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嘘告してきた女の子を助けたら懐かれた話  作者: 春井涼(中口徹)
第一部

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第二話-10

「お見苦しいものをお見せしました……」


 よくもまあ出会って数秒であれだけの醜態を晒せたものだ。自分で自分が信じられなくなる。何あれ、同じ人類だと思いたくないんだけど。


 割と天宮先輩が元凶な気はしなくもないのだが、フラッシュバックして取り乱したのは間違いなく俺だ。半分くらいは俺が悪い。残りは知らん。でも取り乱したのは俺だ。


「……本当に、おかしなものをお見せしました……」


「い、いいよ、そんなに謝らなくても! ……それで、今日、ちょっとお洒落して来たつもりなんだけど、どう?」


「すごくいいと思います」


「……そうじゃなくて」


「とても良くお似合いです」


「そう? じゃあ、いいかな」


「ありがとうございます」


「それで、東宮くん」


「はい、なんでしょう」


 ようやく顔を上げた俺に、御影が言う。


「……いつまで敬語なの?」


「ごもっともでございます」




 朝日出駅口からアリスに入った俺たちは、まず書店に向かった。くまねこ書店アリス朝日出店、ジャイアントパンダのマークが特徴的な、この辺りだと一番広い書店だ。俺は学校帰りによく立ち寄っている。ポイントを貯めると割引券が貰えるのだ。


 書店に入ると、俺たちは真っ先に、ラノベコーナーに飛びついた。


「ひみあか新刊!」

「めよミス新刊!」


 そして目当ての本を同時に見つけると、


「「あったー!」」


 これまた同時に歓声を上げるミラクル。普段はこういうことはしないのに、誰かと一緒だと、つい声に出てしまうことがある。それは御影も同じだったらしく、満足そうに新刊を掲げていた。


 俺が手に取ったのは秘密警察アカデミーで通称『ひみあか』、御影の手にあるのは名探偵の嫁はミステリ作家で通称『めよミス』。一般的なライトノベルとして想起されるジャンルではないが、どちらも重版アニメ化が行われる程の人気作品だ。


 テンションが上がって普段しないことをしたことに気付いたらしい御影は、手をそろりそろりと下ろすと、恥ずかしそうに顔を背けた。


「……あのね、東宮くん」


「なんでしょう、御影さん」


「わたし、普段はこういうことしないからね」


「あ、不運の騎士も新刊出てる」


「ねえ東宮くん聞いてる?」


「名探偵妖氏もあるじゃん、読んでみようかな」


「それは私も気になってたけど」


 それぞれ何冊か買う本を選び、会計を済ませて書店を出る。御影に薦められた本も含め、早速いい買い物をした。


 次に向かったのは、デジタル・家電専門店のトジマ。あまりデートで行くところでもない気がするが、御影がスマートフォンの傷を気にしているようだったので、次の破損が起こる前に、画面の保護フィルムとケースを買いに行くことにしたのだ。


 ついでに俺も、足りなくなっていた乾電池を買い足すことにした。母上、人使いが荒いでござるよ。


「そういえば御影って、携帯はGuynoid(ガイノイド)?」


「え? うん、そうだよ。mPhone(エムフォン)はちょっと使いにくい」


「分かる。制約多いくせに高いんだよな。ちなみに機種は?」


Keen(キーン)Aquamarine(アクアマリン)4」


「じゃあこの辺のやつか」


 という調子で色々と見て回り、トジマを出る頃にはすっかり昼を回っていた。まあ俺がイヤホンコーナーから離れなかったせいなんだけど。

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