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嘘告してきた女の子を助けたら懐かれた話  作者: 春井涼(中口徹)
第一部

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第一話-2

 相沢たちに話を聴いた、翌日の放課後。俺は廊下で鈴村先生を捕まえてくると、後輩の白原(しらはら)千夏(ちなつ)とともに、彼を文芸部の部室に連行した。


 なぜ一日空いたのかというと、昨日が文芸部の定休日だということを、すっかり忘れていたためである。怒りというものは非常に良くない。普段なら忘れないようなことを、簡単に忘れ去ってしまう。


 ちなみに昨日、白原が美術部の友人にも連絡を取ってみたところ、彼らの方にはとっくに連絡が来ているとのことだった。逆にこちらにまだ連絡が来ていないことをたいそう驚かれたようだ。マジでやりやがった、あの顧問。ふざけんなよ。


 白原は、鈴村先生は塚本先生に感化されて連絡を遅らせている疑いがある、と説明すると、喜んで捕獲作戦に参加してくれた。


「塚本先生以上に連絡が遅いなんて、社会人としてありえません! 捕まえてしっかり聞き出しましょう、先輩!」


 とまあ、なんか随分張り切っていた。同感なので、特に言うことはない。塚本先生が最低ラインとして提示されている件については、もうそういうものだ。当然の帰結というやつである。


 作戦と言っても、鈴村先生の居場所を他の先生から聞きだして、待ち伏せするというシンプルなものだったが、白原から別案は出なかった。彼女は、俺が別の方法で、もっと確実に鈴村先生を連行できたことを知らない。


 俺たちに捕獲された鈴村先生は、あっさりと罪を認めて自供した。これ、警察の捜査みたいでちょっと楽しいな。創作のいい糧になりそうだ。先生には罰として、もうしばらく俺たちの資料になってもらおう。


「いやあ、おれだって直前まで黙ってるつもりだったわけじゃないんだぞ? ただなんだ、わざわざメールを出すほどのことでもないし、活動日の今日話せば充分間に合うかなーと……。はい、すいません。連絡が遅くなった私が悪いです、ごめんなさい」


 言い訳を始めた鈴村先生を白原が一睨みすると、先生はすっかり大人しくなった。この後輩、強い。


 ちなみに白原について説明すると、特徴は腰まで届くロングストレートの黒髪だ。恋愛話と甘いもので動く、JKらしいJKと言えるだろうか。


 正直、可愛いとは思う。だからどうという話ではない。非モテ陰キャ全開の見た目をした俺ではつり合いが取れなすぎる。第一、年齢的にも俺の守備範囲外だ。


 前置きが長くなったが、何を言いたいかというと、怒った美少女は怖いという話だ。これは年齢に関係なく、である。本当に。


 ……で、結局詳しく聞き出したことをまとめると、こういうことになるらしい。


 五月二〇日、美術部、文芸部、化学部の部員で集まり、小田原で校外学習を行うことになった。


 名目はそれぞれ、歴史ある芸術に触れること、古くから残る街並みや文化を通して創作意欲を高めること、現地の植生を調べること、ということらしい。


 全体の目的は三部活の連携と親睦を深めることで、極論、中間試験終わりに皆で遊びに行くのが本題だ。取って付けたような名目が掲げられているのも納得というもの。


 校外学習という体で出かけ、先生たちが引率でついてくるためには、このような口実が必要になるらしい。午前一〇時に小田原駅前集合とのことだ。


 そうして、俺たちは小田原に向かうことになる。俺と白原の尋問があってから校外学習のお知らせが配布されるまでさらに一日かかったため、部員たちから不満が噴出したのはまた別の話だ。

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