使用を行なったことがデータの上では証明することができた。
「さてと、後は本人を見つければ話は済むんだがな……まあ裁判所がこれを証拠として採用するかは別問題だ。とりあえずのこの資料の使い道は豊川署の馬鹿共にたたきつけるとすっきりするくらい……だな。我々はその人間の法術を使用する時のアストラルパターンを手に入れただけだ。その人物の身元を特定できたわけはない。それもそのことを証拠として裁判所に提出してもその捜査方法自体に問題がある手段で手に入れた情報だ。ただ、このパターンを記録しておくことには意味がある。恐らく県警の我々がアクセスできるデータベースにも千要警察のアストラルゲージのデータは収納されているはずだ。このパターンを見ながらそれをそのデータと見比べて行けば犯人の犯行前後の行動が特定できる」
静かにカウラはそう言った。誠達も結局そうなることはわかっていたものの、これまでの労力を考えると憂鬱な気持ちになった。
そんな時に機動部隊の詰め所の電源が突然落ちた。周りを見渡す。独特の気配に誠達は嫌な予感に襲われていた。
『そんな甘い対応で『特殊な部隊』の看板に泥を塗られちゃあたまらないねえ……ここは俺達の仕事になりそうだな!』
聞き慣れた叫び声がすべてのスピーカーから響いた。
「島田の馬鹿の手下の情報士官連か……あの元ホスト……暇な時はそのまま旧宿のホストクラブで客でも取ってろよ。うちより良い金になるんだろ?いくら安定した公務員になりてえからって年収1億円を捨てる意味がアタシには理解できねえよ。アイツ等の年収はアタシみたいに荘園収入とか官位の収入とか爵位の年金とかはねえんだろ?だったら、アタシは隊での給料は800万だ。アイツ等も大尉で、アイツ等はパイロット加算が無くって後方勤務だからそれ以下だ。そんなに公務員共済年金が欲しいのか?確かにアレは厚生年金よりも東和じゃ確実かつ老後の支えになる安定収入だからな。ホストは国民年金だから年5万しか出ねえし、そもそも60過ぎたホストなんて聞いたことがねえから公務員になったんだろうが……そんな30までに10億稼げればオメエ等の表ざたに出来ねえ情報を掴めるスキルを活かして絶対勝てる財テクでもなんでもすりゃあいいじゃねか」
島田の技術部の5人の情報技術士官たちの私生活をぶちまけつつかなめは明らかに不満そうにつぶやいた。誠は彼等のかなめの図星を突いた指摘に苦笑いを想像して吹き出した。
『別に班長は関係無いですよ。俺達があの馬鹿の下で大人しくしてるのはあの馬鹿、結構見てて楽しいからその反応を楽しんでるわけ。ヤンキーって確かにホスト仲間に元ヤンキーって奴はいたけどアイツ等使いもんにならなかったけど、班長は使い道のある馬鹿だということで俺達もこれは初めて見る種類のヤンキーだということで観察日誌を付けて楽しんでるんだ。だから、班長と西園寺さん達が行動を共にしている記録は全部残ってるからその中で表ざたにするとヤバい奴がある時は……世の中お金じゃないですか?西園寺さんなら解決してくれるかなーなんて思ってるんですけど、まあそれは置いておいて。そもそも観察日記をつけて笑い転げる対象に過ぎない馬鹿な班長の言うことしか聞かない愚物だと俺達を思ってるなら手を引くぜ。もっとも自己保身と自分の出世にしか興味のない豊川署のキャリア官僚の署長に今日手に入れた情報のコピーでも渡したとしても、そいつを有効に使ってくれるかどうか……微妙なんだけどな……俺達が見た限りではあのキャリア官僚が保身を捨てて手段を選ばなければこの事件は結構簡単に解決するってのが俺達の見立てなんだけど』
人工音声の上から目線の発現にかなめは目を白黒させた。
「いえ!すみません!調子に乗っていました!つうか島田と行動を共にすると全部オメエ等にその時の言動が全部バレるとか言ってたな!それをかえで辺りに売りつける気か?死ぬ気か?金をとるか命を取るかどっちか選べ!」
かなめは相変わらずの減らず口を叩く。そこで画面が映し出される。そこには頭にタオルを巻いた技術部の五人の技術士官の姿があった。
そこでは広大な『特殊な部隊』の敷地の中でも手を付けられていないところで草刈りをする5人の姿が映し出された。
「農作業?それとも草刈り?なんやかんや言いながら今でもこうして忙しい整備班に変わって春野菜の準備のために農作業をしているってことは物理的には島田の支配下に居るのは事実じゃねえか。良い加減島田には腕力では勝てねえって認めろよ」
