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猫と僕と知らない世界  作者: シマタロウ
第一部3章:猫と準備と裏工作

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幕間2:舞台裏

「気持ちが悪いほど、あなたの言う通りになってるわね。私には何がどうなって今の状況に繋がっているのか、さっぱり分からないけど」


 SNSに写真を晒せば協会が喰いつき、薬の売人を用意すればパワーアップする。挙句の果てには、瀕死のところに犬をけしかければ復活する、と来たものだ。風が吹けば桶屋が儲かる、みたいな謎の理屈の連続で結果だけが付いてくる。


 今回の件もそうだ。これも何が起こっているのか、私にはちっとも分からない。


「蜘蛛退治に行ったら強力な霊装を手に入れるってのは、分からないでもないけど、なんであの二人を観光地の高級ホテルに泊めてあげたら、彼の記憶制御の緩和が前倒しになるの?正直、訳が分からないのだけど」


 そんな私の疑問に彼は静かに答えてくれる。『僕は答えを知っているから先回り出来るだけだよ』と。


「まぁ、分かってはいるのよ。ただ納得が出来ないだけで」


 彼は原因と結果の関係を知っている。だから無理やりにフラグを立てる事が出来るだけ。本当はもっと『後で起こるはずの出来事』を前倒しして起こせるだけ。分かってはいるが・・・実際にその通りに現実が動くと、なんだか気味が悪い。


『彼らに必要なのは時間なんだ。彼も今なら分かっているだろうけど、一つの可能性だけじゃダメなんだ。それでは足りない。いくつもの可能性を集めて束ねて立ち向かわないと「あるべき姿」を覆す事は出来ない。そして、彼が辿り着く事が出来なければ』


「ええ、分かってる。頑張りましょう。私とあなたならきっと出来るわよ」


『あぁ、そうだね。頼りにしてるよ』


 彼は私にそう伝えてくれた。でも彼にはそう言ったものの、私の頭を過るのは不安ばかり。

 私は彼に言われるがままに動いているだけ。・・・もちろん、その意味を疑っているわけではないのだけど、そこまで意味のある事を出来ているとも思えない。本当に今のままで良いのだろうか。もっと他に出来る事があるのではないだろうか。どうしても、そう思ってしまう。


 それこそ今のような間接的な干渉ではなく、もっと直接的な


『・・・行き過ぎた干渉は何が起こるか分からないから止めた方がいい』


 声に出さなくても、それぐらいは伝わるか。


『気持ちは分かるけど失敗するわけにはいかないんだ。大丈夫、まだ時間はある。だから今の間に伝えられる物を伝えられるだけ彼に』


「分かっているわ。大丈夫よ、安心して」


『そうか、そうだね、君は優秀だから・・・』


 そう言って彼は言葉を止めた。今日はここまでらしい。


「・・・また、来るから」


 それだけ告げ、私は席を外した。

 


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