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猫と僕と知らない世界  作者: シマタロウ
第一部3章:猫と準備と裏工作

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幕間4:あなたは一体誰なのでしょうね?

 お土産は地鶏を焼いた物(真空パック済み)にしました、それとお菓子を何個か。昼過ぎに新幹線の駅に到着出来たので今晩一緒に食べられそうですね。


 赤松さんにそんな内容のメールを送って、私は新幹線のシートにゆったりと体を預ける。あまりの心地よさに顔がにやけそうです。硬い床で寝袋って無いですよ。あれはホント無いです。全く疲れが取れないどころか、普通にめっちゃ疲れましたし。それにね、現地に行くときに少しだけ仲良くなった運転手さん、あの人も帰りは全然しゃべってくれなかったんですよね・・・何が悪かったんでしょう・・・ちょっと派手に魔術を使った事でしょうか?それともおじいさんに少しキツイ事を言った事でしょうか?


 そんなわけで少し疲れました。


 新幹線の中で休憩です。移動時間は休憩時間です。まぁ、休憩と言っても、今日はもう仕事をするつもりは無いのですけど。そんなわけで座席でのんびりしていると、なんとなく今朝見た黒い鬼の事を思い出しました。鬼って言われてましたけど、あれって一体何なのでしょうね?魔力は確かにそれなりに強いみたいでしたけど、明確な意思も無く、それ故に持っていたはずの力をうまく振るう事も出来ず。鬼を降ろされた孫娘さんとやらが制御する事に成功していたら・・・していたら・・・どうなってたんでしょうね?


 私にもよく分からないです。


 なんだか眠たくて考えがまとまりません。そもそも全部消し飛ばしてしまったから、今更考えてもどうにもなりませんし。でも、あれですね。なんとなく想像は付きます。たぶん、あの「鬼」と言われていたものは色々な人が残した力の残りカスみたいな物の塊なんでしょう。あの魔術師の隠れ里で生まれて、そして死んでいった人達の力の結晶。それが形を成してしまった物。それをきっとあそこの人達は「鬼」と呼んで大事にしまい込んでいたのかなって。


 ひょっとしたら何世代にも渡って蓄積した何かを、自分達が積み上げてきた物を、どうにかして外に出して評価してもらいたかった、それだけの事だったのかも知れませんね。

 それだけのために誰かを犠牲にするってのも、私にはよく分かりませんけど。

 ・・・・・・

 ・・・

 あそこの事についてはもういいでしょう。終わった事です。でも、あの「鬼」を見ていて気になった事が一つだけ。

 今までろくに気にして無かった事が自分でも少し不思議ではあるのですけど


 私と共にある朱天・・・これって何なのでしょうね?


 私の存在と不可分でいて、でも、私そのものではなくて

 正直、もう細かい事は覚えていません。知っていたはずの人達も皆いなくなってしまいました。


 でも、私の中にも確かにいる。さっきの「鬼」のように真っ黒で、でも、あの「鬼」とは違って確かに意思を感じる誰かが。


 私の中の「私以外の黒い姿の誰か」は、いつも私の事をじっと見ている。いつも近くで私の事を見ている。


 あなたは一体誰なのでしょうね?

 


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