かなめはその姿を見てすっかり先ほどの情報士官の脅しをハッタリと見たようで挑発したようにそう叫んだ。
『仕方ないだろ?グリファン中尉がやるって聞かないんだから。俺達、ホストは女性には優しくしてなんぼなんだよ……まあ、一部はそれを利用して欲に狂って変なことをしてるのは事実だけど、そんな世界だから好きで女性に優しくすると株が上がるだけで金とは関係の無い公務員になったんだから。それにこの農作業はあの馬鹿な班長の指示なんかじゃないよ。あの馬鹿は一つのことしか考えられないから俺達が暇だから気を利かせて自主的にやってるわけだ。あの可愛いサラちゃんからそう言われたら男としては素直に従うよりほかに選択肢なんかないじゃん。今のうちに土と肥料をなじませないと来年の実りは保障されないんだそうな。それに俺達も遼州人だよ。『遼州人は皆農民だ』。あの名君と呼ばれる行方不明と言うことになってる遼帝国皇帝の遼献陛下のありがたいお言葉だよ。遼州人である俺達が農作業をしていて何がおかしいよ』
背後に耕運機のエンジン音が響く。思い切り脱力しながら誠達は画面をのぞき込んだ。
「今更出てきて何するつもりだよ。人に苦労させるだけさせておいしいところをいただくのはオメエ等と叔父貴の行動規範だろ?だったらアタシ等が騙されて利用されねえ保証はどこにあるんだ?」
かなめの言葉は冷たい。確かに以前から何度と無く協力を頼んでは断られていただけに誠も島田の真意が図りかねた。
『そんなこと言ったってさっきから西園寺さんの作業を見てたんですけど……あまりにまどろっこしくてね。見ていられなかったんですよ。法術適性検査の際に採取した法術師のアストラルパターンデータ集が東都の住民管理局に眠っているわけだが……眠っているだけじゃもったいないからな。それと照合すれば完全に裏が取れるんじゃないかなあと思ってね。まあデータの件数は俺達クラスじゃないと扱えない規模になるだろうけどな。生身の俺達にでもできることをネットと脳が直結してる西園寺さんが出来ないなんて理解不能だねえ……ああ、自分は戦闘用義体だなんていう言い訳は通用しませんよ。俺達は生身でそれが出来て、西園寺さんにはそれが出来ない。この事実で技量の差というものを認めてもらえませんかね?』
近年ようやくデータ化された東和共和国の住民票ののぞき見。明らかな犯罪行為に一同は青ざめた。
「おい!待て!オメエ等が叔父貴の指示で無茶をやってるのは知ってるがこれはヤバすぎる!それは東和国民全員の個人情報だぞ!明らかな敵でヤバい連中の情報を探ることに関しちゃアタシも感謝しかねえがそんなことまでアタシは頼んでねえ!」
慌てたようにかなめが言うことで誠は情報士官が薄ら笑いを浮かべて全部調べると言っている情報がいかに手を触れてはならないものかが良く分かってきた。
「自治省や各種官庁の個人データは警察でも簡単には触れないっす!そもそもそんな大量な情報を拾ってつなぎ合わせたら全東和の国民の情報がうちにまるわかりじゃないっすか!やめてくださいよ!」
警察官の責任感からかラーナの叫びも半分鳴き声が混じっていた。
「まあ、オメエ等ならそんくらいやるか……叔父貴ならそんな指示を平気で出しかねねえのは事実だしな。でもまた無茶なことを……それにそんなところにアクセスするにはそれなりのパスが無いと無理なんじゃねえのか?それこそそんなところに侵入したなんてバレたら始末書や降格じゃ済まねえぞ。アタシもそれが怖くて手を出さなかったんだ!電子戦が苦手だからってわけじゃねえ!」
言い訳がましく怒鳴って見せるかなめの言葉に得意げに技術士官は話を続けた。
『俺達がそんなことを怖がる人間に見える?俺達を動かすのは好奇心。情報士官はね、敵の情報を『知りたい』と言う欲求に突き動かされる種類の人間じゃ無きゃ一流にはなれないの。それにバレる?そんなへまを俺達がすると思う?例えバレるとしても西園寺さんが思ったような運命は俺達には待っていないんだ。同盟厚生局とやりあったときに貸しを作ってくれたのは西園寺さん達でしょ?その取り立てとしてみれば安いものさ。司法局はこのことが全部バレても東和政府に対して組織を上げて俺達を庇護してくれると思うよ。あの時に色々東都警察は無駄な違法捜査をあっちこっちでしてたって言う証拠は俺達も握ってるの。それをちらつかせたら東和政府も何にも言えないでしょ?だったら遠慮なく違法行為をしてもかまわないんじゃないの?違う?』
