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嘘告してきた女の子を助けたら懐かれた話  作者: 春井涼(中口徹)
第一部

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第一話-5

 集合時刻一〇分前。相沢と小西のペアが到着した。


「やっと来たか相沢! なんでもっと早く来てくれなかったんだよ」


「なんで俺は到着早々文句言われてんの!?」


 それはもちろん、銀髪の少女が不機嫌で地獄の空気だったからである。情けない話、あの後輩が地味に怖いんよ。


 ちなみにこの間、銀髪の少女は他の知り合いが来たらしく、大げさなため息をついた後はそちらに歩いて行った。内巻きボブカットの少女……見覚えはあるから、多分美術部の三年生だ。


 それと、顔が隠れるレベルの長い前髪の少女が一人。こっちは同じクラスだったな。誰だっけ。


「あれっ、あそこにいるの、もしかして御影(みかげ)か?」


「誰だそれ?」


 反応したのは相沢だ。御影……そういえば、そんな名前のクラスメイトがいたような気がする。


「ほら、あの三つ編みのだよ。へえ、今日ここに来てるってことは、じゃああいつ美術部だったのか」


「よく知ってるな、お前の女が嫉妬するぞ」


「しないよそんなことで。健人君は昔から、人の顔と名前覚えるのが早かったからねー」


 眠そうな声で小西が否定する。そういえばこの二人、幼馴染なんだっけ。


「でも正直意外だったかも。御影ちゃん、いつも放課後すぐ教室出て行っちゃうから、帰宅部だと思ってた」


「ほーん、相沢お前、本当に良く覚えられたな」


「まあ、先生たちが喋ってること聞いてると、割と覚えられるぞ。苗字か名前が分かれば、クラス名簿でもう片方も割り出せるしな。で、名前と出席番号が分かればLINERのアカウントもほとんどの場合、グループチャットから特定できる」


「怖い怖い怖い。その記憶力と情報収集能力、別のことに応用できないのかよ?」


 そんなくだらない雑談をしていると、いつの間にか出席メンバー全員が集合していた。風邪ひいてドタキャンしたのがいたらしく、顧問を除くと今日来ているのは一二人だった。本当に代表者会談みたいじゃん。あんまり大勢で来ても仕方ないかもしれないけど、これでいいの?


「よし、大体予定通りの時間だな! 改めて今日の行程を確認すると、まず博物館の見学、それから小田原城で昼食を取り、自然公園に移動して自由行動だ。何か質問は?」


 一〇時になると、塚本先生が説明を始めた。大雑把な計画に聞こえるが、これでも最大限精密に企画されているのだ。何と言っても、順番が決まっているのだから。


 前回文芸部と化学部(当時は同好会だったが)で出かけた際は大変だった。三か所回る予定だったのに行き当たりばったりで順番を決め、全部回りきるころにはもう日が暮れていたのだ。


 晩夏だったにもかかわらず、である。解散予定時刻を一時間も超過していたのだ。さすがにあれを繰り返したくはない。


 とにかくそんなだから、綿密な計画など立てたところでその通りに行くはずがないことは分かり切っている。すなわち無駄である。順番だけ決めておけば、あとは皆、適当に腹時計で動くだろう。


「何もないようだから、移動するぞ。あまり離れすぎないようについて来いよ」


 というわけで、校外学習、移動開始。

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