表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘告してきた女の子を助けたら懐かれた話  作者: 春井涼(中口徹)
第一部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/81

第四話-3

 何をしたと言われても、いちゃこらしている友人夫婦を写真に撮って、御影に送っただけだが。一つ言えることは、


「お前ら、普段はかなり抑えてる方だったんだなあ」


「今すぐ忘れろ──!」


 無理無理無理無理。無理なものは無理。多分当面は覚えてる。ってか忘れても写真が残ってる。だからそんな鬼気迫る表情で詰められても困る。


「そういえばこのぐわんぐわんって、お前ら共通だったんだなー、さすが幼馴染カップルなだけあるわー」


「知らん! そんなものは知らん! お前が忘れるまでその脳を揺らし続ける!」


「俺はいいが梨花にも迷惑だからそろそろ止めんか?」


「あっすまん」




「ただいま」


「ただいま戻りました」


「思ったより早かったねえ、おかえり」


 結局あの後、あいつら(バカップル)の熱気から逃れるため、足早にその場を去って家に戻ってきた。お神輿が出るまでにはまだ一時間くらいあるはずだけど、あんなのを見た後で、一時間も散歩する元気はない。冷房が涼しい……。


「お夕食までまだ時間はあるから、おやつでも食べる?」


「いやあ、俺はいいや。もうお腹いっぱい」


「もう……?」


 それはもう、はい。ね。


「りーちゃんはどうする?」


「私もいいです」


「あらそう? お祖父ちゃんが、栗餡堂の豆大福買ってきてくれてるのにねえ」


「食べる」


 掌ドリル? 上等だ、栗餡堂の豆大福を逃す方がよっぽど愚かな選択だ。梨花も、一瞬で意見を翻した俺を、ぎょっとして見上げているけど。驚いた顔も可愛いね。


 ……というか割とレアだな、この子普段は割とクールだから、あまり表情大きくは変わらないんだよ。


 もうちょっとくらい、表情豊かになってくれてもいいのにとは思うんだよなあ、これだけ可愛いんだから。まあ普段見せない顔だから、より可愛さが際立つというのもあるけど。


 二人並んでテーブルに着き、豆大福を頬張る。うむ、安定的に美味いな。硬すぎず、かといって歯応えを失わない豆の絶妙な食感。ほんのり感じる塩味。程よく伸びる餅。そして、滑らかでありながら小豆の残ったこし餡の舌触りと、飽きの来ない適度な甘さ。


「祖父さんが買ってなかったら、自分で買いに行ってたな。やっぱり何回食っても美味いわ、いくらでも食べられる」


 あ、御影からLINERのメッセージ来てる。そういえば相沢夫妻の写真送ったな。


「春宮くん、もうそっち行ってるの?お祭りは明日じゃなかった?」


 ……うーん、まあ東宮って普通にやったら変換出てこないからなあ、仕方ないことではある。


「昨日から祖父母家に泊まってるんだよ。元々夏休みどこかで来るつもりだったし、たまたま鈴森だったからタイミング合わせることにした」


「じゃあ小西ちゃんたちとは前から知り合いだったんだ」


「いや別に? 行動範囲被ってるのは合宿の帰りに初めて知った」


「そうなんだ」


 会話はここで終わってしまった。


 ……一体御影は、今のやり取りで何が訊きたかったんだろう。

よろしければ、作品のブックマークやいいね・レビューなど頂けますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