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嘘告してきた女の子を助けたら懐かれた話  作者: 春井涼(中口徹)
第一部

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第一話-25

 結局、俺は嘘告白の実行時にその場にいただけの証人という扱いになったようで、聞かされた計画や実行時の主犯三人について多少訊かれた程度で開放された。


 まあ本当に俺は何も知らないので、杉山先生としても、これ以上俺を捕まえておいても仕方ないと思ったんだろう。確かに吐ける情報はほとんどない。


 御影はなにしろいじめの被害者であり、一番の当事者だから、まだ事情聴取は続くらしい。この後本格的に、いじめの内容などを確認されるのだろう。


 他の人たちはまだ事情聴取に付き合っているのに、このまますぐ帰るのも何となく気が引けて、校内をぶらぶらと歩く。


 すると、生徒指導室での大岩先生からの事情聴取が終わったらしい相沢を発見した。一人らしい。まあ相沢も俺と同じくらい事情を知らないから、捕まってたところで仕方ないのかもしれない。


「おっ、そっちも終わったか」


「俺はね。御影はまだ、杉山先生のところにいるよ」


「まあそうだろうなあ、当事者だもん」


「大岩先生の方は?」


「あー、いや、今日は俺たちは二宮先生だ。大岩先生は、あれだ、西園グループの尋問してるんだと思う」


「尋問て。にしても大岩先生の生活指導か……」


 大岩先生は、とにかくガタイがいい。なよっちい俺とは真反対の存在だ。動物に例えるなら熊みたいな人で、喋り方も厳ついので、怒られたらものすごく怖いと思う。


 悪いことしなければ、不器用そうないい先生と認識したままで終われるのだが……。


 俺と相沢は、自分たちが大岩先生にお叱りを受ける姿を見想像して震え上がった。想像だけであれだけ怖いのだから、西園グループはもっと恐ろしい目にあっているだろう。あの三人には是非とも反省してもらいたい。


「……っ!」


「いや急にどうした」


 相沢が再度震え上がった。小西の謎電波でもキャッチしたのだろうか。そんな話は聞いたことはないが、帰ってこない彼氏の浮気を疑って静かにブチ切れ、離れた場所にいる彼氏が怖気を覚える、みたいなシチュエーションはラブコメでよく見る気がする。


「次の部誌、お前ら題材で書いていい?」


「お前こそ急にどうした。今のはあれだ、俺去年、大岩先生に地理教わってたんだけどさ、一回だけ、一時間目の授業に寝坊で遅刻したことあったんだよね」


「へえ、珍しい」


「それが年の初めの方だったからさ、まあ授業後に怒られたわけで……」


「うわあ……」


 思い出したのか、その記憶を。記憶で震え上がれるって相当怖かったんだな……。やっぱ大岩先生は怒らせないようにしよう。


 ただ大岩先生は、怒るとそれはもう怖い学年主任だっていう評判が広まりすぎているが、それは本当に、怒った時だけだ。


 自他問わずルールに厳格な人だけど、ルールの内容について何も考えていないわけではない。ルールを変えたければ、破るのではなく、守って姿勢を見せろ、という考えなのだ。


 それに、ルールを守って生活していれば、不必要に怒ることはない。普段は寡黙で道徳的で、物事には筋を通す主義のおっちゃんだ。ルールを変えたければ云々も、この主義に基づいていて、それを知っている生徒からは相応の敬意を持たれている。


 そういえば去年とのバレンタインとか、女子生徒に貰ったチョコが腕から溢れてたしな。ちょっと困ったような表情がレアで笑いそうになったのは本人には絶対に秘密だ。


 まあそんな大岩先生を怒らせることをしでかしたのだ、西園グループの三人には、きちんと反省してもらおう。してくれるといいんだけど……。

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