かなめの問いに答えながら技術士官の背後に立つ島田はいい顔で額の泥をぬぐっていた。
「相手の弱みを知っていることをちらつかせて強引にねじ込む訳か……さすが島田を観察して島田流が染みついた連中ならではの結論だが……その方が結論を得られる確率が上がるのは事実だ。ここはあの見てくれだけは良いが性格は最悪だが腕は確かなアイツ等にすべてを任せてもいいかもしれない」
カウラは多少の無茶は仕方が無いという表情でそう言った。
「本当にいいんすか?確かに多少無理はしても司法局は東和政府に対してあの人達を意地でも守るように動くとは思うんっすけど、その捜査で得られた情報を県警にどこから手に入れたと言われたら、私には何も言えないっすよ」
ラーナは心配そうな顔をした。だがすでに画面の中ではすっかりやる気の頭にタオルを巻いて作業着を着て泥だらけの島田の部下の5人の情報士官がいる。彼等は島田がやれと言ったらやるだろう。
「止めても無駄みたいね……じゃあお願いするわね。どうせ責任を取るのは司法局の偉い人達。たぶん明石中佐辺りは詰め腹を切らされるかもしれないけど、せっかく美女の婚約者を得られたんだからその幸せを噛みしめてそのまま実家のお寺で座禅を組む生活に戻れば解決するわけだから安いものよ」
アメリアの声に技術士官達が嫌な顔を浮かべていた。
『まあ……さっさと帰れよ。一応、今日の農作業も終わったんで、俺達が何とかして明日には結果を出せると思うから。西園寺さん自慢の電子戦対応の義体の性能を生かした情報収集よりも生身でもどんな情報収集が出来るかと言う見本を明日の朝にはお見せで来ますよ』
端末の画像が途切れた。カウラが大きくため息をついた。
「カウラさん。所詮我々でのローラー作戦なんて無意味ですから。あの人達は隊長もその情報収集能力を頼みにして命綱としている人達なんっすから。策士の策を生かすための情報を手に入れる有力な手段の一つがあの人達なんっす。あの人達の情報のおかげでこれまでだって隊長の策は全て通って来たんすよね?その点では案して良いって思うっすよ」
ラーナは情報士官たちの暴走を庇うようにそう言った。
「分かっているが……なんだか気になってな」
カウラはそう言うと首のネクタイを緩めた。
「カウラちゃん、気になる事が有るなら言ってよ。何でも自分で背負い込むのは止めた方が良いわよ」
アメリアはそう言ってカウラの肩を叩いた。
「なんだよ、アメリア。ずいぶんと知った風を気取るじゃねえか」
そんなかなめの言葉にアメリアはにやりと笑うと端末を仕舞う。カウラや誠も端末の終了作業を行なっている。
「で……簡単に分かるものなのか?連中の簡単は正直信用できない。アイツ等はその簡単の為ならどんな無茶でもする連中だ。そんな奴等からの情報を我々が手にしたとしてそれを我々が生かしきれるのか?」
ネクタイを外したカウラの問いにラーナは苦笑いを浮かべる。
「それにそもそもあの口調だと連中の手に入れる情報は証拠として採用できるものではないらしい。それを我々が手にしたことを県警が知れば後々問題になるのではないかと思ってな」
カウラにとって気になるところはそこだった。
「そうだよな。連中は犯人を見つけましたというかもしれないが証拠が無ければ逮捕と言うわけには行かねえわな。それに連中の情報は叔父貴と言うその情報の読み手が居るから意味がある情報だ。アイツ等も叔父貴ぐらいの情報の読み解き方がアタシ等にもできると思ってそんな生の情報を投げてくるつもりだろうな。正直……アタシ等じゃああの連中の出す膨大な情報を扱いきれる自信はアタシにはねえよ」
さすがの強引なかなめにもその程度の常識は有った。
誠はいつもならどんな無茶でも自信満々に突っ走って挙句の果てにすべてを台無しにしてしまうことが多いかなめがこの事件においてはあくまで慎重なのをみて恐らくは嵯峨もそんなかなめの在り方を望んでいるのかもしれないと思っていた。
そして同様に自分も嵯峨なら瞬時に要点を理解できるであろう情報将校たちが出して来るデータを読み解くことは無理だろうと思っていた。
「あら、かなめちゃん感心したわ。ちゃんと『疑わしきは罰せず』と言う刑法の基本も知ってるのね?それに自分が隊長ほど曖昧な情報からその共通項を抜き出して一つの線につなげて全体像を見抜いて結論にたどり着く能力が無いということも分かってる。自分のことが見えてるじゃないの。そういう私も隊長の域にはとてもとても……でもやらないといけないわけよね。恐らく隊長もこんな状況もすべてお見通しなんじゃないかしら?」
