表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘告してきた女の子を助けたら懐かれた話  作者: 春井涼(中口徹)
第二部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
105/115

第六話-9

 凛の誕生日は一〇月二日、この日自体は他に何もないのだが、我らが菅野台高校、なんとこの翌週が中間試験である。試験は九日からなので、部活等の停止期間は四日からなのだが、あまりのんびり遊んでいられない、余裕のない日程だ。だからといってほっぽりだすつもりはないけども。ささやかながら渡すためのプレゼントも用意してきたのだ。


 ……いつ渡そう。


 目下のところ、最大の問題がこれだった。誕生日だからといって試験一週間前に渡しても良いものなのだろうか。いや、栞だったら勉強用の書籍にも使えるんだしむしろそういうタイミングでこそ渡すべき? なんて言って渡せばいい? まあ落ち着け、あと一週間あるんだ。だとしたら買いに行くのが少し早かったか……?


 とりあえず確かなのは、教室では人目に付きすぎるので渡しづらいということだ。今の凛は最前列の席なので、俺が出向くとまあ目立つ目立つ。俺は隅っこの目立たない場所ではあるものの、教室で凛の方からこっちに来ることってまずないからなあ。まあ部活のときに抜けて美術室行くのが手っ取り早いか。


 などと考えながら授業を受けていると、担任の杉山先生が変なことを言い出した。


「そういえば夏休み明けに席替えしたから、そろそろ一ヶ月経つのか。じゃあやるか」


 今……?


 いや、絶対今じゃないだろ。やるならテスト後では? 俺たちが呆気に取られている間に、先生は素早く黒板に座席表を書く。


「よーしじゃあいつも通りくじ引き開けたから窓際から順に引きに来なさい」


 俺も早々に順番が来て教卓の前に行き、くじ引きボタンをタッチする。ここでは数字が表示されるだけで、この数字を黒板の座席図にランダムに振られた数字と照らし合わせて席を決めるのだけど、俺は……おい、また同じ席じゃねえか。


 そして隣の席は、


「あれ? 双矢くん、席動いてないんだ」


 まさかの凛だった。どんな確率?


「よーし、全員動いたか? じゃあまた一ヶ月くらいこのままだから、そんな感じでよろしく」


 つまり、少なくとも凛の誕生日はこの席で、ということだ。ちなみに健人と小西も前後席になったようで、健人が休み時間に手書きで確率を計算していた。それによると、俺と凛が隣になるのは四・一パーセント、健人と小西が前後になるのは四・四パーセントらしい。うん、かなり低い確率なのは分かった。


「そういえば、あの後美術部の部長って誰になったんだ? うちの部長が気にしてたけど」


「篠花さんだけど……双矢くん、名前聞いて分かる?」


「凛じゃなかったら分からん。とりあえず名前だけは伝えてみるけど、うちの部長、人の名前覚えるの苦手だからな……」


 外見的特徴も訊いてみたけど、よくハーフアップにしているスカートの長い女子、と言われてもさっぱりイメージが湧かなかった。


「あと、身長が高い。多分双矢くんと同じくらい」


「あ、それなら一発で分かった。特徴的過ぎて印象に残ってる。顔は思い出せないけど」


 体育で一緒になったことはないから、五組ではないな、ということは分かる。たまにいるんだよな、男子よりも身長の高い女子。俺は平均よりは低い方だし、凛もどちらかというと小柄な方だと思うんだけど。身長低いととくに男は舐められがちなので困る。あのときもそうだったけど、まあこれは今思い出しても仕方のないことだ。


「それじゃあまあ、うちの部長に言っとこ」


 俺はスマートフォンを取り出してLINEに文字を打ち込みつつ、栞はいつ凛に渡そうかなあと考えていた。せっかく低確率を引いて隣の席に来たのだし、有効活用したいところなのだが。

よろしければ、作品のブックマークやいいね・レビューなど頂けますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