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嘘告してきた女の子を助けたら懐かれた話  作者: 春井涼(中口徹)
第一部

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第一話-4

 現地に着くと、俺の姿を見つけた白原が、大きく手を振って場所を知らせてきた。あいつ元気だな、休日の朝から長旅させられて、よくあれだけの体力が余ってるものだ。


 いや、俺もやろうと思えばエネルギーだけは外部から無限供給できるんだけど……あれはあれで面倒だ。そもそも部活の校外学習に、義妹を連れてくる奴がどこにいる。


 白原は、動きやすそうなワンピースにカーディガンという、簡素ながら洒落た服装で来ていた。こいつ、私服も整ってるのか。モテそうだな。


「おはようございます、東宮先輩」


「……ああ、おはよう」


 しまった、色々考えてたらつい反応が遅れてしまった……。なんか白原の隣に立ってる少女が睨んでくるんだけど、これ俺が悪いの?


 というかこの少女、遠目にはうちの義妹を連想する髪色してるな。珍しい髪色なので、正直かなり驚いた。でもよく見れば色の系統が違う。この少女の髪は銀色で、目の色は水色だ。義妹はもう少し白髪(はくはつ)に近いし、目の色は深い青色をしている。


「白原、君の隣にいるのは? 友達?」


「です。中学のときから一緒なんですよ」


「へえ、長い付き合いなんだな」


「菅野台を受験するって言ってたから、あたしもついてきたんです。一人にするのは、ちょっと不安だったので……」


「あー、なるほど、なんとなく分かった気がする」


 銀髪は創作物ではよくある……というかメインヒロインはよく銀髪にされがちだ(俺調べ)が、実際にいると、とにかく目立つ。黒髪の国である日本では、高齢者が白髪(しらが)なのはあっても、若い年代では自然に銀髪や白髪(はくはつ)になることは、普通はないだろう。


 そんなところに、銀髪が紛れ込んだらどうなるか……染髪を疑われて、生活指導で済むならまだいいかもしれない。自分を絶対善だと思い込む先生に当たらなければ、多分分かってはくれるだろう。


 怖いのは見た目が違うことでいじめにあうことだ。この少女は、髪色だけでなく、瞳の色も水色で他と違う。


 そういう意味で、一人にしないために友人の存在は重要になるだろう。中学からの付き合いであれば、今更裏切ることもあるまい。白原は、そういうの嫌いそうだし。


「ところで、不躾なこと訊くんだけど……その髪と目の色、アルビノとか?」


「随分と無遠慮に訊いてくるんですね、今代(・・)も」


「……うん?」


 今代……何を言われたのか、一応心当たりはある。だけどそれは、相沢くらいにしか話したことはないし、他に知っている人物がいるとすれば、後は俺の両親と義妹だけだと思うんだが……。


 だからこの線(・・・)はないと思うが、だとすれば、何を指して今代と言われたのかが分からない。少なくとも、この少女が知っているはずがないのだ。


「えっと、文芸部はまだ部長の代替わりはしてないし、俺は次期部長じゃないけど……」


「はあ……」


 露骨にため息つかれた! なんで!?


「千夏、この人が東宮双矢先輩でいいんだよね?」


「おい待て、なぜ俺のフルネームを知っている」


「合ってるよ」


「白原、君まで俺を無視しないでくれない?」


 泣くぞ? 先輩泣いちゃうよ? 泣かないけど。


「なんかすごく期待外れ感強いんだけど、本当にこの人が? 計画に含めて大丈夫だったのかな。今からでも修正を……」


「ぶつぶつと不穏なこと呟くの、やめてくれない? 怖いんだけど」


 銀髪の少女は、再度俺をじろりと見ると、


「はああ……」


 だからその露骨な溜息やめてくれよ、相沢夫妻め、早く助けに来てくれないかな……。

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