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嘘告してきた女の子を助けたら懐かれた話  作者: 春井涼(中口徹)
第一部

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第一話-8

「東宮先輩、急ですけど、半年前に消えた化学部員の正体を知ってますか?」


「何その陰謀論みたいな導入」


「これから日本の真実を暴露します」みたいな調子の話をしながら、俺と平井は自然公園の中を歩いていた。周りには観光で来日した外国人らしき人や、家族らしい人たちがいる。


 和やかなその空気の中、陰謀論を話し合う俺たちは、誰がどう考えても明らかに異質だ。いや、別に陰謀論と決まったわけではないけども。


 っていうか去年消えた先輩なんて付き合いのあった部活でも覚えてないし、そもそも正体って何だよ。普通に高校生じゃないのか?


「陰謀論ですか……。まあ確かに、普通の人はそう言うでしょうね」


 え、なんで受け入れてるの? 陰謀論だよ? 容疑としてかなり最悪に近い部類じゃない?


「じゃあ東宮先輩は、この世界に異能力は存在すると思いますか?」


「何が『じゃあ』なのか分からないんだけど」


「誤魔化しは聞きません。イエスかノーで答えてください。先輩なら簡単でしょう?」


「もしかして俺、遊ばれてる? 異能力なんてそんな、非科学的な……」


「ふざけないでください。氷漬けにしますよ」


「怖っ、何言ってんの君」


 しかも目が本気だ。俺は業務用冷凍庫にでも幽閉されるのか。


 平井は、俺が答えをはぐらかすのを見てため息をついた。いやしょうがないじゃん……。


「もうしょうがないので話進めますよ。まず異能力は存在します。それは先輩も身に染みて理解しているはずです。非科学的とか言わないでください。一部の異能は科学に組み込まれた概念ですので。あと半年前に消えた化学部員と、『異能力者に手を出すな』の警句と、先輩の正体とついでに義理の妹さんは全部繋がってます」


「情報量が多い! そして急に俺の個人情報を会話にぶっ込んでくるな、どこで調べたんだそれ!?」


 平井なんて俺にとっては見ず知らずに近い相手だ。そんな相手に俺の情報を話すはずがないし、ましてや義妹に関してはもう……この学校で知ってる人が何人いるのか。だからそんな呆れた目で見ないでくれよ、今日何度目だよそれ。


「先輩、もしかして情報の島流しにでも遭ってます? さすがに可哀そうに思えてきたんですけど」


 おっと、呆れた目が憐れむ目にジョブチェンジしたようです。


「そんなこと言われても、本当に島流しに遭ってたら、そのことにも気付けないんじゃないかな……ああ、まさしく今の状況だわ」


「じゃあ言いますけど……先輩、今代の魔力使用者ですよね。半年前から」


「はへ」


「で、傍付きの大天使の名前はリーファ、ああ、中国産まれのアルビノの義妹ってことにしてるんでしたっけ。だから私の見た目でもアルビノって言葉がすんなり出てきたんですね」


「ほえ」


「私のこれはアルビノじゃありませんよ、後天的なやつなので。でもその様子じゃ、先代魔力使用者が誰なのか知らないんですね。それが半年前に姿を消した化学部員の正体です。正確には、もっといろいろ能力持ってましたけど」


「ほあー」


 まともな相槌が出てこねえ。つまりどういうことだ? 半年前、うちの学校の化学部に所属していた魔力使用者が失踪、次の魔力使用者として俺が選ばれた? ということは、その先輩はもう……。


「生きてますよ」


「死んで……ないの!?」


 もう何が何だかわかんねえや。どうなってるんだ。

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