再びチャカしたアメリアの細い目をかなめがたれ目でにらみつけていた。
「お二人とも!とりあえず終わりにしましょうよ!あの人は20年前の戦争で情報関係の仕事もしていた超ベテランで情報管理のスペシャリストですよ!僕たちが半年程度でそんなレベルになれるだなんて隊長もおもってないと思いますから!」
誠の言葉で二人は舌打ちしながら離れていった。気分が悪いと言うようにかなめは終了した端末から首につながるコードを抜くとそのまま立ち上がり出て行った。
「確かに誠ちゃんの言うことは正解。でも正解だけど、隊長は本音では今日この瞬間にでも自分に追いついて見せろと思ってると思うわよ。なんなら、今も隊長室でスルメを咥えて甲種焼酎を飲んでると思うから直接聞いてみれば?」
うれしそうに笑いながらアメリアはエラー画像が出た誠の端末を軽くいじって終了させてやっていた。
「アメリア、あの『駄目人間』を増長させてどうするんだよ!どうせあの電気・ガス・水道が全部止められてるから帰れないだけの情けない男に優越感に浸ってアタシ等を見下して嫌味を言う機会を与えるなんてアタシは御免だね!」
そう言ってかなめは苦笑いを浮かべた。
「確かに、隊長に明日情報士官の人達の情報を渡せばすぐに犯人の特定を隊長は出来るかもしれませんが……たぶんあの人はその結論を教えてくれないと思いますよ。あの人は性格悪いんで」
誠は嵯峨がアメリアの出向を志願することを許可した以上犯人の特定はアメリア達がやるものだと屁理屈をこねて、情報誌何の得たデータを恐らく見もしないだろうということが予想されてそう言った。
「まあな、叔父貴はアタシ等の今こうして七転八倒している様を見てそれを肴にして酒を飲んでると思うぞ。この部屋にも恐らく叔父貴の仕掛けた盗聴器があるはずだ。これからのこのこあの『駄目人間』に助けを乞いに向かうなんてアタシは絶対嫌だ!」
かなめはそう言ってコーヒーを飲んだ。
「誠ちゃんとかなめちゃんの読みは合ってると思うわよ。私も一応運航部の部長だから私が居なくても部下であるパーラやサラやルカには自分で考えて行動できるようにするためにわざと答えを知っていても放っておくこともあるもの。それはそれとして、もう終わりなんでしょ?誠ちゃん……これからホテルなんてどう?」
アメリアはそう言って顔を真っ赤に染めている誠を見つめた。
「あの……アメリアさんなんでそんな話に突然なるんです?隊長が『脳ピンク』だからそんな連想をしたからなんて言うのは理由になりませんよ」
照れる誠の手を嫉妬の表情を浮かべたカウラが取った。
「その車を運転しているのは私だ。アメリアの馬鹿に付き合う必要はない。このまままっすぐ寮に帰るぞ。隊長が答えを明かさないのが隊長が我々に与えた試練ならそれを乗り越えればいいだけの話だ。明日の朝、あの情報士官のよこした情報を豊川署の端末で受け取ってその内容を精査する。それが我々に今できる一番の近道なんだからそれだけに集中しろ」
カウラはそう言って誠を引っ張って立ち上がった。
「なによ、カウラちゃんも参加すれば良いじゃない。運転手代としてカウラちゃんに誠ちゃんの童貞をあげるから……ああ、誠ちゃんはカウラちゃんの処女ももらえるから一石二鳥。まあ、『ラスト・バタリオン』には処女膜なんて無いし最初から快感を得られるように作られてるから楽しめるわよ♪」
アメリアはナイスアイディアと言うように笑いながら立ち上がった。
「アメリア……貴様は私の話を聞いていたのか?貴様には恥じらいと言うものは無いのか……まあ無いんだろうな。貴様について諦めるべきことが今日一つ増えた。その方向性が日野と同類と言うこと自体貴様にとって恥ずべきことだと自覚しておいた方が良い」
カウラは強引に顔を真っ赤にして戸惑う誠の手を引いて機動部隊の詰め所を後にした。
「まったくカウラちゃんは冗談が分からないんだから。最近人間らしくなってきたと思ったけど前言撤回ね。かなめちゃん、誠ちゃん。カウラちゃんは冗談が通じないから置いていかれると歩いて帰ることになるわよ!急ぎましょう!ラーナちゃん、電気は消しておいてね!」
そう言うとアメリアはカウラを追って部屋を出て行った。置き去りにされた誠達はため息をついて見つめあうとゆっくりを歩き出した。




